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OmniPlan 3 for Mac
ユーザマニュアル

はじめに

OmniPlan 3 へようこそ!

この度は、より良いプロジェクト管理を行うためのアプリ OmniPlan をお選びいただき、ありがとうございます。今からご利用になるこのアプリには、プロジェクトを管理する上で直面する困難な仕事、計算処理、および視覚化を処理するためのツールがすべて揃っているため、あなたは大切な事だけに専念することができます。弊社は OmniPlan 3 をリリースする上で、インスペクタからガントチャートまでアプリのあらゆる面を再検討しました。その結果、アプリはさらに使いやすくなっただけでなく、よりパワフルになり、数多くのすばらしい新機能が追加されました。

MacBook Pro と Thunderbolt Display での OmniPlan 3

OmniPlan があれば、いつでもどこでも必要なときに、プロジェクトの進行状況を支持、整理、および追跡できます。OmniPlan は Mac をはじめ、その他のデバイスでもご利用になれます。iPhone や iPad でご利用になれる OmniPlan for iOS には、最新のプロジェクト編集機能、レビュー機能、およびプレゼンテーション機能があります。

参考

  • OmniPlan for Mac(このマニュアルの対象製品) は Mac App Store のほか、The Omni Group から直接入手することも可能です。
  • OmniPlan for iOS は、すべての iOS デバイスで使えるユニバーサルアプリとして App Store から入手できます。
  • バージョン間の同期は、OmniPlan for Mac の OmniPlan Pro アップグレードにある公開/照会機能を通じてサポートされています。
  • OmniPlan for Mac には OS X Yosemite が必要であり、OmniPlan for iOS には iOS 9 が必要です。

このマニュアルは、これからあなたが OmniPlan をご利用になる際に必要となるガイドです。このガイドを参考にしながら、タスクやリソースのアウトラインをカスタマイズしてプロジェクトを視覚化、管理、簡素化する方法を学ぶことができます。タスクを掘り下げたり、必要なリソースを最適化したり、経費を管理できるほか、一目で進行状況をプラン全体を監視することができます。また、OmniPlan Pro アップグレードがあれば、マルチユーザやマルチプロジェクトのプランをさらにレベルアップするための機能にアクセスできます。OmniPlan を使用していくうちに、アプリをより快適に使うための方法が、些細ながら数多くあることにお気づきになるでしょう。

心を込めて制作しました。

The Omni Group

このマニュアルの構成

このマニュアル(OmniPlan 内、オンライン、または Mac や iOS デバイス上の iBooks)は、OmniPlan の完全なツアーを提供できるように構成されています。

この最初の章では、OmniPlan 3 に加えられた新機能や強化機能の概要を紹介しているほか、本マニュアル自体について説明しています。また、後に続くいくつかの章には、アプリを使い始める上で役立つ情報が記載されています。OmniPlan を初めてお使いになる方は、これらの章をお読みになることをお勧めします。

OmniPlan の使い方をより効率よく学べるように、このマニュアルは以下の各章で構成されています。

第 1 章、はじめに

今お読みになっている章です。この章には、OmniPlan の新機能の紹介、アプリの概要、このマニュアル(EPUB 版を推奨)を最大限に活用する方法が記載されています。

第 2 章、OmniPlan の概要

この章では、OmniPlan を実際に使いながら、そのインターフェイスの概要を紹介します。ツールバー、アプリの 5 つのビュー(タスク、リソース、カレンダー、ネットワーク、スタイル)、およびインスペクタについて学びます。ここでは基本的な情報を紹介するだけです。OmniPlan 関するさまざまな情報を軽く把握するのに最適な章です。

第 3 章、OmniPlan で作業する:チュートリアル

この章は、OmniPlan プロジェクトを初めて立ち上げる際にお読みください。このチュートリアルでは、最初のタスクの作成から最後のマイルストーンに至るまで、プロジェクトの設定方法や管理方法について手順を追いながら説明します。このチュートリアルを終えたら、必要なツールを使って一からプロジェクトを作成できるようになります。

第 4 章、プロジェクトを管理する

プロジェクトを立ち上げた後は、OmniPlan の助けを借りながらプロジェクトを徐々に最終的な形に整えていきます。予期しない状況が発生した場合は、プロジェクトを調整することで最終目的に近づけていきます。この章では、制約違反、スケジュール作成と平準化、基準スケジュールの確率と操作、遅れの取り戻しとタスクの再スケジュール、およびプロジェクトを正確に管理するための他のツールについて説明します。

第 5 章、共同作業とマルチプロジェクトレビュー(Pro)

OmniPlan Pro には、より複雑なプロジェクトを管理するためのツールがあります。地理的に分散しているプロジェクトや複数のユーザが関与しているプロジェクトで作業する場合、または同時に発生している複数のプロジェクトに対する責任がある場合は、共同作業(公開/照会)機能とマルチプロジェクトダッシュボード機能がとても便利です。この章では、これらの機能を使って複雑なプロジェクトを管理する方法について説明します。

第 6 章、タスクビューで作業する

タスクについて理解すること、またタスク間の関係を理解することは、OmniPlan を最大限に活用するための鍵となります。この章では、作業の進行状況を監視および更新できるように、タスクビューを使用して行うべき作業をモデル化する方法について詳しく説明します。これには、タスクのグループ化と分割、ハンモックタスク、ガントチャートの理解などが含まれます。

これらはタスクビューのオプションの列です。そのため、この章では OmniPlan Pro ユーザのために OmniPlan の達成額分析ツールについても紹介します。

第 7 章、リソースビューで作業する

タスクがプロジェクトの構築ブロックであるなら、リソースはその命、つまり活力です。リソースを正確に評価および整理することは、プロジェクトを最大効率で運営する上で役立ちます。この章では、リソースビューを使用してその目的を達成する方法について説明します。また、リソースの作成と割り当て、リソースグループの作成、リソースの観点から見たプロジェクトの追跡、および所要時間や作業時間の概念に関するヒントも紹介します。

第 8 章、カレンダービューで作業する

カレンダービューではタスクとリソースが一体となり、目標を時間通りに達成できるようにプロジェクトのあらゆる面を考慮してスケジュールが設定されます。この章では、プロジェクトの稼働時間の確立、ならびに稼働時間に対する全体的および個々の例外について解説します。

第 9 章、ネットワークビューで作業する

OmniPlan 3 に追加された新機能「ネットワークビュー」では、タスクやグループのノードベースのダイアグラム(PERT チャートに似ている)を使ってプロジェクトを視覚化および開発できます。これは、同じことを新しいプロジェクトですばやく繰り返したい場合や、タスク間の関係をより明確に表したい場合に便利です。この章では、この新しいビューを最大限に活用する方法について説明します。

第 10 章、スタイルビューで作業する

OmniPlan には、プロジェクトに関する情報を明確に伝えられるようにデザインされたプロ級のフォントおよびスタイルがデフォルトで用意されています。また、このアプリには、ガントチャートの個々のバーの色からプロジェクト全体に影響するスタイルまで、書類のプレゼンテーションをカスタマイズするのに必要なツールがすべて揃っています。この章では、スタイルビューを使ってプロジェクトの視覚的な面をカスタマイズする方法について説明します。

第 11 章、インスペクタを使用する

OmniPlan ではビュー間を移動しても、インスペクタを継続的に使用できます。これらのインスペクタのコントロールを使って、作業中のプロジェクトのさまざまな面を操作します。この章では、プロジェクト情報、マイルストーン、タスク、リソース、スタイル、カスタムデータ、および添付ファイルに対し、各インスペクタで行える設定について詳しく説明します。

第 12 章、読み込みと書き出し

OmniPlan には、どのような複雑なプロジェクトでも実行できるように、必要なすべてのツールが揃っています。しかし、場合によっては、Omni 製品の枠外での操作を要求されることもあります。幸運なことに、OmniPlan はこの点でも優れています。この章では、OmniPlan で認識できる/書き出せるすべてのフォーマット、ならびに OmniPlan Pro に備わっている Microsoft Project のサポートについて詳しく説明します。

第 13 章、レポート作成とプリント

プロジェクトを同僚や他の人々と共有する場合には、OmniPlan Pro の新しいレポート作成用インターフェイスを使うと便利です。この章では、OmniPlan に備わっている HTML テーマを使ってレポートを生成する方法を詳しく説明するとともに、それらのテーマに修正を加えたり独自のテーマを作成したりするためのヒントを紹介します。レポートのプリント(紙面または PDF) も完全にサポートされています。

第 14 章、OmniPlan の環境設定

この章では、ユーザのニーズに合わせて OmniPlan を使用するための、さまざまなカスタマイズオプションについて説明します。OmniPlan の環境設定には、データ入力、日時の表示、書類や HTML テンプレートの管理、サーバリポジトリアカウント設定(OmniPlan Pro)のカスタムコントロール、および OmniPlan がアップデートを確認する方法とそのタイミングを設定するためのオプションがあります。

第 15 章、用語集

この用語集には、アプリ、本マニュアル、および他のプロジェクト管理リソースで使われている特別な用語のリストが五十音順に一覧されています。プロジェクト管理を始められたばかりの方や、OmniPlan で使われている特定の概念について興味のある方は、この章を参照してください。

第 16 章、Omni ライセンスを管理する

ほとんどの場合、特に OmniPlan を Mac App Store から購入したのであれば、Omni ライセンスの心配をする必要はありません。ただし、OmniPlan を弊社の Web サイトから購入した場合は、弊社からお客様に送られたライセンスメールに記載されている特定の情報を入力する必要があります。

この短い章では、OmniPlan にライセンス情報を追加するための手順をはじめ、ライセンスを削除する方法について説明しています。また、ライセンスを弊社に送信しなければならない場合や、新しく購入した Mac にライセンスを移行するときのために、お使いの Mac 内の「ライセンスの格納場所」も記されています。

第 17 章、ヘルプを得る

OmniPlan での操作方法がわからないときや、アプリのライセンスに関して問題が生じた場合、あるいは単に弊社に関するお客様の声をサポート担当員や DocWranglers に伝えたい場合などは、お気軽に弊社にご連絡ください。この章には、サポート担当員、サポート記事、ビデオ、マニュアルなど、ご利用いただけるすべてのリソースに関する情報が記載されています。

ヒント
現在別のバージョンの OmniPlan(iOS 版または前の Mac 版)を使用しており、すでに進行中のプロジェクトのスピードを可能な限り上げたい場合には、この章の「OmniPlan 3 の新機能」セクションを参照してください。複数のユーザが作業しているプロジェクトの場合は、同期を行うためのクイックスタートガイドとして「複数のユーザとともに共同作業する」を参照してください。

OmniPlan 3 の新機能

この最新バージョンの OmniPlan では、ユーザの作業がより効率的に行われるように、そのデザインが一新されました。最初のプロジェクトを開始するときから、その最後のタスクを完了するまで、アプリ全体を通してさまざまな新機能や強化機能が目に入ることでしょう。OmniPlan を初めて使われる方は、今まで以上に便利になったこのアプリをぜひお楽しみください。

アプリ全体を通して新しくなった外観や使い心地のほかに、OmniPlan 3 には以下の新機能が追加されました。

デザインが大幅に変更されたインスペクタ

インスペクタの外観が Apple の最近の OS X のトレンドに合わせて、すっきりとしたデザインになりました。また、Omni の他の Mac 版アプリと同様に、現在のビューで項目を選択すると、その選択内容に関連したインスペクタが自動的に選択されます。

OmniPlan 3 のインスペクタタブ

インスペクタは、このように操作性が向上したほか、各カテゴリに分けられ、インスペクタサイドバーの上部にタブ形式で表示されるようになりました。最も大きく変更されたのはプロジェクトインスペクタであり、プロジェクト全体に影響するスタイルがインスペクタから新しいスタイルビューに移動しました。

スタイルビュー

OmniPlan 3 での弊社の目標の 1 つは、ユーザがプロジェクトをどのように設定したがっているかを優先させることです。したがって、プロジェクトの情報の見た目も重要視しています。新しいスタイルビューでは、プロジェクトの全体的な外観がデータの他のビューと同じように扱われます。また、スタイルインスペクタと連携しているため、書類内のガントチャート、テキスト、列や行を思い通りに編集できます。

OmniPlan 3 でのスタイルビューのガントプレビュー

スタイルビューを表示するには、ツールバーのビュー切り替え領域にある一番右のボタンをクリックしてください。

ネットワークビュー

ネットワークビューは、タスク間の依存関係を強調したダイアグラムで表したプロジェクトの新しい見方であり、ガントチャートのように時間の流れに基づくビューとは異なります。ネットワークビューを表示するには、ツールバーのビュー切り替え領域にある 4 番目のボタンをクリックしてください。

OmniPlan 3 のネットワークビューのプロジェクト
会議タスクタイプ

プロジェクトチーム全体(またはチームの一部)が 1 つのタスクに対して同時に作業を行う必要がある場合には、会議タスクタイプが便利です。タスクを会議に設定すると、そのタスクに割り当てられたリソースが利用可能になるまで、そのタスクはスケジュールされません。

OmniPlan 3 のタスクインスペクタで会議タスクタイプを選択

複数のリソースが 1 つのタスクに対して個別に作業するか、それとも会議形式で作業するかは、タスクインスペクタの「リソースの割り当て」セクションにあるスイッチで決まります。

OmniPlan Pro について

多くの OmniPlan ユーザにとって、プロジェクトを作成、管理、監視、および完了するためのツール(つまり、基本アプリのすべての機能)があれば、ニーズは完全に満たされます。しかし弊社では、プロジェクト管理システムの要件がより複雑な場合に備え、OmniPlan の柔軟性、拡張性、および能力をさらに引き上げるように設計された、追加のツールを含むパッケージを提供しています。

この OmniPlan Pro スイートには以下の機能があります。

マルチプロジェクトダッシュボード

OmniPlan 3 Pro では、マルチプロジェクトダッシュボード機能を使って関連する複数のプロジェクトの概要をカスタマイズできます。「ファイル」▸「新しいダッシュボード」を選択して新しいプロジェクトグループを作成し、OmniPlan プロジェクトファイルをビューにドラッグアンドドロップすれば、それらのプロジェクトを閲覧できるようになります。

OmniPlan 3 のマルチプロジェクトダッシュボード
モンテカルロシミュレーションと作業時間の推定

OmniPlan 3 Pro に追加された新機能として、モンテカルロシミュレーションを用いた、プロジェクトやマイルストーンが予定通りに完了するかどうかを判断する機能があります。これは、将来のことを計画する際に役立つ優れた機能であり、プロジェクトを予定通りに完了するのにリソースを移動する必要があるかどうかを判断するためのヒントを提供します。このシミュレーションパッケージには、便利な作業時間を自動推定ツールも含まれており、作業時間がまだ割り当てられていないタスクに対し、完了の時期を簡単に予測することができます。

確実性を表すモンテカルロシミュレーション結果

シミュレーションを実行すると、各マイルストーンを囲むいくつかの日付に対し、一連の水平バーが表示されます(小さなひし形で表されます)。各日付のバーにポインタを置くと、その詳細が表示されます。

達成額分析

OmniPlan 3 Pro のタスクビューに、プロジェクトの予算を追跡・管理するのに便利なカスタム列タイプが追加されました。達成額分析方法が完全に実装されたことにより、プロジェクトの経費を監視および操作しやすくなりました。

勤務先での新しい達成額分析列の例

新しいレポートインターフェイスと連携させれば、プロジェクトの費用に関するタブを今までより簡単に維持できます。

新しい HTML レポートインターフェイス

OmniPlan 3 Pro には、プロジェクト用の新しいレポートテンプレートがいくつか用意されています。これらのテンプレートを使用すれば、きれいで読みやすいデータをプリントまたは書き出すことができます。

OmniPlan 3 Pro の新しい HTML レポートインターフェイス

使用可能なテンプレートを使ってプロジェクトをプレビューするには、ツールバーの「レポート」ボタンを使用するか、「ファイル」▸「レポート」を選択して新しい HTML レポートインターフェイスにアクセスします。レポートは、選択したテンプレートを使ってインターフェイスから直接プリントできます。

OmniPlan Pro で再び使えるようになった機能

OmniPlan をすでにご利用の方は、Pro 版へのアップグレードをぜひご検討ください。OmniPlan のご購入を検討されている方は、基本的な機能をすべて備えた Standard 版、あるいは上記で説明した機能を含む Pro 版のいずれかをお選びいただけます。

OmniPlan Pro アップグレードはアプリ内課金を通じて Mac App Store から入手するか(OmniPlan を Mac App Store からご購入された場合)、または Omni のオンラインストアでご購入いただけます。

Pro を体験するには

体験版の OmniPlan は弊社の Web サイトからダウンロードできます。体験期間中であれば、いつでも「OmniPlan」▸「無料体験モード」▸「Pro/Standard エディションを試す」を使用して Standard と Pro を切り替え、機能を比較して、どちらがご自分のニーズに合っているかを判断することができます。

同様に、Mac App Store から OmniPlan 3 Standard を購入されたお客様は、Omni の Web サイトから体験版をダウンロードし、Pro と Standard を並べて実行することで機能を比較することができます。

Omni Store からの Standard ライセンスをお持ちで、Pro を試してみたいというお客様は、体験期間が残っている限り、お持ちのライセンスを一時的に削除して(「OmniPlan」▸「ライセンス」)体験モードに戻すことで Pro をお試しいただけます。体験期間の期限が過ぎている場合は、弊社までご連絡ください。そうすれば、Pro の体験版ライセンスを提供いたします。

参考
Pro がインストールされているかどうかが不明な場合は、「OmniPlan」▸「OmniPlan について」を選択すると、アプリの現在のバージョンやライセンスのステータスに関する詳細を確認できます。

本書の使用について

OmniPlan のマニュアルを電子形態にする利点の 1 つは、必要なときにいつでも利用できるということです。実際、このマニュアルは「ヘルプ」メニューに組み込まれています。弊社 Web サイトにはすべてのマニュアルが用意されておりますので、検索したりブックマークを付けることが可能です。弊社では、これからも EPUB 版のマニュアルを作成していく予定ですので、iBooks Store からご自由にこれらのマニュアルを入手することができます。

ご意見・ご感想をお寄せください

弊社では、日頃より弊社マニュアルの更新作業に務めております。CSS に関する内容、たまに発生する誤字脱字の修正、特定の機能に関する詳細や説明の追加など、お客様からお寄せいただくあらゆる報告に基づき、弊社はマニュアルの品質向上を目指し、お客様のお役に立とうと日々努力しております。

本マニュアルに関し、ご意見・ご感想がございましたら、ぜひ弊社までお寄せください。その際は、サポート宛にメールメッセージをお送りいただくか、Twitter(@OmniWranglers)を通じて弊社までご連絡ください。

この度は本マニュアルをご利用いただき、ありがとうございます。

OmniPlan の概要

OmniPlan を初めて起動すると、新規の OmniPlan 書類が表示されます。この書類を使って、お手持ちのプロジェクトをその正確なニーズに合わせながら構築していきます。以下、プロジェクトをニーズに合わせながら構築していく上で使用する、アプリ内の各要素を簡単に紹介します。今すぐ実際にアプリで作業する場合は、「チュートリアル」を参照してください。

ツールバー

ほとんどのアプリケーションと同様に、このツールバーには頻繁に使用するコマンドのボタンがあります。多くの OmniPlan ユーザが便利だと感じる一連のコントロールはすでにデフォルトとして含まれていますが、「表示」▸「ツールバーをカスタマイズ」を使用すれば、必要に応じてコントロールを追加したり削除したりできます。

デフォルトのツールバー

概要

ツールバーには概要と呼ばれるオプションの機能があります。この水平のバーには、「表示」▸「概要を表示」を選択したときに表示される、要約版のガントチャートがあります。この概要は、現在どのビューを使用しているかにかかわらず、プロジェクト全体をすばやく見ることができるのでとても便利です。

ツールバーの下に表示されたオプションの概要バー

タスクビューとリソースビューでは、概要にプロジェクトをブラウズするための代替コントロールがあります。選択ボックスをクリックしてドラッグするだけで、メインビューのガントチャートまたはリソースタイムラインをスクロールできます。

タスクビュー

タスクビューを表示するには、ビューコントロールの最初のボタンをクリックします。

タスクビュー

タスクビューは、左側のタスクアウトラインと右側のガントチャートで構成されています。タスクアウトラインでは、タスクをすばやく作成または編集したり、関連するタスクをグループ化したりできます。ガントチャートでは、タスクの所要時間や関係を視覚的に確認できます。

リソースビュー

リソースビューを表示するには、ビューコントロールの 2 番目のボタンをクリックします。

リソースビュー

スタッフ、設備、資材を追加したり管理したりするには、リソースビューを使用します。タスクビューと同様に、リソースビューも 2 つの部分に分かれています。リソースを追加、グループ化、管理するためのアウトラインと、タスクビューと同じタスクを表示したタイムラインです。ただし、このタイムラインでは、時間順または依存関係的な構造ではなく、リソースの割り当てに基づいてバーが表示されます。ドラッグアンドドロップ操作でリソースをタスクに(またはタスクをリソースに)すばやく割り当てることができます。

カレンダービュー

カレンダービューを表示するには、ビューコントロールの 3 番目のボタンをクリックします。

カレンダービュー

カレンダービューにも 2 つの主な領域があります。リソースビューのアウトラインに似たプロジェクトリソースのリストと、稼働時間を編集するためのカレンダーです。さらに、カレンダービューは通常の稼働時間を編集するためのモードと時間外と非稼働時間を編集するためのモードに分けることができます。

通常の稼働時間モードでは、プロジェクト全体の作業カレンダー(リソースが選択されていないとき)や、個々のスタッフメンバーの通常の稼働時間(アウトラインでスタッフメンバーを選択)を編集できます。カレンダー内では、通常の稼働時間が緑のブロックで表されます。時間外と非稼働時間モードを使用すると、標準の状態から外れた単独の変更をスケジュールに追加できます。これらの変更はそれぞれ青(時間外)と赤(非稼働時間)で表されます。

ネットワークビュー

ネットワークビューを表示するには、ビューコントロールの 4 番目のボタンをクリックします。

ネットワークビュー

OmniPlan 3 の新機能であるネットワークビューには、プロジェクトが線(依存関係)でつながれたノード(タスク)のダイアグラムとして表示されます。PERT 技法で生成されたチャートを思い出させるネットワークビューは、現在のプロジェクトの新しい観点を提供するだけでなく、新しいプロジェクトをすばやく開発するのにも利用できます。タスクが 1 つ選択された状態で Enter キーを押すと、そのタスクに依存する新しいタスクが作成されます。そして、既存のタスク間で線をドラッグし、作成したばかりの新しい関係に従うようにそれらのタスクを配置していきます。

スタイルビュー

スタイルビューを表示するには、ビューコントロールの 5 番目のボタンをクリックします。

スタイルビュー

スタイルビューは OmniPlan 3 の新機能ですが、以前のバージョンを使用していたユーザにとってはお馴染みのものです。これは、プロジェクト全体に影響するスタイルコントロールの新しいホームです。フォントや色からガントチャートのバーの外観まで、ここでデフォルトのオプションを変更すると、書類全体の要素の外観が更新されます。個々の項目に特別なスタイルを設定するためのカスタム名前付きスタイルの作成や管理もここで行えます。

インスペクタ

OmniPlan ウインドウの右側にはインスペクタサイドバーがあります。表示されていない場合は、「インスペクタ」▸「インスペクタを表示/隠す」(Shift-Command-I)を選択するか、ウインドウの右端をクリックし、内側に向かってドラッグすると表示されます。

OmniPlan 3 のインスペクタ

インスペクタは、メインウインドウで選択されている内容に関連する情報やコントロールを含むパネルです。インスペクタが現在の選択内容に関連しているかどうかは選択内容によります。7 種類のインスペクタ(プロジェクト情報、マイルストーン、タスク、リソース、スタイル、カスタムデータ、添付ファイル)はいつでもブラウズして変更可能な情報を確認できます。

レポートウインドウ(Pro)

OmniPlan Pro のレポートインターフェイスは、メインの OmniPlan ウインドウに常に表示されているわけではありませんが、とても重要な機能です。レポートインターフェイスを表示するには、「ファイル」▸「レポート」(Option-Command-R)を選択します。

OmniPlan 3 のレポートインターフェイス

いったんプロジェクトを立ち上げた後は、ここでプロジェクトの進行状況を視覚化し、要約することができます。ウインドウの上部にある各タブには、プロジェクトのステータスに関するデータを表示するための一連のオプションがあります。これには、プロジェクト全体の概要から、タスクやリソースに焦点をあてたレポートまでさまざまなものが含まれます。また、OmniPlan Pro では、達成額分析(EVA)の予算見積りや、マイルストーンを完了するための予測シミュレーションの機能も利用できます。

さらに便利なことに、選択したレポートはプリセットまたはカスタムのスタイル付き HTML テンプレートを使ってこのウインドウから直接プリントできます。

ダッシュボード(Pro)

マルチプロジェクトダッシュボードは OmniPlan 3 Pro に備わっている機能であり、複数のプロジェクトを同時に表示するための新しい手段を提供します。新しいダッシュボードを作成するには、「ファイル」▸「新しいダッシュボード」(Shift-Command-N)を選択し、OmniPlan プロジェクトファイルをそのダッシュボード上にドラッグします。

OmniPlan 3 のマルチプロジェクトダッシュボード

そのダッシュボードは今後のために専用の .opld ファイルフォーマットとして保存できます。また、作成できるダッシュボードファイルの数には制限がないため、複数のプロジェクトをさまざまに組み合わせて、ユニークなダッシュボードをいくつでも作成できます。 ダッシュボードで共有しているプロジェクトに変更を加えると、その変更はすぐにダッシュボードに反映されます。ただし、ダッシュボードインターフェイスからプロジェクトそのものを直接編集することはできません。

OmniPlan で作業する:チュートリアル

チュートリアルへようこそ!ここでは白紙の状態から、OmniPlan の主要機能をすべて紹介しながら実際にプロジェクトを作成していきます。

このチュートリアルでは、デザイナー、コーダー、テスターからなるチームが共同でゲームを開発していくプロセスを見ていきます。これには、プロジェクトの計画段階からデモビデオのリリースまですべての段階が含まれます。

ステップ1:プロジェクトを作成する

新しいプロジェクトを作成するには、「ファイル」▸「新規」(Command-N)を選択します。

「ファイル」メニューから新規プロジェクトを作成

タスクが 1 つだけ含まれた、新しい名称未設定のプロジェクト書類が開きます。「保存」(Command-S)を使用してファイルを都合のよい場所に保存し、名前を付けてください(このチュートリアルでは、開発予定のゲームプロジェクトのコード名である「ノーティラスコマンド」を使用します)。

保存され、作業開始の準備が整ったプロジェクト

ステップ2:開始日または終了日を指定する

プロジェクトを作成する際、最も重要な要素の 1 つは時間枠です。これは、プロジェクトの期日や開始制約によって決まるものです。

このチュートリアルのゲーム開発プロジェクトの例では、絶対に終わらなければならないという厳しい期日はありません。無理をしない程度に、できるだけ早く仕上げることを目標とします。これを指定するために、まずプロジェクトインスペクタにアクセスし、開始日を今日に設定します。

デフォルトの開始日(プロジェクトの作成日)が設定されたプロジェクトインスペクタ

便宜上、これが新規プロジェクトのデフォルト設定になっています。

参考
決まった開始日や終了日がなく、観念的にプロジェクトを計画している場合は、時間枠がもっとはっきりするまで 日付を「特定」から「不確定」にしておくことができます。その場合、日付は T+1d、T +2d... のように表示されます。

絶対に守らなければならない厳しい期日があるプロジェクトを計画する場合は、方向を「進める」から「さかのぼる」に切り替え、「終了」フィールドに期日を入力します。そうすれば、タスクはこの日付から逆向きにスケジュールされるようになります。つまり、プロジェクトの完了から現在の日付に向かってタスクが指定されます。

ステップ3:マイルストーンを作成する

マイルストーンとは、プロジェクト内の注目すべき重要な推移や新しい局面を明確に示すためのアンカーポイントです。これらのアンカーポイントを明確にすることで、大規模で複雑なプロジェクトをより小さな管理しやすい部分に分けることができます。また、各マイルストーンの前後のタスクを指定しやすくなります。

マイルストーンを作成するには、「構成」メニューから「構成」▸「追加」 ▸「マイルストーン」の順に選択するか、キーボードショートカット(Command-Shift-M)を使用します。

別の方法として、すでに存在するタスク(「タスク 1」)をクリックして選択し、タスクインスペクタを開いてもかまいません。そこにある「タスク情報」セクションで、タスクタイプを標準のタスクからマイルストンに変更できます。

タスク情報インスペクタでタスクをマイルストーンに変更

この後、タスクビューで「タスク 1」という名前をクリックするか、タスクインスペクタで名前フィールドを編集して、その名前を変更します。また、このプロジェクトのマイルストーンをさらにいくつか作成し、各マイルストーンをそれぞれ複数のタスクで補強していきます。

このプロジェクトの重要なマイルストーンのリスト

ステップ4:タスクを作成する

タスクが選択された状態で Return キーを押すか、「構成」▸「追加」▸「タスク」の順に選択してタスクを作成します。現在選択されているタスクの上に別のタスクを追加するには、Shift キーを押した状態で Return キーを押します。

タスクとは、プロジェクトを完了に向けて推進させる上で遂行しなければならない物事のことです。各タスクにはそれぞれ開始日や終了日、達成率、リソースの割り当てなどの属性があります。これらの属性は、タスクアウトラインのさまざまな列、およびタスクインスペクタのさまざまなセクションに表示されます。タスクはグループ化してまとめることも、他のタスクに依存させることもできます。

ここでは、いくつかのタスクを作成し、それらに名前を付けます。新しいタスクを作成するには、最初のタスクを選択し、Return キーを 1 回(キーボードの設定によっては 2 回)押します。「タスク 1」がまだ表示されている場合は、そのタスクを削除するか、その名前を変えてもかまいません。その後、マイルストーンがリストの途中に表示されている場合は、そのマイルストーンの左側にある箇条書き記号をクリックし、リストの下部までドラッグします。

アウトライン内の各タスクはそれぞれガントチャートのバーに対応しています。

新しいタスクは、ガントビューで現在選択されている項目の下に表示されます。タスク、マイルストーン、またはグループが選択されていない場合は、リストの下部に表示されます。

プロジェクトのタスクやマイルストーンの基本的なリスト

このプロジェクトでは、各マイルストーンの下に関連するタスクをいくつか作成していきます。

参考
追加のタスクを作成すると、アウトラインにはそのタスク名のほか、「制約違反」、「メモ」、「作業時間」というデフォルトの列も表示されます。タスク名の横にあるメモアイコンをクリックすれば、そのタスクの詳細を追加できます。「作業時間」はタスクを完了するのに必要なリソース時間数を表し、「制約違反」はタスク間の依存関係ロジックが予期された状態から外れたときにのみ表示されます。

ステップ5:週間稼働時間を編集する

プロジェクトが徐々に出来てきました。ここで、タスクのことは少し忘れて、プロジェクトの稼働スケジュールを設定してみましょう。

カレンダービューに切り替えてください。デフォルトの稼働時間は月曜日から金曜日までの 8:00 ~ 5:00 で、1 時間の昼休みがあります。これらのブロックを移動またはサイズ変更すれば、プロジェクトの稼働時間を調整できます。

カレンダービューの週間稼働時間のデフォルトスケジュール

ブロックを移動するにはブロック自体をドラッグし、ブロックのサイズを変更するにはブロックの端をドラッグします。また、空白の領域をダブルクリックしてドラッグすれば、新しいブロックを作成でき、ブロックを選択して Delete キーを押せば、そのブロックを削除できます。各ブロック内のテキストは、変更の内容に合わせて更新されます。

ゲーム開発チームのメンバーたちは夜間に仕事する人が多いため、それを反映するようにスケジュールを変更してみましょう。カレンダー上の時間ブロックの 1 つをクリックし、ドラッグして新しい位置に移動します。または端をドラッグしてブロックのサイズを変更します。この操作で、スケジュールが次のように変更されました。

ニーズに合うように更新された週間稼働時間

参考
1 日の平均の稼働時間が 8 時間でない場合は、プロジェクトインスペクタの「作業時間の単位変換」セクションにアクセスし、1 日あたりの時間数の設定を変更してください。そうすれば、タスクの所要時間がつじつまの合うものになります。

ステップ6:スケジュール例外を設定する

場合によっては、通常の週間稼働時間があてはまらない日があります。たとえば、国民の休日、チーム全体の研修セミナー、エキスポや会議、または職場に来れないような悪天候などです。通常の稼働スケジュールに対するこのような例外を設定することは、プロジェクトを管理する上でとても重要です。

カレンダービューで、リソースリストの下にある「時間外と非稼働時間」を選択します。ここで、休日や超過時間などの例外を考慮して、特定の週の稼働時間を変更できます。

プロジェクトカレンダーの概要

たとえば、このプロジェクトの場合、11 月 26 日に休日があるとしましょう。この休日をスケジュールに追加します。矢印を使用して現在の月から 11 月まで移動し、11 月 26 日の週をクリックしてその週の例外カレンダーにアクセスします。

11 月 23 日~ 27 日の週の詳細

スケジュールから稼働時間をすばやく削除するには、Shift キーを押したままドラッグして、通常の稼働時間を稼働不可にするための赤いボックスを作成します。

時間外の時間を追加するには、ダブルクリックしてからドラッグして青いボックスを作成します。この青いブロックは、通常の稼働時間から外れた稼働時間を表します。

11 月 26 日は休日であるため、この日(およびその翌日の金曜日)に仕事をしたい人はいません。しかし、この週は仕事がたくさんあるため、2 日の休みはチームにとって痛手となります。そこで、26 日と 27 日の代わりとなる時間ブロックを作成し、それらのブロックを超過時間として同じ週の前の曜日に配置します。

例外が追加された 11 月 23 日~ 27 日の週

参考
プロジェクト全体のスケジュールに変更を加える際には、サイドバーでリソースが選択されていないkとおを確認してください。リソースが選択された状態でカレンダーを編集すると、プロジェクト全体ではなく、その特定のリソースのスケジュールが変更されます(詳しくは「ステップ 12:個々のスケジュール例外を設定する」を参照)。

ステップ7:タスクの所要時間を設定する

それでは次に、各タスクの所要時間を設定してみましょう。

ビュー切り替え領域を使ってタスクビューに戻ってください。どのタスクにも完了するのに必要な時間があります。タスクの所要時間を設定するには、タスクアウトラインの「所要時間」列に値を入力するか、ガントチャートのバーの右端をクリックしてドラッグします。所要時間を入力する場合は、2d(2 日)や 1w(1 週間)のように省略形の単位を使用できます。

ガントチャートのバーの長さは所要時間を表します。

さまざまな所要時間のタスク

ステップ8:タスクをグループ化する

複数のタスクが互いに関連または依存しているときには、それらのタスクをグループにまとめると便利なことがあります。グループを使うと、プロジェクトを概念的に整理できます。また、グループは依存関係を通じて他のタスクやグループにリンクできるメタタスクとしても機能します。

グループ化する複数のタスクを選択

複数のタスクをグループ化するには、それらのタスクを選択し、「構成」▸「グループ化」(Option-Command-L)の順に選択します。グループ化されたタスクはアウトラインの中でインデントされ、"グループ" タイプの親タスクで表されます。この親タスクには、他のタスクと同様に名前を付けることができます。

グループ内のすべてのタスクが選択されている状態で、今度はこのグループを色で見分けられるようにしてみましょう。スタイルインスペクタに移動し、「タスクバーの色」セクションでグループ内のすべてのタスクに割り当てる色を選択します。

タスクインスペクタを使ってグループのバーの色を指定

タスクやマイルストーンを整理し、それらを完了するのに必要な時間を推定したところで、プロジェクトの大まかな形が見えてきました。この時点で、この例のガントチャートは次の図のように表示されます。

グループ、色スタイル、タスクの所要時間が設定されたプロジェクト

参考
上の図で、ガントチャートのスケールは、タスクに割り当てられた所要時間の相対的な関係がわかるように日から週に変更されています。ガントチャートのスケールを変更するには、日付バーを副ボタンでクリックし、時間単位を指定するか、またはバーを左右にドラッグして調整します。

ステップ9:タスクを依存関係リンク線でつなげる

すべてのタスクを同時に完了することは不可能です。たとえ十分な数の人員がいたとしても、タスクの中には、特定のタスクを終えないと始められないものもあります。ここまでの操作で、必要なタスクはすべてスケジュールに組み込まれています。後は、それらのタスクのステータスに応じて依存関係を設定すればよいのです。依存関係には以下の 4 種類があります。

  • 終了 ▸ 開始」依存関係は最もよく使われるタイプで、タスク A が終了したときにタスク B の開始が可能になることを意味します。

  • 開始 ▸ 終了」依存関係は、タスク A が開始されたときにタスク B の終了が可能になることを意味します。

  • 開始 ▸ 開始」依存関係は、タスク A が開始されたときにタスク B の開始も可能になることを意味します。

  • 終了 ▸ 終了」依存関係は、タスク A が終了したときにタスク B の終了も可能になることを意味します。

つなげる 2 つのタスクを選択し、ツールバーの「接続」ボタンをクリックします。すると、それらのタスク間に「終了 ▸ 開始」依存関係のリンク線が現れます。この場合、リンク線はアウトラインの中で最初にくるタスクから始まります。また、ガントチャートの中で、選択したタスクの終端にある矢印をクリックし、次のタスクの始端までドラッグしても、依存関係を描くことができます。

参考
依存関係のタイプは矢印の開始点と終了点によって決まります。たとえば、あるタスクの完了地点から別のタスクの開始地点に向かって矢印をドラッグすると、「終了 ▸ 開始」依存関係が作成されます。

タスクをつなげると、それらのタスクは依存関係を考慮して自動的に再スケジュールされます。

ガントビューに示された、2 つのタスク間の「終了 → 開始」依存関係

マイルストーンも、他のタイプのタスクと同様に、依存関係のリンク線を使ってつなげることができます。ガントチャート内のタスクを見ても、それらの依存関係が思うように表現されていない場合は、アウトライン内で行をクリックして上下にドラッグすることにより、より自然なフローでタスクが表示されるように調整できます。

プロジェクト内で再配置されたマイルストーンと依存関係でつなげられたタスク

依存関係を削除するには、関連するすべてのタスクを選択し、「構成」▸「タスクのリンクを解除」(Control-Command-マイナス記号)の順に選択するか、ツールバーの「接続」ドロップダウンメニューから「リンク解除」を選択します。

ステップ10:リソースを作成する

次に、プロジェクトの目標を達成する上で必要となるチームメンバー、装置、および資材を追加していきます。プロジェクトの目標達成に貢献する各人員、インフラストラクチャ、および原材料はすべてリソースとみなされます。それでは、始めましょう。

新規プロジェクトを作成したとき、リソースビューに表示される 1 つのデフォルトのリソース

リソースを作成する要領はタスクを作成する場合とよく似ています。リソースビューに切り替えてください。このビューにはリソースアウトラインがあります。ここで、いくつかのリソースを作成し(Return キーを押すだけです)、それらに名前を付けます。その後、各リソースのタイプアイコンをクリックし、「スタッフ」(チームの人員)、「設備」(用具)、「資材」(消費可能な物資)のいずれかを選択します。タスクと同様に、リソースも階層的なグループ内に入れることができます。

ビューの右側には、作成した各リソースに対するタイムラインが表示されます。ただし、この領域は、リソースをタスクに割り当てるまでは空白です。

タスクアウトラインと同様に、リソースアウトラインにもリソースの名前とタイプ(上記)のほか、いくつかのデフォルトの列があります。「メモ」はリソースの詳細(スタッフメンバーの役職など)を記入するのに便利です。 また、「ユニット」 はこのプロジェクトの作業に使用できるリソースのパーセント値を表します。

この例のプロジェクト用に作成されたリソースのリスト

リソースにメモを追加するほかに、ここでコストについても考えてみましょう。リソースアウトラインに「コスト/時間」列や「コスト/使用回数」列を追加し、関連するコスト情報(チームメンバーの時給など)を入力すると、リソースをタスクに割り当てる際にプロジェクトの予算を管理しやすくなります。

参考
スタッフリソースのもう 1 つの便利なプロパティはメールアドレスです。メールアドレスはリソースインスペクタの「情報」セクションで設定できます。スタッフメンバーのメールアドレスは、そのメンバーが参加しているすべてのプロジェクトにおける一意の識別子として使用されます。これは、複数のプロジェクト間で作業負荷のバランスをとる場合や、OmniPlan Pro のダッシュボードでプロジェクトを比較する場合に特に重要となります。

ステップ11:リソースを割り当てる

リソースをタスクに割り当てるには、タスクビューまたはリソースビューを使用します。

タスクビューでは、タスクを選択した後、タスクインスペクタの「割り当て」セクションを使用してそのタスクに割り当てるリソースを選択できます。

または、ツールバーの「割り当て」ボタンをクリックしてメニューを開きます。

リソースビューでタスクを割り当てるには、「未割り当て」タイムライン(またはサイドバー)からリソースのタイムラインにタスクをドラッグします。

ツールバーの「割り当て」ボタンを使用してタスクにリソースを割り当てる

リソースをタスクに割り当て始めると、ガントチャート内で一部のタスクの所要時間が明らかにシフトしていることがわかります。これは、所要時間の作業時間との関係によるものです。作業時間はタスクを完了するのに必要なリソース時間数です。一方、所要時間は、リソースをタスクに割り当てた場合にそのタスクが実際に必要とする時間量です。1 つのタスクに複数のスタッフメンバーをフルタイムとして割り当てれば、実際の所要時間は最初に割り当てられた時間より短くなります。

タスクインスペクタの「割り当て」セクションを使用してタスクにリソースを割り当てる

参考
依存関係とリソースの関係を構築し始めると、問題となりえる箇所が見えてきました。契約ミュージシャンの Jeremy さんには彼自身が手掛けている別のプロジェクトがあるため、私たちのゲームに費やせる時間は彼の全体の時間の 30% だけです。これでは 2 週間かかるタスクが 6 週間以上もかかってしまいます。私たちはこの遅延を避けるための策を考えなければなりません。たとえば、Jeremy さんに当初の予定より早い時期に作業してもらうように依頼するか、または私たちのプロジェクトにもう少し時間を割いてもらうよう説得します。

ステップ12:個々のスケジュール例外を設定する

場合によっては、個々のスタッフメンバーにそれぞれ異なる作業スケジュールを割り当てなければならないことがあります。また、休暇をとりたい日も各個人によって異なるでしょう。カレンダービューのサイドバーでリソースを選択し、プロジェクト全体の場合と同じ要領でそのリソースの通常の週間スケジュールを作成します。その後、リソースリストの下で「時間外と非稼働時間」に切り替え、例外のプロセスを繰り返します。

カレンダービューで個々のスタッフメンバーの休暇を記入
ここでは、プロジェクトマネージャーである Jaya さんが記念日を祝えるように、彼女の非稼働時間を編集して休暇日を与えています。

ステップ13:リソースを平準化する

作業時間、一連の確立されたタスクやマイルストーン、およびチームメンバーやタスクを完了するのに必要なツールが設定されたカレンダーが出来上がったら、今度は平準化と呼ばれるプロセスを通じて作業の効率を最適化できます。

リソースの平準化ではプロジェクトが分析され、依存関係や利用可能なリソースの量を考慮して、プロジェクトが最も効率的にする方法が導き出されます。

未完了のタスクの再スケジュール、依存関係の設定、リソースの割り当ての変更など、スケジュールを手動で変更した場合は、プロジェクトを再び平準化して使用されているリソースのバランスがとれていることを確認してください。

プロジェクトのリソース作業負荷を平準化するには、ツールバーの「平準化」を選択するか、「プロジェクト」▸「リソースを平準化」(Shift-Command-L)の順に選択します。平準化用のダイアログが開き、平準化プロセスをカスタマイズするためのオプションが表示されます。ここでは、設定をデフォルトのままにして「OK」をクリックします。

スタッフの設定がすでに最適化されている場合を除き、ガントビュー内のタスクが、リソースの時間を最も効率よく使用できる状態にシフトします。

「平準化」ボタンを使用してリソースの負荷を平準化

参考
変更を加えるたびにリソースの平準化が自動的に行われるように OmniPlan を設定することもできます。その場合は、「プロジェクト」メニューで自動平準化の機能を有効にします。

ステップ14:基準を設定する

これまでの操作で、タスクの設定とリソースの割り当ておよび平準化が完了しました。この状態のプロジェクトを見る限り、特に問題は見当たりません。しかし、現実の世界では、思いがけない障害が発生して進行が遅れることや、最初の楽観的な見積りどおりにはいかないことが多々あります。

そこで、プロジェクトの基準を設定します。これは最初の予測に対してプロジェクトがどのように進行しているかを比較し、その結果に応じてマイルストーンやリソースの割り当てを調整するための機能です。

スケジュールを設定し、正しく平準化して、プロジェクトの開始準備が整ったら、「プロジェクト」▸「基準を設定」を選択します。これにより、作成したスケジュールが基準スケジュールにコピーされます。実績スケジュールを更新しても、基準スケジュールはそのままです。つまり、プロジェクトを進めながら、実績スケジュールがどのくらい元のスケジュールに沿っているかを確認できます。

分割の実績スケジュール vs. 基準スケジュールの比較

ツールバーにある「基準/実績」メニューから「分割」または「両方」を選択して基準スケジュールと実績スケジュールを比較できます。

ステップ15:クリティカルパスを確認する

「表示」▸「ツールバーをカスタマイズ」を選択して、ツールバーに「クリティカルパス」ボタンを追加してください。

ツールバーに追加された「クリティカルパス」ボタン

ツールバーの「クリティカルパス」ボタンを使用すると、プロジェクトの所要時間を決定する一連のタスクや依存関係がハイライトされます(クリティカルパスはプロジェクト全体ではなく、特定のマイルストーンに対しても図示されることがあります)。クリティカルパス上に計画よりも多い、または少ない時間を要したタスクがある場合は、プロジェクト全体の所要時間も変わります。通常、タスクの追跡で気を付けなければならないのは、これらのタスクです。

ハイライトされたプロジェクトのクリティカルパス

タスクが直線状に並んだシンプルなプロジェクトでは、ほとんどのタスクがクリティカルパス上に現れます。なぜなら、これらは 1 つの連続したチェーン上にあるからです。一方、複数のリソースが並行して作業しなければならないプロジェクト(たとえば、ここで取り上げているプロジェクト)では、遅延が生じても期限には影響しないタスクが存在する場合があります。

ステップ16:タスク完了を更新する

プロジェクトが進行するにつれ、最初に予定した期間内に完了できないタスクが出てきます。そのため、OmniPlan でプロジェクトを定期的にレビューし、新たに生じた状況に合わせてプロジェクトを更新するようにしてください。

個々のタスクは、「達成率」列のパーセント値またはタスクインスペクタの「タスク情報」セクションを編集することで更新できます。あるいは、単にガントチャートのバーで達成率ハンドルをドラッグします。

つまみを使用してタスクの達成率を更新

すべてが予定通りに進んでいる場合は、ツールバーの「進捗状況を更新」ボタンをクリックして、すべてのタスク(または選択したタスクだけ)の達成率を選択した日付に合わせて更新できます。

すでに完了しているはずのタスクがまだ完了していない場合は、ツールバーの「再スケジュール」をクリックしてそれらのタスクを先へ移動することができます。その後は必ずプロジェクトを平準化してください。

ステップ17:先へ進める

完全な世界では、最後のマイルストーンに到達するまでタスクの完了を追跡するだけで、プロジェクトを進めることができます。しかし、現実の世界でそうなることは滅多にありません。幸いなことに、OmniPlan には物事が予定通りに進まなかった場合に対応するためのツールがあります。

新しいプロジェクトを現実の作業環境に順応させる際には、以下の章を参考にして、無事に最後のマイルストーンに到達できることを確認してください。

時間のあるときに、マニュアルの残りの部分を参照しながら、この最初のプロジェクトの開発を続けてください。そうすれば、OmniPlan の機能をさらに詳しく理解できるでしょう。そしてもちろん、不明な点などがありましたら、いつでも弊社までご連絡ください

プロジェクトを管理する

プロジェクトに本気で取り掛かる準備ができたその瞬間、現実の厳しさが理想の世界に襲いかかります。物事を追跡する際には、変動要素が動き始めたときに、新しい環境に合わせてプロジェクトのアスペクトを調整できるかどうかが鍵となります。

制約違反を解決する

たまに、プロジェクトに対して設定した法則が崩されるような状況に陥ることがあります。このような状況が発生した場合は、OmniPlan によって近隣のタスクに関連する違反が示されます。タスクアウトラインの「制約違反」列に赤いアイコンが表示され、制約違反ウインドウが現れます。

違反が発生!制約違反ウインドウを使用して違反を識別および解決

実際にこの状態を見るには、2 つのタスクが互いに依存し合う循環的な依存関係を作成してみてください。これは論理的に不可能であるため、制約違反が発生します。

制約違反ウインドウ

プロジェクトで制約違反が発生した場合は、制約違反ウインドウが現れ、違反の内容が示されます。このウインドウは、タスクビューの「制約違反」列にあるアイコンやツールバーの「制約違反」ボタンをクリックしても表示されます。また、キーボードショートカット Shift-Command-V を使ってアクセスすることも可能です。

このウインドウには、プロジェクト内のすべての制約違反と、それらの違反が発生した理由の説明が一覧されます。ほとんど場合、制約違反の説明にはリンクがあり、そのリンクをクリックすると問題をすぐに解決できます。

制約違反ウインドウ内の制約違反を解決

制約違反ウインドウに表示されている自動化された解決策が自分の意図に沿わない場合は、ウインドウの下部に表示されているヒントを参考にして問題の原因を判断し、スケジュール上の必要性に基づいて問題を解決できます。

スケジュールと平準化

タスクインスペクタの「スケジュール」では、どのようなタイミングでスケジュール内にタスクを配置するかを判断するための方法を指定します。

タスクインスペクタの「スケジュール」セクションにある ASAP/ALAP の切り替え機能、ならびにタスク分割と平準化のツール

平準化を行う前であれば、デフォルトで、新しいタスクは制約の許す範囲でできるだけ早くスケジュールされます。つまり、タスクは、開始と終了の制約や他のタスクの依存関係を考慮して、時間軸上のできるだけ早い位置に配置されます。リソースの利用可能状況は考慮されないため、リソースが過度に利用される可能性もあります(追加のステップとして平準化を行うのはそのためです)。

また、タスクはできるだけ遅い時期にスケジュールしたり、(タスクインスペクタの「スケジュール」セクションで開始日と終了日の上にあるロックアイコンを使って、または Command キーを押した状態でガントチャート内のタスクバーのどちらかの端をクリックして)ロックしたりできます。ロックされたタスクは平準化の影響を受けません。

プロジェクトの平準化を実行すると(「プロジェクト」▸「リソースを自動的に平準化」が選択されている場合は、任意の変更を行うたびに)、どのリソースもその利用可能状況が 100% を超えないように、リソースの割り当てられているタスクの配置が調整されます。リソースの平準化により後ろにずらされたタスクは、リソースの利用可能状況に基づいてスケジュールされています。

リソースの利用可能状況によりスケジュールされたタスク

平準化では、OmniPlan のインテリジェントな機能によって、どのタスクが先にリソースにアクセスできるか、また、どのタスクがリソースの依存関係により後にずらされるべきかが判断されます。一番先に配置するタスクを決める際には、以下の条件が以下の順で考慮されます。

  1. ロックされた終了日や制約など、特定の時間までに終了しなければならないという必要条件、あるいはそのような必要条件のあるタスクに対する先行条件であること。

  2. タスクアウトラインの「優先度」列で設定されているタスクの優先度。

  3. タスクアウトラインの位置。つまり、アウトラインのより高い位置にあるタスクがより早くスケジュールされます。

所要時間と作業時間

所要時間と作業時間は、タスクのスケジュールやプロジェクトの平準化のプロセスに密接に関係する 2 つの重要な概念です。

所要時間とは、1 つのタスクがスケジュール内で実際に作業に費やす時間です。タスクが 8:00 時に開始され、 12:00 時に終了する場合、その所要時間は 4 時間ということになります。作業していない時間は含まれないことに注意してください。つまり、タスクが午後に開始され、その翌朝まで完了しない場合や、タスクが昼休みにまたがる場合などは、実際に作業する時間しかカウントされません。また、1つのタスクに割り当てられているリソースの費やす時間が、プロジェクト全体で見た時間とは異なる場合もあるかもしれません。その場合、表示されるタスクの所要時間は、タスクを完了するのに必要な作業時間とは完全には一致しない可能性があります。

作業時間とは、割り当てられたすべてのリソースが作業に費やす合計時間のことです。所要時間が 4 時間で、2 人のスタッフが 100% の状態で割り当てられているタスクの場合、作業時間は 8 時間です。作業時間に関与するのはスタッフと設備のリソースだけで、資材リソースの時間は含まれません。

所要時間と作業時間は、割り当てたリソースに応じて変わることがあります。

タスクインスペクタの「リソースの割り当て」セクションには、各タスクの設定があります。ここで、所要時間や作業時間、あるいはその両方を固定にするかどうかを指定できます。

スタッフや設備のリソースを割り当てると、またはその割り当てを解除すると、固定されている方の値は再計算されます。もう一方のフィールドはそのままです。どちらの値が計算されるかにかかわらず、どちらの値も手動で編集することが可能です。

両方の値が固定されている場合は、リソースを割り当てたときに、その割り当てパーセントが変わります。

所要時間と作業時間の変動

所要時間と作業時間には複数の要素が影響します。以下に、よくある可変要素を挙げます。これらの要素を調整することで、プロジェクトが目的の日時までに完了するようにスケジュールすることができます。

割り当てるリソースの数
一般に、1 つのタスクに割り当てるリソースの数が多いほど、必要な作業がすぐに終わるため、タスクにかかる時間は短くなります。
割り当てるリソースの効率
タスクに割り当てるリソースの効率が悪いほど、そのリソースは同じ作業をこなすのにより長い時間を必要とするため、所要時間は作業時間より長くなります。
割り当てる量と使用可能なユニット数
タスクに割り当てられるリソースのユニット数が少ないほど、そのタスクに費やすリソースの時間や活動力は少なくなるため、所要時間は作業時間より長くなります。この状況は、リソースが同時に複数のタスク間で分割されているときによく発生します。タスクに割り当てることのできるリソースの量は、リソースの利用可能なユニット数(リソースインスペクタの「リソース情報」セクション、またはリソースアウトラインの「ユニット数」列で設定)に依存します。利用可能な数より多くのリソースを割り当てると、違反が発生し、リソースタイムラインに過剰使用の旨が示されます。

クリティカルパスを使用する

目標を予定通りに達成するのに最も重要なタスクを確認するには、ガントチャートまたはネットワークビューでプロジェクトまたはマイルストーンのクリティカルパスを表示すると便利です。クリティカルパス上のタスクを確認することで、作業に優先順位を設け、期限を守ることができます。

クリティカルパスが緑でハイライトされた、プロジェクト内のマイルストーン

特に設定を変更しない限り、クリティカルパスでは、タスク間の依存関係とタスク間の空き時間(スラック)が考慮されます。

  • 依存関係について見ると、「終了 ▸ 開始」依存関係のあるタスクの連続的なつながりが、プロジェクトを完了するための単純なクリティカルパスを表します。孤立しているタスクは、プロジェクトの期間内であればどの時点にでも配置できるため、パスには含まれません。

  • また、ハンモックタスク、またはある作業が完了した後に開始日が設定されているタスクでは、何の作業も行われていない期間が発生することがあります。これがスラックです。クリティカルパスに影響するスラックの長さについては、マイルストーンインスペクタで設定できます。

参考
クリティカルパスに影響する可能性のあるもう 1 つの要素としてリソースの利用可能状況があります。この要素をクリティカルパスの要素として考慮するかどうかはマイルストーンインスペクタを使って指定できます。上記の「スケジュールと平準化」セクションと同様に、このセクションにもリソースの利用可能状況の影響に関する情報があります。

ツールバーの「クリティカルパス」ボタンと、クリティカルパスの表示に使用できるマイルストーンを一覧したドロップダウンメニュー

OmniPlan では、クリティカルパスをプロジェクト全体と個々のマイルストーンの両方に対して表示できます。クリティカルパスを表示するには、ツールバーの「クリティカルパス」ボタンをクリックします。どのクリティカルパスを表示するのかを指定するには、ボタンの隅にある矢印をクリックするか、マイルストーンインスペクタを使用して、表示したいマイルストーンを選択します。

ネットワークビューに表示されたプロジェクトのクリティカルパス

タスク完了を更新する

すべてが予定通りに進んでいる場合は、ツールバーの「進捗状況を更新」ボタンをクリックするだけです。

「進捗状況を更新」ボタンを使用して、指定した日付でタスク完了情報を更新

日時(デフォルトでは今日)、部分的な完了を許可するかどうか、すべてのタスクを更新するか、それとも選択したタスクだけを更新するかを指定します。

「OK」をクリックすると、タスクの達成率が指定した日時に合わせて更新されます。

未完了タスクを再スケジュールする

タスクが予定通りに完了しなかった場合は、ツールバーの「再スケジュール」ボタンを使用して、現在の状況に合った最適な日時をすばやく決定できます。

「再スケジュール」ボタンをクリックすると、次のダイアログが表示されます。

「再スケジュール」ボタンを使用して未完了タスクを再スケジュール

未完了タスクを再スケジュールする日時と、すべてのタスクを更新するか、それとも選択したタスクだけを更新するかを指定します。

「OK」をクリックすると、未完了タスクが移動し、スケジュール全体が更新されるので、そこから作業を続行します。

この操作で移動するのは、指定した日付より前にスケジュールされていた未完了のタスクだけです。今後実行される予定のタスクには影響しません。

基準を使って進行状況を判断する

プロジェクトの設定が終わり、それを実行に移す準備が整ったらm基準スケジュールを設定できます。基準とは最初の状態のプロジェクトのことであり、これは実績スケジュールと比較するために用いられます。逆に、実績スケジュールは現実におけるプロジェクトの状態を表したものです。プロジェクトの基準を設定する前であれば、基準スケジュールと実績スケジュールは同じものです。基準を設定した後は、実績スケジュールだけが今後行われる変更の影響を受けます。

OmniPlan 3 で基準を設定

基準を設定するには、ツールバーの「基準を設定」ボタンをクリックします。基準に名前を付けるためのフィールドが表示されます。デフォルトの名前は今日の日付です。

「OK」をクリックすると、基準スケジュールが設定され、今後行う変更がすべて実績スケジュールに適用されるようになります。

分割して表示」または「両方を表示」を選択して基準スケジュールと実績スケジュールの両方を表示します。両方のスケジュールを表示すると、それらのスケジュールを比較できます。

分割の実績スケジュール vs. 基準スケジュールの比較

OmniPlan 3 では、1 つだけではなく、好きな数だけ基準を作成できます。つまり、プロジェクト内の特定の時点で、新しい基準となるスナップショットを撮り、それに対して実際のプロジェクトを進めることができます。ツールバーの「基準/実績」メニューを使用すれば、指定した基準と現在の実績スケジュールを比較できます。

「基準/実績」メニューで複数の基準の中から選択

シミュレーションを使用してマイルストーンの完了を推定する(Pro)

OmniPlan 3 Pro には、マイルストーンが指定した期限までに完了する確率を計算するためのツールがあります。この計算では、目標に到達するのに必要な作業時間の推定に基づき、モンテカルロシミュレーションが使用されます。このシミュレーションの結果は、物事が予定より遅れているか(または進んでいるか)を判断するのに役立ちます。

モンテカルロシミュレーションを実行した後のプロジェクト

シミュレーションを実行するには、タスクビューに切り替え、ツールバーの「シミュレーション」ボタンをクリックします。ここで選択した設定(およびシミュレーション自体)は、選択したすべてのタスクおよびマイルストーンに影響します。タスクを選択しなかった場合、シミュレーションはプロジェクト全体に対して実行されます。

シミュレーションによって得られる確率は、各マイルストーン内のタスクを完了するのに必要な推定作業時間の量によって決まります。タスクの作業時間推定を手動で設定していない場合は、それを手動で設定するか、または便利な作業時間を自動推定機能(「モンテカルロ」ポップアップメニューにもあります)を使用できます。

「モンテカルロ」シミュレーションメニュー、タスク作業時間の推定機能を使って完了

参考
作業時間の最大推定値と最小推定値を(手動または自動で)設定せずにシミュレーションを実行すると、マイルストーンが 100% の時間、つまりスケジュールどおりに完了すると予測されます。ご存じのとおり、この結果はあまり好ましくありません。最良の結果を得るには、可能な作業時間の範囲を含めるようにしてください(作業時間の自動推定機能を使うと簡単です)。

シミュレーションが完了すると、各マイルストーン付近の日付に対し、一連の水平バーが表示されます(小さなひし形で表されます)。1 本のバーは、マイルストーンがその日に完了するという確実性の 20% に相当します(1 日に 5 本のバーがある場合、それはシミュレーションの結果、マイルストーンが 100% の確率でその日に完了であろうことを意味します)。各日付のバーにポインタを置くと、その詳細が表示されます。

モンテカルロシミュレーションを実行した後の、特定の日付におけるマイルストーン完了の推定に関する詳細

AppleScript を使用する(Pro)

OmniPlan では、内蔵の AppleScript ライブラリを使用してパワフルなスクリプトツールにアクセスできます。OmniPlan に特有のスクリプトコマンドの辞書にアクセスするには、AppleScript エディタを開き、「ファイル」▸「用語説明を開く」(Shift-Command-O)を選択して、表示されるリストで「OmniPlan.app」を選択します。

「用語説明を開く」ウインドウで OmniPlan.app を見つけ、「選択」をクリック

共同作業とマルチプロジェクトレビュー(Pro)

大規模なプロジェクトや、共同作業するチームメンバーが地理的に散らばっているようなプロジェクトの場合は、各チームメンバーがプロジェクトのステータスを遠隔で更新できると便利です。OmniPlan Pro では、パワフルで直観的な公開、照会、変更追跡のシステムにより、ユーザがどこにいるかに関係なく簡単に共同作業できます。

同様に、チームメンバーと一緒に複数の同時進行プロジェクトで作業する場合も、それらのプロジェクトを並べて比較したり、全体的な観点から各プロジェクトのニーズを見極めたりする機能があれば、とても便利です。ダッシュボード機能を使うと、複数のプロジェクトのワークフローを視覚化できます。

参考
この章では、OmniPlan Pro アップグレードに備わっている機能について説明します。特別なニーズに対処するするために Pro の機能を使用してみたい場合は、いつでも無料で OmniPlan Pro をお試しいただけます

複数のユーザとともに共同作業する

現在作業しているプロジェクトを共有するには、「プロジェクト」▸「公開と照会を設定」の順に選択し、「公開と更新アクション」リストの下にあるプラス記号のボタン使用して「同期」の下の「プラン全体を OmniPlan サーバリポジトリと」をアクションリストに追加します。

同期先となるサーバアカウントを指定する必要があります。サーバアカウントがまだ設定されていない場合は、「アカウント情報」をクリックして環境設定の「アカウント」パネルにアクセスし、サーバアカウントを設定してください。操作方法については、下の「同期アカウントを作成する」セクションを参照してください。

同期アカウントを作成する

複数のユーザが 1 つの OmniPlan プロジェクトを編集する場合は、サーバリポジトリにプロジェクトを保存することで、全員が同じページにアクセスできるようになります。

まず、「OmniPlan」▸「環境設定」の順に選択し、「アカウント」セクションでサーバアカウントを設定します。

OmniPlan 3 for Mac の環境設定で同期アカウントを作成

アカウントリストの下にあるプラス記号をクリックして新規のアカウントを作成し、「アカウントタイプ」ドロップダウンから「CalDAV」、「Google」、「Omni Sync Server」(デフォルト)、「WebDAV」のいずれかを選択します。ユーザが無料で堅実な同期ソリューションを求めているばあいは、「Omni Sync Server」オプションをお勧めします。データのプライバシーが重要視される極秘プロジェクトの場合は、自己ホスト型の WebDAV サーバがよいかもしれません。

Omni Sync Server を通じて同期するには、アカウント情報を入力するか、「アカウントを作成」をクリックしてオンラインで新規アカウントを作成します。アカウントデータが確認されると、プロセス内のあらゆるステップでフィードバックを得ることができます。

参考
OmniPlan で Omni Sync Server アカウントを追加する際、「ユーザ名」フィールドに必要なのはメールアドレスの "@" 記号より前の部分だけです。また、ディレクトリのフィールドは空白のままにしておいてかまいません。

公開、照会、変更の追跡

複数のユーザがアクセスできるプロジェクトを立ち上げるには、まず「プロジェクト」▸「公開と照会を設定」の順に選択し、公開と照会用の画面を開きます。「公開と更新アクション」リストの下部にあるプラス記号のボタンをクリックして、ドロップダウンメニューからこのプロジェクトに設定する同期または照会のタイプを選択します。「プラン全体を OmniPlan サーバリポジトリと」を選択すると、先ほど環境設定で設定したアカウントへのアクセスを使って全員がプロジェクトにアクセスでき、プロジェクトへの更新はすべてのユーザに対して同期されるようになります。

OmniPlan 3 for Mac でサーバリポジトリの公開/照会オプションを設定

必要な設定を終えたら、ツールバーの「公開」をクリックして、最初の同期でプロジェクトをクラウドにアップロードします。

公開および照会プロセスに関する自動化の量は操作できます。プロジェクトをサーバに公開し、リモート版のプロジェクトを更新するタイミングや方法は、「公開と更新アクション」リストの下にあるオプションで決まります。

  • ローカル版のプロジェクトをサーバに公開するには、「プロジェクト」▸「公開」(Control-Command-P)の順に選択するか、ツールバーの「公開」ボタンをクリックします。あるいは、ここにあるオプションを使うと、変更を保存するたびにプロジェクトを公開できます。

  • 必要時にサーバから手動で更新することもできます。その場合は、「プロジェクト」▸「更新」(Control-Command-U)の順に選択するか、ツールバーの「更新」ボタンをクリックします。また、Bonjour を通じて、あるいはドロップダウンで指定した間隔で、更新プロセスを自動化することも可能です。

警告
OmniPlan は、同期対象であるプロジェクトの更新スケジュールを判断するのにシステム時刻に部分的に依存しています。そのため、公開や照会が有効になっているプロジェクトで作業しているときに Apple のシステムクロックに変更を加えることは、エラーの原因となりますので避けてください。

公開アクションは、単にプロジェクトを共有サーバリポジトリに公開するだけでなく、さまざまな方法で行うことができます。その場合は、「公開と更新アクション」リストの下にあるプラス記号のメニューを使用して追加の公開アクションをリストに追加します。以下のことを行えます。

  • 公開時または更新時にカスタム AppleScript を実行する

  • 書き出しオプションの 1 つを使って書類を書き出す

照会アクションを使用すると、他のユーザが加えた変更を取り込むことができます。

  • 空き/予定あり情報を Calendar Server と」 を選択すると、使用可能なリソース時間を確認できます。また、特定のリソースあるいはすべてのリソースの変更が通知されるようになります。

  • 空き/予定あり情報を iCal カレンダーと」を選択すると、プロジェクト全体または個々のリソースのカレンダーを選択できます。イベントが時間外であるか非稼働時間であるかを指定します。

  • 空き/予定あり情報をウェブのカレンダーから」を選択した場合は、URL のほか、プロジェクトまたは特定のリソースのスケジュール、およびイベントがどのように動作するかを指定します。

参考
カレンダーサーバから空き/予定あり情報を照会する際には、カレンダー同期の制限のため、 OmniPlan で取得できるのは約 11 か月分のデータだけです。

同期アクションを使用すると、プロジェクトに変更を加え、他のユーザによる変更を取り込むことができます。

  • プラン全体を OmniPlan サーバリポジトリと」を選択すると、すべてのタスク、リソース、およびカレンダー、つまり共有サーバ上のあらゆるものが同期されます。

  • タスクを Calendar Server のイベントと」を選択すると、カレンダーサーバ上のイベントに対し、変更を加えたり、変更を取り込んだりできます。

  • タスクを Calendar Server のリマインダーと」を選択すると、カレンダーサーバ上の To-Do 項目に対し、変更を加えたり、変更を取り込んだりできます。

  • タスクを iCal のイベントと」を選択すると、iCal のイベントに対し、変更を加えたり、変更を取り込んだりできます。

照会の方法を指定した後は、変更の追跡を使用して変更を確認したり、他のユーザによる変更を承認または却下したりできます。

変更の追跡を有効にするには、メニューから「プロジェクト」▸「変更を表示」(Shift-Command-T)の順に選択します。サイドバーが表示され、自分の加えた変更がそこに記録されます。また、このサイドバーには、チームメンバーが加えた変更とツールバー(OmniPlan のメインツールバーの下)も表示されます。このツールバーのコントロールを使って、チームメンバーが加えた変更を承認または却下できます。

変更追跡と変更追跡サイドバー

すべての変更を承認または却下するには、変更追跡バーの「すべて承認」または「すべて却下」ボタンを使用します。

個々の変更を承認または却下するには、サイドバーで個々の変更を選択し、「承認」または「却下」ボタンを使用します。

参考
カレンダー関連の公開または照会アクションを初めて作成しようとしたとき、OmniPlan にカレンダーへのアクセスを許可しなかった場合は、後で Apple のシステム環境設定から「セキュリティとプライバシー」▸「プライバシー」タブの順に選択してアクセスを許可できます。

Apple のシステム環境設定にある「セキュリティとプライバシー」の「プライバシー」タブ

プロジェクト間でリソース負荷のバランスをとる

1 つのリポジトリ内の複数のプロジェクト間でリソース(通常はチームメンバー)が共有されている場合は、「公開と照会を設定」パネルで、現在のプロジェクトのリソース負荷を他のプロジェクトに対して公開するかどうか、また現在のプロジェクトが他のプロジェクトのリソース負荷を照会するかどうかを指定できます。

プロジェクトのリソース負荷を公開するかどうか、同じリポジトリ内の他のプロジェクトのリソース負荷を照会するかどうか、またはどちらも指定しない

プロジェクトのリソース負荷を公開するということは、平準化を行う際、照会している他のプロジェクトがこのプロジェクトのリソース負荷に従うことを意味します。たとえば、Julie さんが水曜日にプロジェクト A の作業を行うことになっている場合、平準化を行うと、プロジェクト B の水曜日の作業に Julie さんが割り当てられることはなくなります。

リソース負荷を照会するということは、このプロジェクトが、リポジトリ内で負荷を公開しているプロジェクトによるすべての制約に従うことを意味します。公開と照会のどちらか一方のオプションだけを使用すると、同時に発生するプロジェクト間で階層的な優先度が確立されます。つまり、公開だけのプロジェクトでは常にそのニーズが満たされ、照会だけのプロジェクトでは余っているリソースがあるときにのみ、そのリソースが割り当てられます。

公開と照会の両方が指定されたプロジェクトはすべて同等に扱われます。公開と照会のどちらも指定されていないプロジェクトでは、外部の要因を無視され、そのプロジェクトの更新を使ってのみ更新されます。

参考
複数のプロジェクト間でリソース負荷のバランスをとる上で大切なことは、すべてのプロジェクトで共有されている一意のメールアドレスを使って個々のリソースをタグ付けし、識別するということです。これは、リソースインスペクタの「リソース情報」セクションで設定できます。

サーバリポジトリを管理する

アカウントを設定し、プロジェクトの公開と照会を始めたら、一元化された「サーバリポジトリ」画面を使ってリポジトリアカウントと共有プロジェクトを管理できます。共有されている OmniPlan プロジェクトを表示および管理するには、「OmniPlan」▸「サーバリポジトリ」の順に選択します。

参考
アカウントを作成する前や初めて作成したプロジェクトを公開する前に「サーバリポジトリ」ウインドウを開いても、ウインドウ内は空白です。

「アカウント」メニューには、Omni Sync Server や WebDAV のアカウントが名前順に一覧されます(アカウント環境設定で設定)。これらは OmniPlan リポジトリを操作できるアカウントのタイプです。ポップアップでアカウントを選択すると、そのリポジトリ内のプロジェクトが表示されます。アカウントを追加または編集するには、「アカウント情報」ボタンをクリックします。

「サーバリポジトリ」ウインドウ

このリストには、リポジトリに公開されているすべてのプロジェクトと、それらに関する以下の情報が表示されます。

  1. 負荷 — 縦棒グラフのアイコンを使って、これらのプロジェクトが、プロジェクト間のリソース平準化の目的で、リポジトリ内の他のプロジェクトとリソース負荷情報を共有しているかどうかが示されます。
  2. 最終更新日 — 共有アクセスを持つ任意のユーザによってプロジェクトが最後に更新された日付です。
  3. 最終トランケート日 — 現在アクティブなプロジェクトの同期速度を最適化するために、同期ログ内で所定のサイズしきい値を超えると、サーバ上の古い変更が無視され、新しい変更だけが同期されるように同期の内容が ”トランケート”、つまり切り取られます。変更ログが最後にトランケートされた日(ここに表示される日付)以来、プロジェクトが更新されていない場合は、サーバ上にあるアーカイブ済みのログから古い変更が取り込まれます。
  4. 変更ログ、合計サイズ、ファイル UUID — 「変更ログ」には変更ログのサイズ、「合計サイズ」にはプロジェクトの合計サイズ、「ファイル UUID」にはサーバ上のプロジェクトに割り当てられた一意の ID が表示されます。

古い利用状況データをクリーンアップする

サーバでプロジェクトを共有しているとき、場合によってはサーバ上に削除済みプロジェクトのリソース負荷共有情報が残っていることがあります。この状態は、誰かが 2.1 より古いバージョンの OmniPlan を使用してリソース負荷を共有しているプロジェクトを削除した場合や、Finder またはターミナルから直接ファイルを削除した場合に起こります。

サーバ上に未使用のリソース負荷情報がある場合は、OmniPlan によってその問題が検出され、その情報をクリーンアップするよう指示されます。その情報がクリーンアップされるまでは、誤ったリソース負荷情報がアクティブなプロジェクトで共有される可能性があります。

サーバリポジトリからプロジェクトを完全に削除するには、バージョン 2.1 以降の OmniPlan で「サーバリポジトリ」ウインドウを開くか、「プロジェクトを削除」ボタンを使用します。

ダッシュボードを使用して複数のプロジェクトを同時にレビューする

同時進行している複数のプロジェクトで作業している場合には、それらのプロジェクトを比較して、リソースが正しく割り当てられていることや、すべてのプロジェクトが予定通りに進んでいることを確認したいことがあります。その場合には、OmniPlan Pro のダッシュボード機能を使用すると便利です。

ダッシュボード機能では、OmniPlan に新たに導入された .opld というファイルタイプを使用します。.opld ファイルは、プロジェクト用に特化されたビューポートです。このファイルにはいくつでもプロジェクトを追加でき、ファイルを保存しておけば、選択した特定のプロジェクトを後でレビューできます。

新しいダッシュボードを作成するには、「ファイル」▸「新しいダッシュボード」(Shift-Command-N)の順に選択します。空のダッシュボードファイルが作成され、プロジェクトを追加する準備ができます。プロジェクトを追加するには、Finder から直接「ダッシュボード」ウインドウにドラッグするか、左上にあるプラス記号のボタンをクリックします。

OmniPlan プロジェクトを Finder から空のダッシュボードにドラッグ

ダッシュボードにプロジェクトを追加すると、それらのプロジェクトは複数の行で表されます。これらの行には、プロジェクトの要約版ガントチャートが含まており、また、完了した作業とこれから行われる作業を表すために濃い色と薄い色が使われています(ダッシュボード全体を通して 1 つのプロジェクトには同じ色が使われます)。

プロジェクトのプランを表す行のほかに、自動的に生成された行も表示されます。これらの行には、プロジェクトのリソースが利用されていないアイドル時間が示されます。アイドル時間の白いバーは過去の未使用時間です。濃いグレイのバーは将来の時間で、まだ埋め合わせが可能な時間です。

2 つのプロジェクトを含むダッシュボードの基本的な外観

スタッフリソースにメールアドレスが割り当てられている場合は、それらのメールアドレスのリストも表示されます。また、それらのアドレスとともに、各リソースが作業に割り当てられている時間を示すリソースダイアグラム式のバーや、ダッシュボード上のプロジェクトにおける作業時間とアイドル時間の割合を示す円グラフも表示されます。

ダッシュボードの表示メニュー(左上にある目のボタン)を使用すると、ガントチャートによる比較ビューとプロジェクトの時間的推移を示す棒グラフビューを切り替えることができます。この棒グラフでは、各タスクを完了するのに必要な作業時間に基づいて棒の高さが変化します。また、ダッシュボードの表示メニューには、リソースやプロジェクトの詳細を表示したり隠したりするコントロールもあります。

ダッシュボードの表示メニューと、もう 1 つの棒グラフビュー

ダッシュボードから直接プロジェクトを開くには、その書類アイコンをクリックします。ダッシュボードに含まれているプロジェクトファイルに加えた変更は、即座にダッシュボードに反映されます。したがって、そのプロジェクト(プロジェクト間でリソースを共有している場合は複数のプロジェクト)への変更の効果をすぐに確認できます。

プロジェクト間でリソースを共有する

ダッシュボードの力が最大限に引き出されるのは、ダッシュボードに含まれているプロジェクト間でリソース負荷の公開/照会機能(上記で説明)を利用しているときです。

互いにリソース負荷を公開/照会している 2 つのプロジェクトを含むダッシュボードビュー

共有サーバリポジトリ上にある複数のプロジェクト間でリソース負荷のバランスをとるとき、リソースの共有状態が認識され、リソースとそれらのリソースが関与しているプロジェクト間の交わり部分がウインドウ内に表示されます(上の例のように、作業時間が同時に 100% になることもあります)。このようにリソースが過負荷状態(またはアイドル状態)になっていれば、その状況を判断し、必要な変更を行ってプロジェクトが最高の効率で順序よく進むようにします。

タスクビューで作業する

タスクはプロジェクトの構築ブロック、つまり最終的な目標を達成するために遂行しなければならないステップです。OmniPlan には、プロジェクトの各要因に合わせてタスク(およびタスク間の関係)をカスタマイズするためのパワフルなツールが備わっています。

ツールバーのビュー切り替え領域でタスクビューに切り替える

タスクビューを表示するには、ツールバーのビュー切り替え領域にある最初のボタンをクリックするか、「表示」▸「タスクビュー」(Option-Command-1)の順に選択します。

項目を作成/削除する

タスクビューには主に、タスクアウトラインとガントチャートという 2 つの領域があります。プロジェクトの構築を始めると、新しいタスクやマイルストーンをいかにすばやく作成できるか(また、無関係のタスクを削除できるか)が重要となります。これらの操作を行うには、タスクビューのアウトラインが最適です。

タスクオンラインで新しいタスクを作成

タスクビューで新しい項目を作成するには、いくつかの方法があります。

  • タスクアウトラインで項目を選択し、Return(または OmniPlan の一般環境設定で設定されているキーボードオプションによっては Command-Return)キーを押します。

  • ツールバーの「追加」ボタンをクリックします。

  • 副ボタンでクリックし、コンテクストメニューから「追加」▸「タスクタイプ」の順に選択します。

タスク、マイルストーン、またはグループを削除するには、いくつかの方法があります。

  • アウトラインで項目を選択し、Delete キーを押します。

  • 項目を選択し、ツールバーの「削除」ボタンをクリックします。

  • 項目を選択し、副ボタンでクリックしてコンテクストメニューを開き、「削除」を選択します。

参考
OmniPlan Pro を使って公開および照会している場合は、新しいタスクや変更がプロジェクトの他のユーザから来ている可能性があります。これらの変更を承認または却下するには、変更追跡サイドバーを使用します。

タスクの中には、進行状況を管理しなければならない詳細が数多くあります。タスクの詳細を編集するには、ガントチャートでタスクを視覚的に編集するか、タスクアウトラインで 1 つまたは複数のタスクを選択した後、タスクインスペクタを使用します。

依存関係のあるタスクをつなげる

あるタスクが始まる前に別のタスクが完了しなければならないとき、それらのタスクの間には依存関係が存在します。プロジェクト内に存在する依存関係を図示することは、タスクのクリティカルパスを理解する上でとても重要です。そうすることで、プロジェクトを予定通りに、そして予算内で無事に完了できるようになります。

タスクビューのガントチャートでは、依存関係リンク線を使ってタスク間の関係を表すことができます。依存関係リンク線は、あるタスクの始端または終端から別のタスクの始端または終端に向かって引かれます。リンク線でつなげられるのは、タスクだけではなく、グループやマイルストーンの場合もあります。

依存関係を作成すると、依存するタスクのスケジュールは依存関係を反映するように自動的に調整されます。その後さらにスケジュールに変更を加えたり、平準化を行ったりしても、タスクは依存関係に従おうとします。依存関係が実現不可能なものになったり、ユーザによってタスクが依存関係に従わなくてもいいように手動で設定が変更されると、制約違反が発生します。制約違反は制約違反ウインドウで解決できます。

タスクをつなげるには、いくつかの方法があります。

  • アウトラインビューまたはガントチャートで 2 つ以上のタスクを選択し、ツールバーの「接続」ボタンをクリックすると、後続の各タスク間に「終了→開始」依存関係が作成されます。

  • アウトラインビューまたはガントチャートで 2 つ以上のタスクを選択し、「接続」ボタンの隅にある三角形をクリックするか、「接続」ボタンをクリックしてホールドすると、依存関係タイプのメニューが表示されるので、目的のタイプを選択します。

  • ガントチャート内のタスクバーの上にマウスのポインタを置き、バーの始端または終端に現れる矢印の 1 つをドラッグします。すると、依存関係リンク線が現れるので、別のタスク、グループ、あるいはマイルストーンの始端または終端にドロップします。先行タスクの始端または終端のどちらからドラッグしたか、また、依存タスクの始端または終端のどちらにドロップしたかによって、依存関係のタイプが決まります。

  • タスクの「依存タスク」列または「先行タスク」列に、依存コードまたは先行コードを入力します。これらのコードは、以下で説明するように、関係するタスクの ID と依存関係のタイプを組み合わせたものです。

    可能性のある依存関係の例
    1. ID 1 からの「開始→終了」依存関係

    2. ID 1 からの「開始→開始」依存関係

    3. ID 4.1 からの「終了→開始」依存関係(最も一般的な依存関係タイプは FS であるため、文字なしのタスク ID だけのものは FS だとみなされます)

    4. 1 日の準備期間がある、タスク ID 4.2 からの「終了→開始」依存関係

依存関係のタイプ

OmniPlan では、2 つのタスク間の関係を示すために、4 つのタイプの依存関係がサポートされています。

終了→開始
2 つ目のタスクを開始するためには、最初のタスクを終了しなければなりません。つまり、最初のタスクが終わる瞬間を除き、2 つのタスクが重複することはありません。これは最も一般的なタイプの依存関係であり、2 つのタスクを選択してからツールバーの「接続」ボタンをクリックした場合は、このタイプの依存関係が作成されます。
終了→終了
最初のタスクが終了すると、2 つ目のタスクの終了が可能になります。したがって、これらのタスクは重複することがあります。
開始→開始
最初のタスクが開始されると、2 つ目のタスクの開始が可能になります。したがって、これらのタスクは重複することがあります。
開始→終了
最初のタスクが開始されると、2 つ目のタスクの終了が可能になります。したがって、少なくとも最初のタスクが開始される瞬間には、2 つのタスクが重複しています。

スケジュールの影響を表示する

あるタスクが完了していないがために開始できないタスクがないかどうかを調べたり、昨日始まるはずのタスクがまだ開始されていない理由を調べたい場合には、そのタスクを選択し、「表示」▸「スケジュールの影響を表示」(Option-Command-?)の順に選択すると、タスクの現在のスケジュールに影響を与えている要素がすべて表示されます。

「スケジュールの影響を表示」コマンドを使ってポップオーバーに表示された、タスクに関するスケジュールの影響

ガントチャート内のタスクに関するポップオーバーメニューが開き、その項目のスケジュールに影響を与えているすべての要素のリストが表示されます。ポップオーバー内のスケジュールの影響の右側にある矢印をクリックすると、影響を与えているタスク、グループ、またはその他の要素に直接アクセスできるので、必要に応じて措置を講じることができます

ハンモックタスクを作成する

ハンモックタスクとは、所要時間が前後のタスクのタイミング(つまり、前のタスクの終了と次のタスクの開始)に依存するタスクのことです。プロジェクトが予定より遅れがちになっている、あるいは外部の要因がプロジェクトの進行に影響を及ぼしているのにもかかわらず、期日を変更するのは不可能であり、何らかのタスクを短縮しなければならないような場合には、このタイプのタスクが便利です。

たとえば、ある書面の準備をする場合には、その書面の下書きが完成するタイミングと納期によって、編集に割り当てられる時間が変わります。

例として、このシナリオを使用してハンモックタスクを作成してみましょうここでは、出発点として「終了→開始」依存関係でつながっている 2 つのタスク(「ニュースレターを書く」と「ニュースレターを編集する」)と 1 つのマイルストーン(「ニュースレターを発行する」)があります。

柔軟な編集期間があるニュースレターのハンモックタスクを構築するための出発点

私たちは 10 月 1 日にニュースレターを発行したいと考えています。したがって、それを反映するようにマイルストーンの制約として「指定した日時以降に開始」を選択し、目的の日付を指定します。

ニュースレターマイルストーンの発行日を設定

次に、編集から発行への「終了▸開始」依存関係を、発行が開始されるときに編集が終了することを示すものに変更します。「ニュースレターを発行する」はタスクではなくマイルストーンであるため、その開始日と終了日は同じです。そのため、この依存関係は「終了▸終了」となります(発行がタスクの場合、これは「開始▸終了」依存関係となります)。

この依存関係には方向性があるため、OmniPlan がその関係を理解できるように、マイルストーンを選択し、依存関係矢印を編集タスクまでドラッグします。タスクインスペクタの「依存関係」セクションから依存関係タイプを選択するのではありません。

タスクをハンモックタスクにするのに必要な依存関係が配置された状態

依存関係が正しく設定されたら、ハンモックタスクを設定する際の最後のステップして、そのタスクを選択し、タスクインスペクタで「ハンモック」タスクタイプを選択します。

ハンモックタスクが完全に配置された状態

これで、ニュースレターを書く作業が最初の予定より長引いたとしても、両側のタスクのニーズを満たすように編集タスクの期間が短縮されます。

タスクを分割する

チームの中心となる作業員が休暇をとる場合や、プロジェクト内の別のタスクを先にやらなければならなくなった場合などは、特定のタスクにおける作業を一時的に中断できると便利です。リソースやチームメンバーが、現在割り当てられているタスク以外のものに時間を割けるようにしたい場合は、タスクを分割して ”小休止” 期間を設けるのが理想的な解決策です。

コンテクストメニューを通じて分割する前のタスク

タスクを分割するには:

  • アウトラインでタスクを選択します。

  • 「構成」▸「タスクを分割」(Option-Command-S)の順に選択します。

  • ポップオーバーで分割の期間(両側)を調整し、休止の後、タスクを開始する日時を指定して、「タスクを分割」ボタンをクリックします。タスクが分割され、後で完了できるようになります。

分割されたタスク

参考
分割されたタスクを再び結合するには、別れている部分のどちらか一方をクリックし、もう一方までドラッグします。ガントチャート上で 2 つのセグメントが結合され、1 つのタスクに戻ります。

タスクを分割した後は、必ず平準化を行い、使用可能なリソースや時間制約を考慮してタスクが効率的に管理されていることを確認してください。

警告
平準化を行った後、分割したタスクが結合してしまうことがあります。このような状態を避けたい場合は、平準化のダイアログで「分割を許可する」チェックボックスが入になっていることを確認してください。

タスクをグループ化する

グループ化する際には、グループに追加する項目がすでにあるのか、既存の項目をグループに変換するのか、またはまったく新しいグループタスクを作成するのかどうかによっていくつかの方法があります。

  • タスクをグループに変換し、その中に新しい子タスクを入れるには:
    1. サブタスクを許可する項目を選択します。
    2. 「構成」▸「追加」▸「下位項目を追加」(Command-})の順に選択します。
    3. 選択した項目が、1 つの子タスクを持つグループになります。
    4. Return キーを押して、さらにタスクをグループに追加していきます。
  • アウトライン上のピアタスクの下にある複数のタスクをグループ化するには:
    1. グループ化する複数の項目を選択します。
    2. 環境設定での指定に基づいて、「構成」▸「インデント」(Command-])の順に選択するか、Tab キーを押します。
    3. アウトライン上で、選択した項目がその上の項目の子となります。
  • 新たに作成されたグループにタスクを入れるには:
    1. グループに入れる複数の項目を選択します。
    2. 「構成」▸「グループ化」(Command-Option-L)の順に選択します。
    3. 選択した項目が、新たに作成されたグループの子となります。
  • 中に何もない新しいグループを作成するには:
    1. 「構成」▸「追加」▸「グループ化」の順に選択します。
    2. 新しい空のグループ項目が作成されます。
    3. グループの中に項目を追加するには、グループ名の横にある開閉用三角ボタン(またはガントチャート内のバー)をクリックしてそのグループを開き、グループが選択された状態で通常どおりに新しいタスクを作成します。

タスクグループの特性

タスクグループの特性の大部分は、そのグループ自体が持つ特性ではなく、そのグループに含まれているタスクの特性で決まります。グループの特性はタスクバーで確認(場合によっては定義)できます。

  • 名前 — もちろん、タスクグループには独自の名前があります。

  • タイプ — タスクグループには、タスク、マイルストーン、および他のグループを含めることができます。ただし、それ自体のタイプは常にグループです。(空のグループは、作業時間も所要時間もなく、プレースホルダとして機能します。)

  • 作業時間 — グループの作業時間は、そのグループに含まれているすべてのタスクの作業時間を合計したものです。

  • 所要時間 — グループの所要時間は、最初のタスクの開始から最後のタスクの終了までの期間であり、すべてのタスクの所要時間を合計したものではありません。あるグループに 1 時間のタスクが 3 つ含まれており、それらのタスクがすべて同時に発生している場合、グループの所要時間は 1 時間であり、3 時間ではありません。

  • スケジュール — グループは特定の開始日を持っていることがあります。この開始日はグループ内のタスクの開始日に影響します。

  • 依存関係 — 通常のタスクと同様に、グループも依存関係を持つことができます。

  • リソースの割り当て — タスクグループにリソースを割り当てた場合、そのリソースはグループ内のすべてのタスクに割り当てられます。グループ自体にリソースを割り当てることはできません。

ガントチャート内で視覚的に計画する

タスクの属性の多くは、マウスを使ってガントチャート内で直接編集できます。タスクバーにマウスのポインタを置くと、そのタスクを操作するためのコントロールが表示されます。

チャートのスケールを変更する

ガントチャート(およびリソースタイムライン)を拡大または縮小するには、チャートの右上にある「虫眼鏡」メニューを使用するか、チャートのヘッダ領域をクリックし、左右にドラッグします(列のサイズを変更するのと同じ要領)。

「虫眼鏡」メニューを使ってガントチャートのスケールを変更

タスクの所要時間を変更する

タスクの所要時間を変更するには:

ガントチャートでタスクの所要時間を変更
  • タスクバーの右端にあるトラクションパッドをつかみます。

  • バーの終端を左右にドラッグして、タスクの所要時間を変更します。Shift キーを押しながらドラッグすると、整数値にスナップします。

タスクの完了の度合いを調整する

タスクの完了の度合いを調整するには:

ガントチャートでタスクの完了の度合いを調整
  • タスクバーにある白い家型のハンドルをクリックします。

  • ハンドルをドラッグして完了の度合いを更新します。

依存関係リンク線を引く

タスク間に依存関係リンク線を引くには:

ガントチャートで依存関係リンク線を引く
  • ガントチャート内のタスクバーを選択して、その依存関係矢印を表示します。

  • 1 つのタスクの始端または終端から依存関係矢印をドラッグします。

  • もう 1 つのタスクの始端または終端に矢印をドロップして、依存関係を作成します。

タスクに制約を描く

タスクに制約を描くには:

ガントチャートでタスクに制約を描く
  • 開始制約または終了制約を作成するには、Shift キーを押したままタスクの始端または終端からドラッグします。

  • 既存の制約を削除するには、Shift キーを押したままその制約をダブルクリックします。

参考
指定した日時以降に開始」制約は、タスクを選択し、タイムラインに沿ってドラッグしても設定できます。

開始日または終了日をロックする

開始日や終了日を特定の日時に固定するには:

ガントチャートで終了日をロック
  • Command キーを押したままタスクの始端または終端をクリックします。

非稼働時間に色をつける

ガントチャートで、通常作業が発生しない曜日に別の背景色(1 行おき)を表示するには、「表示」▸「非稼働時間」の順に選択し、サブメニューから「なし」、「祝日」、「週末」、または「すべて」を選択します。

ガントチャートで週末に色を追加

このように非稼働時間に別の色をつけることで、実際に作業が進んでいることをより実感できるとともに、ガントチャートの中でそれほど時間のかからないタスクがなぜ長く見えるのかを理解しやすくなります。

非稼働時間に割り当てる色はスタイルビューで指定できます。また、時間そのものはカレンダービューでカスタマイズできます。

タスクビューの表示オプション

タスクビューの表示オプションには、主に 2 つの役割があります。1 つはタスクアウトラインに表示するオプションの列を決めることです。もう 1 つは、これらの列の値のうち、どの値をラベルとしてガントチャートのバーの端(および上)に表示するかを決めることです。

タスクビューの表示オプション

「表示」▸「表示オプション」(Command-J)の順に選択すると、表示オプションが開き、2 つの領域が表示されます。左側ではアウトラインの列を指定します。右側には、タスク、グループ、マイルストーンに関連するラベル位置のドロップダウンメニューがあります。

参考
オプションの列をアウトラインにすばやく追加するには、既存の列のヘッダを副ボタンでクリックします。コンテクストメニューに使用可能なすべての列が表示されるので、そこで表示する列または非表示にする列を選択できます。

オプションの列のデータは、ガントチャート内の同じ行のタスクに対応しています。一部の列の値(「タスクコスト」など)はアウトライン内で直接編集できます。その他の列の値(「総コスト」など)は自動的に計算されます。一般に、アウトライン内で編集できる値は、タスクインスペクタやリソースインスペクタの編集可能なフィールドに対応しています。

参考
タスクアウトラインにカスタム列を追加したい場合(またはリスト内に予期しなかったエントリが表示されている場合)は、カスタムデータインスペクタを使用して設定したキーがアウトラインの列として使用できるようになります。

以下、タスクビューのアウトラインに表示できる複雑なオプションの列、またはガントチャートの項目に添付されるデータフィールドとしての列について説明します。

制約違反
この列には、違反のある各タスクについてアイコンが表示されます。アイコンをクリックすると、制約違反ウインドウが開き、問題の内容が表示されます。
ステータス
この列には、未完了で、かつまもなく期限がある、あるいは期限が超過したタスクについてアラームクロックのアイコンが表示されます。プロジェクトインスペクタの「プロジェクト情報」セクションでプロジェクトの開始日が決められていない場合、これらのアイコンは表示されません。アラームクロックの各色には、それぞれ以下の意味があります。
  • ほぼ期限(グリーン):このタスクは未完了で、あと 3 稼働日で期限になります。

  • 期限(イエロー):このタスクは未完了で、翌稼働日に期限になります。

  • 期限超過(レッド):このタスクは未完了で、期限が過ぎています。

優先度
タスクの優先度は、タスクを平準化する際の順位を制御するために手動で設定できます。優先度には任意の整数を指定できます。つまり、範囲(1 ~ 3、0 ~ 999 など)を自由に決めることができます。平準化を行うとき、2 つのタスクが同時に 1 つのリソースに割り当てられている場合は、優先度が高い方(より大きな正の値)のタスクが先にリソースを使用できるようになります。

参考
優先度を割り当てる際には、(指定した範囲に関係なく)最も大きな整数を割り当てたタスクが最も優先度の高いタスクとなります。優先度は最大の整数から下がっていき、負の整数の優先度は正の整数より低くなります。

割り当て
この列には、そのタスクに割り当てられているリソースが一覧されます。
添付ファイル
選択した行の添付ファイル(クリップ)アイコンをクリックすると、その項目の添付ファイルのメニューが表示されるか、まだファイルがリンクされていない場合はファイルをリンクできます。ファイルへのリンクがある行には、その行を選択しているかどうかにかかわらず、クリップのアイコンが表示されます。
メモ
この列を使って項目に関するテキストを保存できます。選択した項目のメモを編集するには、Command-’ キーを押すか、列に表示されているメモアイコンをクリックします。

いったん項目にメモが追加されると、Command-’ キーを押すことでメモフィールドの表示と非表示を切り替えることができます(メモの編集が終わった後はメモを隠すことができます)。メモのある行には、その行を選択しているかどうかにかかわらず、メモアイコンが表示されます。

メモのフォントスタイルはスタイルビューで設定できます。

固有 ID
固有 ID は、たとえタスクの名前やアウトラインでの位置が変わった場合でもそのタスクを明確に識別できるようにするための、各タスクに割り当てられた番号です。固有 ID が変わることはなく、新たに作成した各タスクや各リソースには新しい固有 ID 番号が付けられます。これらの番号は、OmniPlan と他のアプリケーション間でプロジェクトを読み込んだり書き出したりする場合など、項目を照合するのに便利です。
空きスラック、合計スラック
これらの列には、プロジェクトの設定方法から得られた情報が表示されます。スラックとは、後続のタスクを開始するために、またはプロジェクトを予定通りに完了するために、あるタスクを完了しなければならない時点までの、タスクの表示が可能な時間量のことです。空きスラックは、個々のタスクとその後続のタスクとの間のスラックです。一方、合計スラックは、個々のタスクがプロジェクト全体の所要期間に影響を与えることのない時間です。

達成額分析(Pro)

OmniPlan 3 では、プロジェクトの予算や進行状況を追跡/管理するのに便利な新しいタイプのカスタム列がいくつか追加されました。これらの列は、達成額分析というプロファイル管理手法(アーンド・バリュー・マネジメントまたは EVM ともいう)が完全に実装されたことを意味します。OmniPlan やこのマニュアルでは、この手法を指す場合、達成額分析(または EVA)という用語を使用しています。

EVA の値はプロジェクトの実際の状態と最初の計画を比較して得られるものであるため、最初に必要となるのは基準です。まだ基準を設定していない場合は、今すぐ設定することをお勧めします。プロジェクトの前半または後半でプロジェクトの状態をシミュレートする場合は、「プロジェクト」▸「編集日を設定」の順に選択し、目的の日付を入力します。

警告
プロジェクトの始めに設定した基準を使って比較した場合、多くの EVA 列の値は現れません。これは、コスト効率指数を生成するためにゼロ(その基準での現在の実際原価)で除算されるためです。達成額は、進行中のプロジェクトに影響を与える他の要素があってこそ意味をなします。プロジェクトに対して予定されたコストをレビューする場合は、代わりに「タスクの総コスト」を使用してみてください。

基準を設定したら、EVA で意味のある結果を得るために必要なタスクやリソースの属性を構築し始めることができます。一連の EVA 列によって表される最初の値や取得された値をすべて一度に理解するのは簡単ではありません。そのため、これらの値をいくつかに分けて見ていきましょう。

まず、よく使う既存の列を有効にし、これらの列に関連するデータが入力されていることを確認してください。

タスクビュー:

  • 作業時間 — 作成したタスクにはすべて、完了するための作業時間が必要です。これは簡単です。
  • 完了した作業時間 — EVA は基準と比較して進行状況を追跡します。そのため、タスクにおいて完了した作業量を更新するのは、値を計算する上で重要な要素となります。

リソースビュー:

  • コスト/時間または コスト/使用回数 — 完了した作業時間において費やした金額を追跡することは、EVA の別の重要な要素です。作業員が給料制の場合は、ここで賃金が時間あたりの値として計算されるようにします。

これらの値を設定したら、使用する EVA 列を配置し始めることができます。この最初のグループの列は、プロジェクトの現時点まででタスクに費やした金額を示すもので、最初の予算と比較されます。

予算に関する達成額分析列
実際原価(ACWP)
この列は単純明快であり、現在の日付までに行われた作業の実際のコストを表します。OmniPlan の場合、これはタスクに割り当てられたリソースによって費やされた作業時間にそのコストを掛けた値です。1日 8 時間の作業が 2 日間に渡って行われ、リソースが 100% のユニット数と効率で貢献し、そのコスト/時間が 5000 円の場合、実際原価は 8 万円となります。
達成額(BCWP)
達成額(または BCWP:Budgeted Cost of Work Performed)も単純な計算であり、現時点においてプロジェクトで完了した作業量に対して予定された予算を表します(「現時点」は分析に使用される基準)。この値は、作業時間の割り当てとリソースのコストにより、プロジェクトの開始時に決定されます。
コスト効率指数(CPI)
コスト効率指数は、タスクの達成額をその実際原価で割って得られます。これは、タスクが予算を上回っているか、または下回っているかどうかを一目で把握するのに便利です。値が 1 より大きい場合は予算を下回っていること、値が 1 より小さい場合は予算を上回っていること、値が 1 の場合はプロジェクトが予算どおりに進んでいることを意味します。
原価の差異原価の差異 %
原価の差異は、タスクがどのくらい予算を下または上回っているかについて、私たちに良い(または悪い)ニュースをもたらす具体的な数値です。「原価の差異」列は達成額と比較した金額で表され、「原価の差異 %」列は(文字どおり)達成額に対するパーセントで表されます。特に予定した予算と実際の予算が一致する(コスト効率指数 が 1)場合、これらの列は空白になります。

次のグループの EVA 列は、予定したスケジュールと比較したプロジェクトのステータスを表すものです。

スケジュールに関する達成額分析列
計画金額(BCWS)
計画金額(または BCWS:Budgeted Cost of Work Schedule)は、プロジェクトの最初のスケジュールで計画されていた、特定の日付までの予期された作業コストです。この値は、タスクとリソースに対して予定されたコストと、基準および選択した編集日から得られます。
スケジュール効率指数(SPI)
スケジュール効率指数は、達成額を計画金額で割ることにより得られます。コスト効率指数と同様に、この値は 1 より大きいかどうかで表されます。値が 1 より大きい場合はスケジュールより先へ進んでいることを意味し、値が 1 より小さい場合はスケジュールより遅れていることを意味します。
スケジュール差異スケジュール差異 %
スケジュール差異は、プロジェクトがスケジュールよりどのくらい進んでいるか、または遅れているかを示す具体的な値です。この値は達成額から計画金額を引いたもので、特定の日付までの作業に対して支払うべき金額と実際に支払った金額との差です。スケジュール差異 % は同じ量をパーセントで表したものです。

最後のグループの EVA 列は、タスク完了時におけるタスク予算の推定に関するものです。

完了時コスト予測(EAC)
この値はタスクの実際の最終コストを予測したもので、作業の進行に従って算出されます。プロジェクトの開始前であれば、EAC はタスクの予算(下の「基準計画コスト」)と等しくなります。プロジェクトが進行するにつれ、EAC と BAC の差が広がる可能性があります。
基準計画コスト(BAC)
基準計画コストは、タスクのすべての作業に対する最初の予算コストです。作業がスケジュールより遅れたり、資材にコストがかかりすぎたりすると、実際のコスト(および完了時の予測コスト)が BAC コストを上回ります。
完了時コスト差異(VAC)
この列は、タスクの完了時における実際(最終)のコストの予測値と、完了時における予算(最初)のコストとの差を表します。この値は金額であり、負の VAC はコストの超過、正の VAC は予算が余っていることを意味します。
残作業効率指数(TCPI)
残作業効率指数は OmniPlan の EVA 列の中では少しユニークなもので、提案という形でプロジェクトの予算とスケジュールの状態を知らせます。TCPI は、予算を超えないようにするために、現在の編集日以降、タスクに対して維持しなければならないコスト効率指数(上記の CPI)を表します。値が 1 より大きい場合はコース修正が提案されます。つまり、1 より大きい場合は出費を抑えるべきであり、1 より小さい場合は予算に余裕があることを意味します。
タスクの完了に関する達成額分析列

ヒント
別の観点から EVA を見た場合、現在の編集日と基準はチャートの x 軸と y 軸とみなすことができ、そのパラメータはプロジェクトの模擬的なシナリオを設定するのに使用できます。基準はプロジェクトの情勢に対する y 軸上の時間アンカーを提供するもの、そして現在の編集日はカレンダーの x 軸に沿ったタイムトラベル装置とみなすことができます。これにより、まるでプロジェクトの現在までの進行状況が以前に起こったかのように、あるいはすべての進行が止まり、未来の特定の時点までプロジェクトが動かなくなってしまったかのように、そのスナップショットを見ることができます。

タスクアウトラインをフィルタリングする

プロジェクトの特定の面に焦点を合わせたい場合は、特定の条件のフィルタを作成することで、条件にあてはまるタスクだけを表示できます。たとえば、先週完了したタスク、基準のターゲット日より 4 日以上遅れているタスク、または以下の例のように達成率が 50% に満たないタスクに焦点を合わせたフィルタを作成できます。

タスクアウトラインをフィルタリング

「表示」▸「タスクをフィルタリング」(Option-Command-F)の順に選択するか、ツールバーの「フィルタ」ボタンをクリックします。フィルタリングの条件を設定するためのシートが表示されます。条件は、エントリ行の右側にあるプラス記号のアイコンをクリックすることで、好きなだけ追加できます。また、option キーを押したまま追加ボタンをクリックしてフィルタ階層内に入れ子状の条件を作成すれば、条件自体をフィルタリングできます。条件を目的どおりに設定したら、「フィルタを保存」ドロップダウンメニューをクリックして現在のフィルタを保存するか、または以前に保存したフィルタを復元します(「表示」メニューから「保存したフィルタに戻す」を使用することもできます)。

フィルタを設定すると、その条件に一致するタスクだけがアウトラインに残り、プロジェクトの残りは非表示になります。フィルタリングしている状態でも、通常どおりにプロジェクトを操作できますが、編集できるのは表示されているタスクだけです。フィルタを使用している間はフィルタバーが表示され、フィルタを編集または削除するオプションと非表示になっているタスクの数が表示されます。

プロジェクトが現在フィルタリングされていることを示すフィルタバー

フィルタを使用しているときにプロジェクトを書き出したりプリントしたりすると、書き出されたファイルには表示されているタスクしか含まれません。

参考
OmniPlan 3 から前のバージョン 1.x の OmniPlan ファイルフォーマットに書き出す際には、フィルタは含まれません。

終了したら、「表示」▸「フィルタを削除」を選択するか、もう一度ツールバーのボタンをクリックします。何事もなかったかのように、すべてのタスクが再び表示されます。

リソースビューで作業する

リソースはプロジェクトの活力のもとであり、リソースをなくして目標を達成することはできません。人員、設備、および原料の効果的な管理はプロジェクトを成功に導くための鍵であり、OmniPlan にはそのためのツールが揃っています。

OmniPlan でのリソース管理は主にリソースビュー(ツールバーのビュー切り替え領域にある 2 つ目のボタン)で行われます。この章では、このビューの機能と特徴について説明します。リソースの管理には、タスクインスペクタとリソースインスペクタも使用します。

リソースを作成/削除する

プロジェクトを構築する際に重要となるのは、共同作業するチームを編成するリソース、および目的を達成するために使用する設備や資材を正しく設定することです。リソースアウトラインを使うと、これらの設定をすばやく効率的に行うことができます。

リソースビューで新しい項目を作成するには、いくつかの方法があります。

  • リソースアウトラインで項目を 1 つ選択し、Return(または OmniPlan の一般環境設定で設定されているキーボードオプションによっては Command-Return)キーを押します。

  • アウトラインの上にあるツールバーで「追加」ボタンをクリックします。

  • 連絡先カードをリソースアウトラインにドラッグしてスタッフリソースを作成します。この場合、スタッフリソースは連絡先から連絡先情報を収集します。

  • 副ボタンをクリックし、コンテクストメニューから「追加」▸「リソース」の順に選択します。

リソースまたはリソースグループを削除するには、いくつかの方法があります。

  • アウトラインでリソースまたはグループを 1 つ選択し、Delete キーを押します。

  • 項目を選択し、アウトラインの上にあるツールバーで「削除」ボタンをクリックします。

  • 項目を選択し、副ボタンでクリックしてコンテクストメニューを開き、「削除」を選択します。

タスクにリソースを割り当てる

ほとんどのタスクでは、完了するために何らかのリソースを必要とします。たとえば、ソフトウェア開発ではプログラマー、穴掘りでは重機器、そして建築では木材が必要となります。どのリソースがどのタスクに割り当てられているのかを追跡することで、タスクが完了するまでの時間や、リソースにいつ空き時間ができるかなどを判断しやすくなります。

タスクにリソースを割り当てるには、いくつかの方法があります。

タスクインスペクタの「割り当て」セクションでリソースを割り当てる
  • タスクビューでタスクを選択し、タスクインスペクタの「割り当て」セクションを開いて、割り当てたいリソースを選択します。その後、デフォルトの量を別の量に変えたい場合は、割り当てる量を変更できます。また、リソースインスペクタの「割り当て」セクションでは、リソースのすべての割り当てを表示し、その量を調整したり消去したりできます。

リソースタイムラインのリソースレーン間でタスクをドラッグ
  • リソースタイムラインチャートのリソースレーンと未割り当てレーンの間でタスクをドラッグします。リソース間でタスクをドラッグする際には、Option キーを押したまま操作すると、最初のタスクからリソースの割り当てを解除することなく、2 番目のリソースにそのタスクを割り当てることができます。

  • Apple 連絡先のカードをタスクビュー内のタスクにドラッグします。そのカードに割り当てられたリソースがプロジェクト内にまだ存在しない場合は、新しいリソースが追加されます。

  • タスクアウトラインの「割り当て」列、またはガントチャートの割り当て済みリソース領域を編集します。以下の役に立つヒントを参考にしてください。

    • 「割り当て」列にリソース名を入力すると、それらのリソースがタスクに割り当てられます。

    • ガントチャートのリソースリストをダブルクリックし、そこで直接リソースを編集することもできます。

    • スタッフリソースの後に中括弧に入れたパーセント値を付けると、100% 以外の量を割り当てることができます。

    • 資材リソース名または設備リソース名の後に中括弧に入れた数値を付けると、1 ユニット以外の量を割り当てることができます。

    • 複数のリソース名はセミコロンで分けます。

リソースをグループ化する

タスクの場合と同様に、リソースもグループ化できます。また、タスクのグループにリソースを割り当てることも可能です。

グループを割り当てる

タスクのグループに 1 つのリソースを割り当てると、そのリソースはグループ内のすべてのタスクに割り当てられます。グループ自体にリソースを割り当てることはできません。

1 つのタスクにリソースのグループを割り当てると、OmniPlan は暫定的にすべてのリソースがそのタスクに割り当てられたと見なします。その後、リソースを平準化した時点で、グループ内の 1 メンバーがそのタスクに対して作業するように選択されます。そのメンバーが利用不可になった場合は、再び平準化が行われ、別のメンバーが割り当てられます。

リソースグループの特性

リソースグループは、複数のリソースをひとつにまとめるための単なる一手段です。したがって、効率やコストのような個々のリソースが持っているような特性はありません。

名前 — もちろん、リソースグループには独自の名前があります。

メール — グループ内のメンバー全員に送信するメーリングリストや何らかのアドレスがある場合に備え、グループにメールアドレスを割り当てることができます。

タイプ — リソースグループには任意のタイプ(スタッフ、設備、資材)のリソースを含めることができますが、グループ自体のタイプは常にグループです。

コスト/使用、コスト/時間、効率 — これらはグループのすべてのメンバーの平均値として表示されます。新しい値を入力すると、その値はグループのメンバーすべてに適用されます。

タイムラインで割り当てを追跡する

利用可能なリソースの観点からプロジェクトを管理したい場合は、リソースビューのタイムラインを使うと、アセットを視覚化および制御しやすくなります。

リソースタイムラインのリソースの概要
  1. 棒グラフのボタンをクリックすると、各リソースのタイムラインの下にあるリソース割り当てグラフの表示と非表示を切り替えることができます。

  2. このチャートには、アウトラインで選択した各リソースに対するタスクのタイムラインが表示されます。リソースを選択しなかった場合、このチャートにはすべてのリソースのタイムラインが表示されます。稼働時間がカスタマイズされたために、通常の稼働時間にリソースが利用不可になっている場合は、その利用不可の時間帯にスタイルビューで設定されている非稼働時間の背景色(デフォルトではグレイ)が表示されます。

  3. リソースのタイムラインの下にある未割り当てのタイムラインには、どのリソースにも割り当てられていないタスクが表示されます。タイムライン間でタスクをドラッグすると、その割り当てを変更できます。

  4. 負荷グラフの青いバーは、リソースの使用可能なユニット数が 100% の割合で使用されている時間を表します。

  5. 負荷グラフのピンクのバーは、リソースの使用可能なユニット数が 100% を超える割合で使用されている時間を表します。プロジェクトを平準化すれば、この問題を解消できます。

  6. タイムラインは、ガントチャートと同じ要領で拡大または縮小できます。このメニューから倍率を選択するか、ヘッダ領域をドラッグします。

リソースビューの表示オプション

タスクビューと同様に、リソースアウトラインは、リソースに関するさまざまな情報の列を表示するようにカスタマイズできます。列の表示と非表示を切り替えるには、表示オプション(Command-J)で列を選択するか、列ヘッダを副クリックし、表示されるコンテクストメニューで列の表示を切り替えます。

リソースビューの表示オプション

また、タスクビューと同様に、リソースビューの表示オプションには、リソースタイムライン内のタスクやグループの横に(または上に重ねて)表示するメタデータフィールドがあります。追加した各フィールドにはそれぞれドロップダウンメニューがあり、使用可能な任意のカスタム列の値を指定できます。

以下、リソースビューのいくつかのカスタム列について説明します。

添付ファイル
選択した行の添付ファイル(クリップ)アイコンをクリックすると、その項目の添付ファイルのメニューが表示されるか、まだファイルがリンクされていない場合はファイルをリンクできます。ファイルへのリンクがある行には、その行を選択しているかどうかにかかわらず、クリップのアイコンが表示されます。
メモ
選択した行のメモアイコンをクリックして、その項目のメモの表示と非表示を切り替えることができます。まだメモがない場合は、メモを作成できます。メモのある行には、その行を選択しているかどうかにかかわらず、メモアイコンが表示されます。
固有 ID
固有 ID は、たとえリソースの名前やアウトラインでの位置が変わった場合でもそのリソースを明確に識別できるようにするための、各リソースに割り当てられた番号です。固有 ID が変わることはなく、新たに作成した各タスクや各リソースには新しい固有 ID 番号が付けられます。これらの番号は、OmniPlan と他のアプリケーション間でプロジェクトを読み込んだり書き出したりする場合など、項目を照合するのに便利です。
カスタム週間稼働時間
リソースにデフォルトとは異なる週間稼働時間がある場合は、この列にアイコンが表示されます。リソースのデフォルトの週間稼働時間は、その親(グループのメンバーの場合)またはプロジェクト(グループのメンバーでない場合)によって定義されます。このアイコンをクリックすると、リソースの週間稼働時間を確認できます。そこから、週ビューの右上にある X ボタンをクリックすれば、いつでも週間稼働時間をデフォルトに戻すことができます。
スケジュール例外
リソースに週間稼働時間とは異なる稼働スケジュールがある場合は、この列にアイコンが表示されます。このアイコンをクリックすると、リソースの稼働スケジュールを確認できます。そこから、オレンジ色でハイライトされた日付を見ることで、どこに例外があるかを確認できます。任意の週ビューの右上にある X ボタンをクリックすれば、その週のリソースの例外を消去できます。

カレンダービューで作業する

タスクとリソースを配置すると、プロジェクトの形ができてきます。そのプロジェクトを実際の時間に結びつけるのがカレンダーです。OmniPlan のカレンダービューでは、一連のカスタマイズ可能なスケジュール用のコントロールを使って、プロジェクトが予定どおりに完了するように日時を設定できます。

稼働時間を設定する

通常の稼働時間は、通常の週で使用する一般的な稼働時間です。この一連の時間はプロジェクト内のすべての週に適用され、その結果、毎日どのくらいの作業時間をこなせるかが決まります。リソースはプロジェクトから週間可能時間スケジュールを継承しますが、それとは異なる時間帯に稼働するリソースは個別にそのスケジュールをカスタマイズできます。半休、祝日、残業などのイベントに対して週間稼働時間の例外を設定するには、以下をお読みください。

カレンダービューに表示された、プロジェクト全体の通常の週間稼働時間

週間稼働時間を編集する

アウトラインでリソースを選択すると、そのリソースの稼働時間を編集できます。何も選択していない場合は、プロジェクト全体の稼働時間を編集できます。

リソースの週間稼働時間がカスタマイズされているためにプロジェクト全体の通常の週間稼働時間と異なる場合は、「カスタム週間稼働時間」列にカスタム週間稼働時間アイコンが表示されます。

単一のリソースの通常の週間稼働時間を編集

グリーンのブロックは、ひとまとまりの稼働時間を表します。ブロックの端をドラッグして日時の範囲を設定できます。上の図の場合、リソースはデベロッパハードウェアであり、1 日 24 時間の稼働が可能です。

ブロックはクリックして選択できます。選択されたブロックは、矢印キーを押して移動したり、Delete キーを押して削除したりできます。

リソースリストの下にある切り替え領域を使うと、通常の週間稼働時間ではなく、特定の日の時間外/非稼働時間をカスタマイズするための画面に切り替えることができます。

新しい時間ブロックを作成するには、ドラッグするか、空の領域をダブルクリックします。また、Shift キーを押したままドラッグすると、稼働時間を消去するための赤いブロックを描くことができます。これらのテクニックは、数日にわたるブロックを分割し、それぞれのブロックを個別に調整するような場合に便利です。

例外を編集する

時間外と非稼働時間」は、特定の日の稼働時間を設定するためのカレンダーです。祝日、半休、残業、および通常の週間稼働時間に対するその他の例外を設定できます。通常の週間稼働時間と同じように、プロジェクト全体に対する稼働スケジュールがあります。リソースはこの稼働スケジュールに従いますが、リソースを個別にカスタマイズすることもできます。

アウトラインでリソースを選択すれば、その稼働スケジュールを編集でき、何も選択しなかった場合は、プロジェクト全体の稼働スケジュールを編集できます。

ミニカレンダーで編集する週を選択します。標準の週間稼働時間と異なる日は青で表示されます。矢印をクリックすると月間を移動でき、Option キーを押した状態でクリックすると一度に 1 年移動できます。

リソースに通常の週間稼働時間に対する例外がある場合は、「スケジュール例外」列にカスタム例外アイコンが表示されます。

単一のリソースのスケジュール例外を編集

ここで、通常の週間稼働時間を編集するときと同じ要領で時間ブロックを編集できます。Shift キーを押したままドラッグすると、利用不可の時間帯を作成できます。

通常の週間稼働時間はグリーンの点線の枠で表示されるため、この週のスケジュールがどのように異なるのかを簡単に見ることができます。

カレンダービューの表示オプション

カレンダービューには、追加の列を設定するための最小限の表示オプションがあり、これらの列はカレンダーに付随する特化されたリソースアウトラインに表示されます。必須の列は「リソース」だけです。そのほか、リソースの「タイプ」、「メモ」、カレンダー固有の「カスタム週間稼働時間」および「スケジュール例外」の各列は新しいプロジェクトのデフォルトです。最後の 2 つの列は、特にリソースのスケジュールが通常と異なるときに一目でその違いを把握できるので便利です。

カレンダービューの表示オプション

通常の稼働スケジュールに変更が加えられた場合は、そのリソースの「カスタム週間稼働時間」列にグリーンの ”等号” が表示されます。その等号をクリックすると、選択されたリソースに対してカスタマイズされた週間稼働時間を確認できます。まもなくスケジュール例外があるリソースは、その「スケジュール例外」列に 2 本のジグザグ線が上下に重なったようなマークが表示されます。

ネットワークビューで作業する

ネットワークビューは、依存関係でつながれたノードのネットワークダイアグラムとして、プロジェクトを視覚的かつエレガントに表示する手段です。新しいプロジェクトをすばやく試作したい場合でも、既存のプロジェクトの複雑性をしっかりと把握したい場合でも、ネットワークビューを使って作業すれば、プロジェクトを新しい観点から見ることができます。

OmniPlan 3 のネットワークビューに表示されたプロジェクト

タスクと依存関係を図示する

ネットワークビューでプロジェクトを構築し始める(またはプロジェクトに追加する)準備ができたら、ビュー切り替え領域の 4 番目のボタンをクリックし、Return キーを押します。すると、新しいタスクが作成されます。

ネットワークビューで新しいタスクを作成(依存関係あり/なし)

以前にタスクが選択されていた場合は、「終了▸開始」依存関係の線で新しいタスクとそのタスクとつながれます。タスクが選択されていなかった場合は、新たに作成されたタスクが他のタスクとは独立して表示されます。

ネットワークビューのタスクのチェーン、すべてが「終了-開始」依存関係

「終了▸開始」依存関係でつながれたタスクのチェーンが横一線に配置されます。

ネットワークビューで他の依存関係を作成

他の依存関係を作成するには、タスクノードをクリックして選択し、表示される線を別のタスクまでドラッグします。これにより、それらのタスク間に依存関係が作成され、その新しい関係を反映するようにダイアグラム内のタスクが自動的に再配置されます。

ネットワークビューでの作業中はいつでも、タスクビューに切り替えて、ガントチャートで構築中のプロジェクトがどのように見えるか、またその依存関係がどのように表現されているかを確認できます。

ネットワークビューで作成した複雑なプロジェクトのダイアグラムと、それに対応するガントチャートとの比較

かなり大きなサイズのプロジェクトを操作している場合は、ビューの右下にあるボタンを使用して、またはキーボード上の - および + キーを使ってネットワークダイアグラムを拡大または縮小できます。

参考
ネットワークビューの項目に色を適用したい場合は、スタイルインスペクタを使用してタスクビューのタスクやグループに個々のスタイルを適用すれば、それらのスタイルがネットワークビューに反映されます。

クリティカルパスによるタスクのハイライトは、ネットワークビューやタスクビューでも表示されます。

ノードのメタデータをカスタマイズする

タスクノードに関するデフォルト以外の値を表示したい場合は、ネットワークビューの「表示オプション」を使用してタスクノードを完全にカスタマイズできます。「表示」▸「表示オプション」(Command-J)の順に選択すると、「表示オプション」メニューが開きます。そこには、「タスク」、「マイルストーン」、「グループ」という 3 つの編集可能な主要タスクタイプがあります。

ネットワークビューの表示オプション

ポップアップメニューから列タイプを選択すると、その列タイプが選択したタスクタイプのノードに追加されます。また、「なし」を選択すると、そのメタデータ行が表示から削除されます。

スタイルビューで作業する

OmniPlan のデフォルトの外観は、プロジェクトのデータを明確に、かつプロフェッショナルに表現できるように設計されています。しかし、プロジェクトの外観を変えたい場合は、OmniPlan のスタイルビューにあるツールを使って外観を変えることも可能です。

参考
スタイルビューでは、モジュール式にプロジェクトのさまざまな部分の見た目を設定できます。ここで設定を変更すると、書類全体を通して、指定したタイプのすべての項目に対するデフォルトの外観が変わります。単一の項目や選択した項目の外観だけをカスタマイズしたい場合は、スタイルインスペクタにあるアドホックスタイル機能を使用してください。

スタイルビューは、さまざまな方法でプロジェクトの視覚的スタイル要素をコントロールできる 3 つの部分で構成されており、プロジェクト全体だけでなく、プロジェクト内の個々の要素の外観をカスタマイズする機能もあります。

スタイルビュー
  1. プロジェクトのフォントと色 — プロジェクト全体を通して使用するフォント、テキストの色、OmniPlan ビューインターフェイスの構成要素の色を選択します。
  2. ガントスタイル — ここのプレビューでガントチャートの特徴を選択し、スタイルインスペクタを使用して書類全体を通して使用されるデフォルト設定を変更します。グループ、タスク、期限超過タスク、完了したタスク、マイルストーンの外観はここで編集できます。また、このプレビューはスタイルビューの別の場所で加えた変更に基づいて更新されます。
  3. 書類スタイルと名前付きスタイル — 書類スタイルを選択して、OmniPlan インターフェイス内にある指定したタイプのすべての項目を更新します。また、ここで名前付きスタイルを作成します。名前付きスタイルはスタイルインスペクタで使用できるカスタムスタイルで、どこにでも適用できます。

プロジェクトのフォントと色を変更する

スタイルビューの「プロジェクトのフォント」および「プロジェクトの色」セクションには、以下に示すように、プロジェクト全体で使われる色をカスタマイズするためのツールがあります。

スタイルビューでプロジェクトのフォントと色を変更
  1. プロジェクトのフォントです。これはプロジェクト全体を通して項目名やメモに使われるフォントです。

  2. プロジェクトのテキストの色です。これは、書類全体を通してプロジェクトのフォントに適用される色です。

  3. 書類全体の背景色です。

  4. 1 行おきの項目に適用される色です。各行が区別しやすくなるような不透明度の低い色を設定してください。

  5. 非稼働時間の色です。「表示オプション」で非稼働時間を設定した場合にのみ使用します。

  6. チャート内の今日の日付です。プロジェクトインスペクタの「プロジェクト情報」セクションで特定の開始日が設定されている場合にのみ使用します。

  7. 2 つの期間を分ける線の基本色です(拡大縮小すると、フェードイン/アウトします)。

ガントチャートの外観を変更する

ガントチャートで項目タイプを選択すると、書類全体を通してその外観が変わります。ここで項目を選択すると、スタイルインスペクタがその項目の外観を編集するためのコントロールインターフェイスとして機能します。

スタイルビューのガントプレビューを使ってガントチャートの視覚的なプロパティを変更

このガントチャートのプレビューを使って、以下の視覚的要素を編集できます。

  1. タスクグループ — すべてのタスクグループです。デフォルトでは、単一のタスクと区別できるように、タイトルがボールドのテキストになります。
  2. タスク — グループやマイルストーン以外のすべてのタスクです。この設定は、「完了したタスク」や「期限超過タスク」のスタイルで上書きされる場合があります。
  3. 完了したタスク — 達成度が 100% の任意のタスクです。たとえば、タスクが完了したとき、そのガントバーの色をグレイに変えることができます。
  4. 期限超過タスク — 過去に完了する予定だったが、未だに完了していないタスクです。これらのタスクは、プロジェクトのどの部分が遅れているのかを示すために、明るいレッドに設定するとよいでしょう。
  5. マイルストーン — すべてのマイルストーンです。デフォルトでは、通常のタスクと同じスタイルが適用されます。

参考
ガントプレビューに適用された色は、ネットワークビューを見るとお分かりのように、プロジェクトにも表示されます。

書類スタイルを変更する

プロジェクトの色やガントチャートのプロパティのほかに、スタイルビューの「書類スタイル」セクションではプロジェクト全体のテキストのスタイルを編集できます。

スタイルビューで書類スタイルを編集

書類スタイルを設定するには、スタイルビューの「書類スタイル」セクションにあるリストから、変更の対象を選択します。

スタイルインスペクタのスタイルコントロールを使用すると、選択したタイプのすべてのものに対して、デフォルトのスタイルが変更されます。

以下の構造スタイルは、OmniPlan インターフェイスのさまざまな要素に関連付けられています。

  1. 書類全体 — 書類全体のアウトラインに含まれているすべてのテキストです。これは、その下に一覧されている、より具体的なスタイルによって上書きされる場合があります。
  2. 列タイトル — アウトラインビューやチャートの上に表示されているヘッダや、リソースタイムライン内の縦のリソース名です。
  3. メモ — タスクやリソースに添付されているメモです。
  4. リソース — すべてのリソース、リソースアウトラインでの表示方法、およびガントチャートでの割り当て。

書類スタイルは最も一般的なスタイルであり、名前付きスタイルやアドホックスタイルによって上書きされる場合があります。

名前付きスタイルを作成および使用する

個々の項目に繰り返し適用したい特定のスタイルがある場合は、名前付きスタイルを作成して保存しておくと、ボタンを押すだけでそのスタイルを呼び出せるようになります。

スタイルビューでカスタムの名前付きスタイルを作成
  • 新しい名前付きスタイルを作成するには、スタイルリストの下部にあるプラス記号のボタンをクリックします。

  • その後、名前付きスタイルが選択された状態でスタイルインスペクタのコントロールを使用すると、その属性を変更できます。名前付きスタイルリストの下にある、プラス記号ボタンの横のフォントボタンをクリックすると、選択したスタイルのフォントコントロールが開きます。

  • スタイルを希望どおりに設定したら、メインウインドウでそのスタイルを項目に適用します。スタイルを適用するには、項目を選択し、スタイルインスペクタの「項目スタイル」セクションにあるドロップダウンからスタイルを選択するか、または項目を選択した後、該当するファンクションキーを押します。

参考
デフォルトで、作成した各名前付きスタイルはそれぞれ異なるファンクションキー(F1 から F9 まで)に割り当てられます。つまり、よく使う名前付きスタイルに対してキーボードショートカットが自動的に作成されます。リスト内に表示されているスタイルをドラッグアンドドロップ操作で並べ替えて、最もよく使うスタイルをリストの上の方に配置してください。

  • 名前付きスタイルは何度でも繰り返し項目に適用できます。後で名前付きスタイルに加えた変更は、そのスタイルが適用されているすべての項目に反映されます。

名前付きスタイルは書類スタイルより優先されます。つまり、書類スタイルと名前付きスタイルの両方を同じ項目に適用した場合、その項目は名前付きスタイルを使って表示されます。

ヒント
プロジェクトを希望どおりに設定したら、そのプロジェクトをテンプレートとして保存できます。そうすれば、新しいプロジェクトでそれらのスタイルを使用できます。

インスペクタを使用する

インスペクタは、その名のとおり現在選択されている範囲をインスペクト、つまり調べるためのツールを提供する機能のことです。OmniPlan 3 ではインスペクタのデザインが一新され、今まで以上にパワフルで柔軟、そして簡単に使えるようになりました。

OmniPlan のインスペクタは、メインウインドウの右側のサイドバー内に表示されます。インスペクタの左端をクリックしてドラッグすれば、インスペクタを隠すことができ、その分メインビューのスペースが広くなります。隠れているインスペクタを表示するには、ウインドウの右端を内側に向かってドラッグします。「インスペクタ」▸「インスペクタを表示/隠す」(Shift-Command-I)の順に選択しても、同様の効果が得られます。

OmniPlan のいずれかのビューで項目(通常、タスクビューやネットワークビューのタスク、リソースビューやカレンダービューのリソース、またはスタイルビューのスタイル)を選択すると、インスペクタは選択した項目のタイプに最も関連するものに自動的に切り替わります。何も選択されていない場合は、デフォルトでプロジェクトインスペクタが選択されます。また、他のインスペクタで行った編集はプロジェクト全体の属性に反映されます。

プロジェクトインスペクタ

プロジェクトインスペクタには、書類全体に関する情報があります。このインスペクタは 3 つのセクションに分かれており、それぞれプロジェクトの構造や時間的な流れに関連するコントロールを提供します。

プロジェクトインスペクタ
  • プロジェクト情報 — タイトルやプロジェクトが開始日または終了日のどちらからスケジュールされているかなど、プロジェクト全体に関する一般的な情報。また、スケジュール粒度設定のホームでもあります。

  • 書式 — 時間や通貨の単位を設定します。

  • 作業時間の単位変換 — 指定した稼働日/週/月/年の時間数を定義します。「週間稼働時間を編集」ボタンをクリックすると、カレンダービューが開くので、そこで稼働時間を調整します。

各セクションの横にある開閉用三角ボタンをクリックすると、その内容の表示と非表示を切り替えることができます。

プロジェクト情報を編集する

プロジェクトインスペクタの「プロジェクト情報」セクションでは、プロジェクトの構築方法に関する基本的な設定を行います。これらの詳細を決定することは、プロジェクトの範囲やスケジュールを理解する上で非常に重要です。

プロジェクトの日付を特定または不確定に指定する

プロジェクトの開始日または終了日がわからない場合は、プロジェクトインスペクタの「プロジェクト情報」セクションで開始日を不確定に設定します。週間可能時間を適用する目的で、プロジェクトはその週の初日に開始されると仮定されます。プロジェクトの通常の週間稼働時間と個々のリソースの稼働時間が使われますが、祝日などの稼働スケジュールの例外は無視されます。

プロジェクトで特定の日付と不確定の日付のどちらを使用するのかを指定

不確定の日付のプロジェクトでは、すべての日付が ”T 日”(プロジェクトの初日)または ”T + x”(x は時間経過)の形式で表されます。たとえば、”T+2w 1d” はプロジェクトの開始から 2 週間と 1 日が経過した日を意味します。

不確定の日付を使ってスケジュールされたプロジェクト

既存のプロジェクトの開始日または終了日を不確定の日付から実際の日付に変更すると、週末、休日、およびその他の例外が考慮されるようになるため、プロジェクトがシフトする可能性があります。

開始日と終了日

プロジェクトがいつ始まるか、または終わるかがわかっている場合は、ここの日付を入力します。カレンダービューで設定した稼働時間や稼働スケジュールの例外はすべて正しく適用され、インターフェイスには実際の日付が表示されます。プロジェクトに開始日がある場合、タスクはその時点からできるだけ早くスケジュールされます。プロジェクトに終了日がある場合、タスクはその日付から逆方向に、できるだけ遅くスケジュールされます。タスクの日付や方向はタスクインスペクタで変更できます。

プロジェクトインスペクタの「プロジェクト情報」セクションで開始日または終了日を設定

参考
プロジェクトの開始日または終了日を設定することで、プロジェクトの方向、つまりスケジュールが開始日から前向きにスケジュールされるか、それとも終了日から後ろ向きにスケジュールされるかが決まります。開始日を設定した場合は、プロジェクトができるだけ早く(ASAP)完了するようにスケジュールされ、終了日を設定した場合は、すべてのタスクができるだけ遅く(ALAP)スケジュールされます。個々のタスクの方向を変更する方法については、「タスクインスペクタ」セクションで説明しています。

ほとんどのプロジェクトでは、タスクができるだけ早く完了するようにスケジュールされます。しかし、”出荷日” が決まっているようなプロジェクトでは、その日付からさかのぼりながら予定を立てれば、いつプロジェクトを開始しなければならないかがわかるので便利です。

スケジュール粒度

プロジェクトインスペクタの「プロジェクト情報」セクションにある粒度コントロールを使用して、OmniPlan のすべての期間を整数の時間または日に丸めることができます。この設定は表示の目的だけでなく、OmniPlan がタスクをスケジュールする方法にも影響します。

プロジェクトインスペクタの「プロジェクト情報」セクションにある粒度設定

デフォルトでは「正確なスケジュール」が使用されます。作業時間 58 分のタスクが午前 8 時に開始される場合、このタスクはガントチャートで 58 分ちょうどの長さに描かれます。そして、依存タスクは 8:58 から開始され、平準化を行った後も、リソースは次のタスクに対し、8 時 58 分から稼働し始めます。タスクの開始時間と終了時間は秒単位で扱われます。

時間単位のスケジュール」を使用した場合は、終了と開始が次の整数の時間に調整されます。たとえば、作業時間 58 分(1 分の場合でも同様)のタスクが午前 8 時に開始される場合、後続のタスクやリソース平準化後のタスクは午前 9 時から開始されます。

日単位のスケジュール」を使用した場合は、開始と終了が常に稼働日の開始時または終了時に合わされます。58 分のタスクもその日の終わりに終了します。また、後続のタスクやリソース平準化後のタスクは翌日から開始されます。

粒度設定にかかわらず、入力した数値が忘れられることはありません。タスクの作業時間やリソースのユニット数は任意の精度で指定できます。これらの値は、後で粒度を「正確なスケジュール」に切り替える必要がでてきたときのために保存されます。

クイックルックプレビュー設定

プロジェクトインスペクタの「書式」セクション

インスペクタのこの領域にある最後のオプションは、プロジェクトを保存する際に書類のクイックルックプレビューを作成するかどうかを指定するものです。最近のほとんどの Mac では、このプロセスを実行しても、アプリの使用に目に見えるほどの影響が出ることはありません。しかし、保存時にパフォーマンスの問題が見られる場合は、クイックルックプレビューを無効にするとパフォーマンスが改善される可能性があります。

時間と通貨の書式を指定する

プロジェクトインスペクタの「書式」セクションを使用して、プロジェクトで使用する時間や通貨の単位を定義できます。

プロジェクトインスペクタの「書式」セクション
  1. 日付」セクションを使用して、表示される日付に秒単位、時刻、またはその両方を含めるかどうかを指定します。この設定がタスクのスケジュールや所要時間に影響することはありません。プロジェクト内での日付の表示に影響するだけです。

  2. 通貨」セクションのドロップダウンリストから標準の通貨を選択するか、または目的の通貨記号を入力するだけで、フィールドに該当する処理機が自動的に記入されます。

  3. ここで選択した時間単位は、所要時間作業時間量を表示するのに使用されます。時間や日、または目的に合った任意の時間単位で計画を立てることができます。所要時間の各フィールドでは、単位を付けずに数値を入力した場合、ここで有効にした最も小さな単位が使用されます。OmniPlan では、以下の略字を使って時間単位(所要時間と作業時間)が指定されます。

    • s — 秒
    • m — 分
    • h — 時間
    • d — 日
    • w — 週
    • mo — 月
    • y — 年

このように所要時間の表示をカスタマイズできるだけでなく、上記の「プロジェクト情報」セクションのスケジュールの粒度設定を使えば、整数の時間や日数だけでスケジュールできるように OmniPlan を設定できます。表示環境設定を使えば、ガントチャートやリソースタイムラインの日付ヘッダもカスタマイズできます。

参考
値に含まれている時間単位が表示できないほど小さい場合は、丸まられた値が表示されることがあります。たとえば、プロジェクトインスペクタの「書式」セクションで分単位の表示を無効にしてある場合、9 時に始まり 9 時 55 分に終わるタスクは “< 1h” のように表示されます。実際の値を知りたい場合には、「書式」セクションでより小さい単位を有効にするか、またはそのタスクの開始時間と終了時間を確認します。値を編集して単位を確認したい場合は、大なり記号や小なり記号を削除するだけで、値が更新されます。

作業時間の単位変換を設定する

標準の週間稼働時間(40 時間)や 1 日の稼働時間(8 時間)を使用しない場合は、プロジェクトインスペクタの「作業時間の単位変換」セクションを使用して、プロジェクトの標準の稼働時間数/期間をカスタマイズできます。

プロジェクトインスペクタの「作業時間の単位変換」セクション

稼働日には任意の時間数を指定できます。これらの変換係数によって、時間数が合計され、より大きな単位にまとめられる方法が決まります。

作業時間変換係数により、実際にプロジェクトの稼働時間が変わることはありません。所要時間の入力方法と表示方法が変わるだけです。稼働時間を変更するには、カレンダービューの週間稼働時間のセクションにアクセスしてください。

希望の単位変換を決定したら、週間稼働時間を編集して新しい値に合わせ、十分な人員と時間が確保されていることを確認してください。その際には、「作業時間の単位変換」セクションにあるカレンダービューへのリンクを使うと便利です。

マイルストーンインスペクタ

マイルストーンインスペクタでは、マイルストーンやクリティカルパスの表示を管理できます。

マイルストーンインスペクタ

各マイルストーンの横にあるチェックボックスを使用すると、ガントチャートやネットワークビューでそれらのクリティカルパスの表示をきりかえることができます(ツールバーの「クリティカルパス」ボタンからアクセスできるドロップダウンメニューを使って、表示するクリティカルパスを指定することも可能です)。

特定のマイルストーンを表示するように指定すると、最初、そのマイルストーンに対して色が自動的に割り当てられます。この色は、「このマイルストーンへのクリティカルパスを表示する」スイッチの横にある色見本をクリックして変更できます。

リソースの利用可能状況を考慮する」チェックボックスをオンにすると、クリティカルパスの表示に、タスク間の依存関係やスラック上限だけでなく、独立したタスクを完了するのに必要なリソースを利用できるかどうかも考慮されます。

マイルストーンインスペクタ

このしくみを明確に説明するために、2 つの独立したタスクを含むプロジェクトを作成し、それらのタスクに同じリソースを割り当てた場合を考えてみましょう。このプロジェクトを平準化すると、2 番目のタスクが最初のタスクの後に移動します。この時点では、クリティカルパスを表示すると、2 番目のタスクだけがハイライトされます (1)。リソースの利用可能状況を考慮するように指定すると、両方がハイライトされるようになります (2)。これは、2 番目のタスクの開始が最初のタスクには依存しているわけではないが、タスクを完了するのに必要なリソースによって抑制されていることを示しています。

クリティカルパスのスラック上限では、タスクがクリティカルパスの一部としてみなされるためにマイルストーンをどのくらい戻せばよいかを指定できます。この時間値を増やすと、クリティカルパスの範囲が広がり、さらに多くのタスクが含まれるようになる可能性があります。つまり、値が大きいほど、タスク間の時間的な余裕が少なくなります。

タスクインスペクタ

タスクインスペクタには、現在選択されているタスクに関する情報があります(マイルストーン、グループ、およびハンモックタスクはすべてタスクとみなされます)。

タスクインスペクタ
  • タスク情報 — いつスケジュールされているか、どのくらいの時間がかかるかなど、選択されているタスクに関する一般的な情報。

  • 推定作業時間(Pro) — ここで、OmniPlan Pro のシミュレーション機能と併用して、推定の作業時間を手動で設定します。

  • タスクのスケジュール — 開始日や終了日、平準化がどのように影響するかなど、選択されているタスクのスケジュールに関する情報。

  • タスクの依存関係 — このタスクが関与している依存関係のリスト。

  • タスクの割り当て — このタスクに割り当てられているリソースのリスト。

タスク情報を編集する

タスクのタイプやスコープを定義する重要な属性は、タスクインスペクタの「タスク情報」セクションを使用して編集できます。

タスクインスペクタの「タスク情報」セクション
  1. タスクの「名前」は、タスクアウトラインに表示されるものと同じです。

  2. タイプ」は、通常のタスクからマイルストーン(プロジェクトの期間内で発生する、長さがゼロの重要なイベント)、グループ(子タスクを含めることができます)、またはハンモックタスク(先行タスクの完了および後続タスクの開始に基づいて所要時間が変化するタスク)に変更できます。

  3. 作業時間」は、このタスクを完了するのにかかる合計の時間、つまり作業量です。「所要時間」は、その作業を完了するのにかかる時間です。これらの値は、タスクに割り当てられているリソースの数や、割り当てられているリソースの効率によって変わります。数値を入力して、単位を指定しなかった場合は、プロジェクトインスペクタの「書式」セクションの有効になっている最小の単位が使用されます。

  4. 達成率」の値は、タスクがどのくらい進行しているかを表す割合です。ガントチャートのタスクバーでは、この部分が濃い色で表示されます。これは、つまみをドラッグするかフィールドに時間を入力することにより、手動で調整できます。

  5. タスクの「コスト」は、タスクを完了するのにかかる費用です。「リソース」は、タスクに割り当てられたリソースの使用あたり、または時間あたりのコストです。

タスクの作業時間を推定する(Pro)

OmniPlan の作業時間推定機能はモンテカルロシミュレーションと連動して、マイルストーン完了の適時性を推定します。

タスクインスペクタの「推定作業時間」セクション

ツールバーにある「シミュレーション」ボタンを使用すれば、選択した任意数のタスクを完了するのに必要な作業時間を自動推定できます。ただし、完了のシナリオで使用している作業時間範囲よりさらに細かい操作性を必要とする場合は、タスクインスペクタのこのセクションを使って任意の値を指定できます。

警告
OmniPlan 3 の時点では、アプリ全体を通して、作業時間の値(タスクアウトラインの「作業時間」列、タスクインスペクタの「作業時間」フィールド、およびその他)が上記の推定作業時間フィールドの 3 つの値の平均に基づいて計算されます。平均値が既存の値に等しい限り、それらの値は変わりません(シミュレーションの自動作業時間推定機能はそのように設計されています)。ただし、ここで(または、関連付けられているカスタム列で)値を手動で変更すると、他の作業時間値も変わります

タスクをスケジュールする

タスクインスペクタの「スケジュール」セクションでは、タスクが時間軸上のどこにいちするか(実際の時間と基準に対する時間の両方)を、他の時間的な制約やスケジュール上の優先度とともに指定できます。

タスクインスペクタの「スケジュール」セクション
  1. 実績」の開始日と終了日は、プロジェクトの実行期間において、タスクがいつ実際に発生するかを示します。これらは、間違った編集、依存関係による変更、および平準化の影響を受けないようにロックできます。

  2. 制約」は、タスクの開始が可能な最も早い日時、およびタスクの終了が可能な最も遅い日時を示します。下の日付フィールドを選択すると、右側にカレンダーアイコンが表示されます。そのアイコンをクリックするとミニカレンダーが表示されるので、そこで制約の日時を選択できます。

  3. 基準」の開始日と終了日は、最初のプランで設定した、タスクが開始および終了すべき日時です。これらの値は、プロジェクトで「基準を設定」コマンドを使用すると表示されます。

  4. 差異」には、実績の日付が基準の日付とどのくらい異なるかを示します。これは自動的に計算されるので、自分で入力する必要はありません。

  5. スケジュール」を使用して、タスクをできるだけ早くスケジュールするか(ASAP)、それともできるだけ遅くスケジュールするか(ALAP)を選択します。

  6. 平準化を行う際、「分割」が許可されている場合は、リソースの使用効率を最大化するためにタスクが複数の部分に分割される可能性があります。それ以外の場合、タスクは連続した期間としてスケジュールされます。

  7. 平準化」のコントロールを使用すると、タスクの優先度を設定できます。つまり、この設定により、平準化でタスクがリソースに割り当てられる順番が決まります。「遅延」は平準化プロセスで自動的に設定される値であり、リソースが利用可能になるのを待つためにタスクが延期されている期間を示します。

参考
ASAP と ALAP のスケジュールは、個々のタスクとプロジェクトレベルの両方に対して設定できます。これはまた、タスクまたはプロジェクトの「方向」設定として捉えることもできます。

開始日が定義されているほとんどのプロジェクトのタスクはできるだけ早くスケジュールされますが、個々のタスクは ALAP スケジュールに設定した方がよい場合もあります(たとえば、マーケティング作業によっては、製品開発ができるだけ充実してから開始した方がよい場合があります)。

タスクの依存関係を記述する

タスクインスペクタの「依存関係」セクションでは、選択されているタスクの、プロジェクト内の他のタスクとの関係を一目で確認できます。また、その場で依存関係を変更または削除することも可能です。

タスクインスペクタで依存関係をレビューする

先行タスク」セクションには、選択されているタスクを開始する前に完了しなければならないタスクが一覧されます。また、「依存タスク」セクションには、選択されているタスクが完了しないと開始できないタスクが一覧されます。

各タスクの行のポップアップメニューを使用すると、そのタスクと選択されているタスク間の依存関係のタイプを変更できます。また、タスクの右側にある「X」をクリックすると、そのタスクと選択されているタスクとの関係を完全に削除できます。

リソースの割り当てを編集する

タスクインスペクタの「割り当て」セクションでは、タスクに関連付けられているリソースを確認したり、リソースが貢献する作業時間量を変更したりできます。また、タスクから既存のリソースを削除することや、新しいリソースを追加することも可能です。

タスクインスペクタの「割り当て」セクション
  • 割り当てられているリソースの名前をダブルクリックすると、リソースビューが開き、リソースインスペクタでそのリソースが選択されます。

  • 「X%/X%」フィールドをダブルクリックすると、編集が可能な状態になり、選択されているタスクにあてられているリソースの作業時間の割合(パーセント)を変更できます。

  • リソースの横にある「X」をクリックすると、そのタスク割り当てが削除されます。

  • 下部のメニューでリソースを選択すると、そのリソースが 100% の作業時間でタスクに追加されます。

参考
リソースグループに含まれているリソースがタスクに割り当てられた場合は、そのグループもそのタスクに割り当てられます。ただし、これは実質的な割り当てではなく、単なる情報上の割り当てです。グループには作業時間の属性がなく、その割り当てを直接削除することはできません。このように表示されているリソースグループは、すべてのメンバーの割り当てがタスクから削除された時点で表示から消えます。

リソースの割り当て方法を指定する

タスクの作業に対してリソースを追加または削除すると、タスクインスペクタのこのセクションで指定した設定に基づいて、タスクが自動的に再スケジュールされます。

タスクインスペクタの「リソースの割り当て」セクション

リソースの割り当てを変更したときの動作として、以下のオプションがあります。

タスクの所要時間を調整
新しいリソースを追加すると、タスクを完了するのに利用できる作業時間が増えます。このオプションはその作業時間を使用することで、タスクが完了するまでの時間を短縮します。逆の場合も同様です。タスクからリソースを削除すると、その所要時間は増えます。
タスクの作業時間を調整
新しいリソースを追加すると、所要時間が維持されたまま、リソースの費やす作業時間がタスクを完了するのに必要な合計時間に追加されます。つまり、期間が固定された状態で稼働力が注ぎ込まれます。リソースを削除すると、最初に計画された時間内でタスクを完了するのに必要な作業時間が減ります。
割り当てられた量を調整
このオプションを使用すると、リソースの割り当てにかかわらず、所要時間作業時間がそのままに保たれます。その代り、新しいリソースが追加されると、各リソースの費やすべき作業時間がリソース間で均等になるように減ります(リソースが 1 つの場合、その貢献度は 100%、リソースが 2 つの場合は 50% ずつといった具合になります)。

また、このセクションでは、タスクに対して会議タスクタイプを指定できます。タスクが会議として指定されると、そのタスクは、割り当てられたすべてのリソースが利用可能な状態になるまでスケジュールされません。この機能はもちろん会議の場合に特に便利ですが、チームで同時に何かをしなければならないようなタスクであれば、どのようなタスクにでも使用できます。

リソースインスペクタ

リソースインスペクタには、現在選択されているリソースに関する情報があります。

リソースインスペクタ
  • リソース情報 — 利用可能な割合など、選択されているリソースに関する一般的な情報。

  • リソースの割り当て — このリソースが割り当てられているタスクのリスト。

リソース情報を編集する

リソースインスペクタの「リソース情報」セクションには、プロジェクトを完了するのに利用されるスタッフメンバー、装置、または原料に関する重要な情報がすべて含まれています。

タスクインスペクタの「リソース情報」セクション
  1. リソースの「名前」は、リソースアウトラインに表示されるものと同じです。

  2. スタッフリソースには、メールアドレスを割り当てることができます。リソースが連絡先カードに関連付けられている場合は、ドロップダウンメニューを使用して使用するアドレスを選択できます。または単にアドレスを入力します。

  3. ギア(歯車)のボタンをクリックすると、このリソースを連絡先カードに関連付けたり、連絡先のカードを開いたり、メールを送信したりできます。

  4. タイプ」では、リソースのタイプをスタッフ、設備、資材、またはグループに指定できます。

  5. ユニット」の値は、リソースの利用可能な割合を示します(資材の場合は、必要な量を意味します)。

  6. 効率」は、費やす合計時間に対する実際の作業時間の割合、つまり作業効率です。

  7. 開始」と「終了」の日付は、リソースが利用可能な期間を示します。

  8. コスト/使用回数」は、リソースがタスクに割り当てられるたびに支払われる金額です。

  9. コスト/時間」は、リソースが割り当てられた作業時間の時間あたりに対して支払われる金額です。

  10. 総使用回数」は、このリソースがタスクに割り当てられる回数です。

  11. 総作業時間」は、このリソースが割り当てられているすべてのタスクの作業時間合計です。

  12. 総コスト」は、このリソースのすべての使用に対するコストとすべての時間のコストを組み合わせた金額です。

参考
初めてギア(歯車)メニューを使用して連絡先との操作を行おうとしたときに、OmniPlan に連絡先へのアクセスを許可しなかった場合は、後で Apple のシステム環境設定から「セキュリティとプライバシー」▸「プライバシー」タブの順に選択してアクセスを許可できます。

Apple のシステム環境設定にある「セキュリティとプライバシー」の「プライバシー」タブ

リソースの割り当てをレビューする

リソースインスペクタの「割り当て」セクションでは、特定のリソースが割り当てられているすべてのタスク(複数のリソースが選択されている場合は、それらのリソースが重なって割り当てられているタスク)を一覧できます。

タスクインスペクタの「割り当て」セクション
  • 割り当てられているタスクの名前をダブルクリックすると、タスクビューが開き、タスクインスペクタでそのタスクが選択されます。

  • 「X%/X%」フィールドをダブルクリックすると、編集が可能な状態になり、選択されているタスクにあてられているリソースの作業時間の割合(パーセント)を変更できます。

  • タスクの横にある「X」をクリックすると、リソースの割り当てリストからそのタスクが削除されます。

スタイルインスペクタ

スタイルインスペクタは、現在の選択内容に影響する視覚的なスタイルに関するウインドウです。そこにあるツールを使えば、その場でこれらのスタイルを変更できます。この機能を使うと、特定のタスクや選択した項目の外観をすばやく変更できるので、とても便利です。また、見た目が今ひとつしっくりこない場合には、どのスタイルが影響しているのかを見極め、ワンクリックで修正することができます。

スタイルインスペクタ
  • 項目スタイル — 選択したタスクやリソースのスタイルをその場でカスタマイズできるツール、あるいは選択したタスクやリソースに名前付きスタイルを割り当てるためのツール。

  • スタイル属性 — 選択されている項目に割り当てられているスタイルのリストと、そのソース。

プロジェクト全体の視覚的なテーマを設定している場合は、スタイルビューで作業しているときのエディタとしてスタイルインスペクタを使用できます。

項目スタイルを適用する

プロジェクト全体を通して項目の集合体にスタイルを適用する場合にはスタイルビューを使用しますが、個々の項目に特別な名前付きスタイルを適用する場合は、その項目を選択し、ここにあるドロップダウンからスタイルを選択します。後でそのスタイルに変更を加えた場合は、プロジェクト内でそのスタイルを使用しているすべての箇所がその変更を反映するように更新されます。

スタイルインスペクタの「項目スタイル」

特別なロジックや更新されることなしにスタイルを適用したい場合は、「項目スタイル」にある他のコントロールを使用してアドホックなスタイルを適用できます。

  1. メインウインドウで、スタイルを適用したい項目、またはメモの一部を選択します。

  2. スタイルインスペクタの「項目スタイル」にあるコントロールを使用して、選択した項目にスタイルを適用します。

参考
アドホックなスタイルには、他のタイプのスタイルより高い優先度があります。ある項目にアドホックなスタイルを適用した場合、そのスタイルは名前付きスタイルや構造スタイルより優先されます。

スタイル属性をレビューする

スタイルインスペクタの「スタイル属性」セクションには、現在の選択内容に適用されているカスタムテキストスタイルに関する情報が表示されます。また、これらのスタイルをコピー(スタイルのアイコンをインスペクタから現在のビュー内の項目にドラッグ)したり、削除(インスペクタのスタイルの右側にある「X」をクリック)したりできます。また、スタイルが項目の集合体(タスクグループなど)に適用されているのか、個々の項目に適用されているのかも示され、それに応じて変更が適用されます。

スタイルインスペクタの属性

カスタムデータインスペクタ

カスタムデータインスペクタを使用して、プロジェクトに関する、または個々のタスクやリソースに関する独自の情報を保管できます。タスクやリソースを選択して、このインスペクタでカスタムデータを追加します。何も選択しないでカスタムデータを追加すると、そのデータはプロジェクト全体に追加されます。

カスタムデータはキー/値ペアの形式で保存されます。キーは保存する情報のタイプを表すラベルのようなもので、値は情報そのものです。

カスタムデータインスペクタを使用してリソースにカスタムデータを追加

たとえば、以下のようにしてスタッフメンバーの電話番号を管理できます。

  • リソースアウトラインでスタッフリソースを選択し、カスタムデータインスペクタを開きます。

  • インスペクタの下部にあるプラス記号のボタンをクリックして、新しいキー/値ペアを作成します。

  • キーに「電話番号」という名前を付けます。

  • 選択したリソースに対する値として番号を入力します。

これでこのリソースのキーが作成されました。他のすべてのリソースに同じキーがあり、値を入力することができます。

リソースアウトラインの列として表示されたカスタムデータ

カスタムデータは、「表示」▸「表示オプション」(Command-J)の順に選択して、タスクアウトラインやリソースアウトラインの列として、あるいはガントチャートやリソースタイムラインのラベルとして表示できます。

添付ファイルインスペクタ

添付ファイルインスペクタを使用して、プロジェクトに関連する、またはプロジェクト内の特定の項目に関連するファイルへの参照を保管できます。タスクやリソースを選択して、ファイルを添付します。何も選択しないでファイルを添付すると、そのファイルはプロジェクト全体に添付されます。

添付ファイルインスペクタを使用してリソースにファイルを添付

タスクアウトラインまたはリソースアウトラインでファイルを項目にリンクするには:

  1. 項目をクリックして選択します。

  2. 添付ファイルインスペクタで、添付ファイルリストの下にあるプラス記号のボタンをクリックし、表示されるダイアログでファイルを選択します。アウトラインに「添付ファイル」列を表示している場合は、矢印アイコンをクリックし、ポップアップメニューから「ファイルを添付」を選択して、ファイルを選択することもできます。あるいは、最も簡単な方法として、ファイルを添付ファイルリストにドラッグしてもかまいません。

  3. そのファイルがインスペクタの添付ファイルリストに表示されます。

ファイルをプロファイル自体に添付するには:

  1. メインビューで何も選択されていないことを確認します。

  2. 添付ファイルインスペクタで、添付ファイルリストの下にあるプラス記号のボタンをクリックし、表示されるダイアログでファイルを選択します。あるいは、ファイルを添付ファイルリストにドラッグしてもかまいません。

  3. そのファイルがインスペクタの添付ファイルリストに表示されます。

添付されているファイルを開くには、添付ファイルインスペクタでそのファイルを選択し、「開く」ボタンをクリックするか、アウトラインで項目の行にある「添付ファイル」列のポップアップメニューからそのファイルを選択します。

警告
添付ファイルはいずれもディスク上にあるファイルへの参照です。ファイルを移動すると、その参照は新しい場所を追跡しようとします。しかし、プロジェクトを別の人に送信したり、別のコンピュータに移動したりしても、その他のファイルは自動的にはついてきません。その場合は、OmniPlan ファイルとともにすべての添付ファイルを 1 つのフォルダに入れ、そのフォルダごと送信するようにします。

タスクアウトラインやリソースアウトラインで添付ファイルを列として表示するには、「表示」▸「表示オプション」(Command-J)を使用するか、アウトラインの列ヘッダを副ボタンでクリックし、コンテクストメニューから「添付ファイル」を選択します。

読み込みと書き出し

OmniPlan はスタンドアロンのアプリとして優れた機能を持っていますが、それだけではありません。プラットフォームを越えて顧客や同僚とコミュニケーションを図る必要がある場合、OmniPlan は他のアプリと相互に操作し合い、さまざまな方法でサービスを提供します。

他のフォーマットから読み込む

OmniPlan では、他の複数のアプリケーションで使用されているファイルフォーマットを認識できます。これらの形式のファイルを OmniPlan で開く際には、OmniPlan 書類を開くのと同じ要領で開くことができます。そのファイルは新しい OmniPlan 書類として読み込まれるため、その書類を編集または保存したり、書き出したりできます。

OmniPlan の .oplx ファイル(Pro の場合は .opld ダッシュボードファイル)以外のファイルを読み込む際には、「ファイル」▸「開く」(Command-O)の順に選択し、「開く」ダイアログで「認識できるファイル形式の読み込みを許可する」オプションが選択されていることを確認します。

「開く」ダイアログの「認識できるファイル形式の読み込みを許可する」オプションを選択

OmniPlan 3 では以下のファイルフォーマットを認識して読み込むことができます。

カンマ区切りファイル(.csv)とタブ区切りテキストファイル(.txt)

OmniPlan では、カンマ区切りまたはタブ区切りの標準テキストファイルを読み込むことができます。CSV ファイルのデータの書式を見るには、OmniPlan 書類を CSV ファイルとして書き出し、書き出したファイルをテキストエディタで開きます。タブ区切りファイルの書式は CSV ファイルに似ていますが、フィールドを区切るのにカンマではなくタブ文字が使用されています。

OmniOutliner 3(.oo3 および .ooutline)

OmniOutliner ファイルからタスクリストを読み込むことができます。列マッピングのダイアログが表示され、そこでどのアウトライン列をどのタスク情報フィールドに対応させるかを指定できます。アウトラインに複数の階層レベルがある場合は、タスクグループが作成されます。

OmniGraffle(.graffle)

OmniGraffle ダイアグラムからタスクリストを読み込むことができます。オブジェクトのタイトルがタスクタイトルとなり、接続線の階層によってタスクグループの階層が決まります。

他のフォーマットに書き出す

OmniPlan では、他のアプリケーションで使用できるようにファイルをいくつかのフォーマットに書き出すことができます。OmniPlan ファイルを書き出すには、「ファイル」▸「書き出す」(Option-Command-E)を選択します。書き出すと、新しいファイルが作成され、元の書類は画面上にそのまま残ります。ファイルフォーマットによっては、OmniPlan 書類の一部のアスペクトを提示できないものがあります。他のユーザと共同で作業する場合は、公開と照会の使用を検討してください。

フィルタが有効になっている状態でプロジェクトを書き出す場合は、プロジェクト全体を書き出すか、表示されている内容だけを書き出すかを指定できます。

OmniPlan 書類(.oplx)

もちろん、OmniPlan では独自のフォーマットへの書き出しが可能です。これは、フィルタリング機能を使用して特定の条件に一致するタスクの OmniPlan ファイルを新規に作成したい場合に便利です。その場合は、タスクをフィルタリングし、プロジェクトを書き出すときに「フィルタリングした内容のみ」オプションが選択されていることを確認してください。

プロジェクトを書き出すときに「フィルタリングした内容のみ」オプションを選択
OmniPlan 1(.omniplan)

古い最初のバージョンの OmniPlan ファイルを操作する必要がある場合には、プロファイル全体またはフィルタリングした内容だけの OmniPlan 3 ファイルを、OmniPlan 1 で作業できるフォーマットに書き出すことができます。

参考
現在の .oplx OmniPlan ファイルフォーマットは、以前の .omniplan フォーマットがサポートしていなかったいくつかの機能をサポートしています。OmniPlan 1 用に書き出すと、制約(指定した日時以降に開始、指定した日時以降に終了など)や公開/照会設定などの機能は失われます。

iCalendar(.ics)

これは、Apple iCal、Apple カレンダー、およびその他多くのカレンダーアプリケーションで使用されるカレンダーフォーマットです。タスクをカレンダーイベントとして書き出すか、それとも To-Do リストとして書き出すかを指定できます。カレンダーイベントとして書き出す場合は、各タスクをその期間にかかわらず単一のイベントにするか(1 つのタスクにつき 1 つのイベント)、タスクが稼働時間と非稼働時間にまたがっている場合はタスクを分割するか(1 つの稼働期間につき 1 つのイベント)も指定できます。

OmniPlan 3 の iCal ICS 書き出しオプション
カンマ区切り(.csv)

CSV は、多くのアプリケーションで読み込むことのできる一般的な標準テキストフォーマットです。

他のアプリケーションで CSV ファイル内の非 ASCII 文字(アクセント付き文字やローマ字以外の文字)を読み込めない場合は、他のエンコーディングオプションを使って書き出してみてください。一部のアプリケーションでは、この方法を用いることで正しいエンコードを検出し、文字を正しく解釈できる場合があります。

OmniPlan 3 の SCV 書き出し用エンコーディングオプション
イメージの書き出し(.png、.pdf、.tiff、.jpg)

タスクビューまたはリソースビューのうち、メインウインドウで開いている方のビューのイメージを書き出すことができます。「書き出し」パネルで、イメージにアウトライン、チャート、またはその両方を含めるかどうかを指定できます。

OmniPlan 3 のイメージ書き出し用のカスタマイズオプション
OmniOutliner 3(.oo3)

タスクアウトラインは、OmniPlan のタスクグループや列に対応する行階層とともに OmniOutliner 3 ファイルとして書き出されます(個のフォーマットは OmniOutliner 4 でも使用されます)。これらのタスクグループや列は OmniPlan のタスクビューに表示されるものです。次の図は、.oo フォーマットに書き出された OmniPlan プロジェクトを OmniOutliner 4 で開いた様子を示しています。

.oo フォーマットに書き出された OmniPlan プロジェクトを OmniOutliner 4 で表示
OmniGraffle

OmniGraffle への書き出しには、ダイアグラムのタイプやスタイルに応じていくつかのオプションがあります。

OmniGraffle ファイルフォーマットに書き出すときに使用できるオプション

以下のダイアグラムタイプに書き出すことができます。

  • WBS (作業分解図)

    タスクとグループはオブジェクトのツリーで表されます。このタイプのダイアグラムの接続線は、タスクアウトラインの階層を表します。依存関係リンク線は表されません。

  • AON ネットワーク図

    タスクは、依存関係リンク線でつながれたオブジェクトで表されます。ガントチャートでは所要時間が強調されますが、このタイプのチャートでは依存関係のパスが強調されます。

  • AOA ネットワーク図

    タスクはオブジェクト間の線として、また、タスクのタイトルと所要時間は各線上のラベルとして表されます。AON ネットワーク図と同様に、このタイプのダイアグラムでは依存関係が強調されます。

WBS(作業分解図)または AON ネットワーク図に書き出す際には、2 つのノードスタイル、つまりタスクを基本オブジェクト(タスク名を表示するのみ)として表すノードと(タスク名、割り当てられているリソース、開始日と終了日を表示)として表すノードのうちいずれかを選択できます。

OmniGraffle をお持ちの場合は、OmniPlan から書き出されたダイアグラムを編集したり、それにスタイルを適用したりできます。お持ちでない場合は、ライセンス不要の OmniGraffle(OmniGroup.com で入手可能)を使用してそれらのダイアグラムを表示またはプリントしたり、書き出したりできます。

Microsoft Project のサポート(Pro)

OmniPlan と Microsoft Project を組み合わせて使用する場合に備え、OmniPlan Pro は Project ファイルフォーマットの大多数に対し、書き出しと読み込みの両方をサポートしています。

Microsoft Project バージョン 2003 ~ 2013 で作成された Microsoft Project の .xml、.mpx、または .mpp ファイルフォーマットの書類は OmniPlan Pro で開くことができます。次の図は、OmniPlan で Microsoft Project ファイルを新たに開いたときの様子を示しています。

OmniPlan Pro で開いた Microsoft Project ファイル

書類内にエラーが表示された場合は、青い「読み込んだ書類」バーにある「問題を報告」を使用して弊社にその旨を報告できます。バーを閉じて作業に戻るには、「完了」をクリックします。

OmniPlan Pro では、よく使用される MS Project フォーマットを読み込めるほか、それらのフォーマットに書き出すこともできます。サポートされている Microsoft Project フォーマットは以下のとおりです。

Microsoft Project Exchange(MPX)

MPX は Microsoft Project 2002 およびそれ以前のバージョンで読み込むことのできる古い互換フォーマットで、Microsoft Project 98 およびそれ以前のバージョンで書き込むことができます。このフォーマットは Unicode 文字エンコード標準をまったくサポートしておらず、Microsoft Project MPP や XML フォーマットより信頼性が落ちます。

Extensible Markup Language(XML)と Microsoft Project Plan(MPP)

Microsoft Project 2003 ~ 2013 では、これらのフォーマットを読み込んだり、書き込んだりできます。MPP は、新しいバージョンの Microsoft Project との多くのやり取りで優先されるフォーマットです。一方、XML は他のアプリケーションとのやり取りに便利です。

参考
OmniPlan の Microsoft Project MPP 書き出し機能は更新され、弊社がサポートする最新の MPP フォーマット(Microsoft Project 2013 で使用)との互換性があります。OmniPlan で生成された MPP ファイルは古いバージョンの Microsoft Project でも開くことができますが、完全には読み込めない可能性があります。

古いバージョンの Microsoft Project では、OmniPlan で書き出されたより新しいファイルフォーマットをサポートするために、Microsoft からアップデートまたはコンバータをダウンロードするよう指示するメッセージが表示されることがあります。

Microsoft Project の読み込みと書き込みに関する注意事項

OmniPlan では、Microsoft Project 2013 までの .mpp フォーマットの Microsoft Project 書類をうまく処理でき、また、弊社はその互換性をさらに向上すべく日頃から努力しております。OmniPlan で Microsoft Project 書類を扱う際には以下の点に注意してください。

タスクグループへの割り当て

Microsoft Project では、リソースをタスクのグループに割り当てることができます。一方、OmniPlan の場合、リソースはグループそのものではなく、グループ内のすべてのタスクに割り当てられます。タスクグループへの割り当てを含む Microsoft Project 書類を読み込む際には、制約違反の列にその割り当てが読み込まれないことを知らせる警告メッセージが表示されます。

カスタム列

タスクビューやリソースビューのアウトラインにあるオプションの列の多くは Microsoft Project に存在せず、またその逆も言えます。したがって、これらの列は読み込み後/書き込み後のファイルに表示されす、また、それらの列に含まれているデータが読み込まれたり書き出されたりすることもありません。

効率

Microsoft Project は、OmniPlan のリソースに備わっている効率属性をサポートしていません。

スタイルの適用(書類、タスク、リソース)

Microsoft Project のフォーマットに書き出しても、OmniPlan の項目に適用したスタイルやにプロジェクト全体に適用したスタイルは書き出されません。

割り当ての非平等性

Microsoft Project では、1 つのタスクに複数のリソースを割り当てた場合、割り当てた各リソースが貢献する作業時間をそれぞれに指定できます。これを指定しなかった場合は、(スケジュールとリソースの割り当てユニットを考慮して)タスクが最も早く完了するように各リソースに作業時間が割り当てられます。一方、OmniPlan ではこの自動的な方法が常に使用されます。そのため、各リソースに作業時間が指定されたタスクは、OmniPlan に読み込まれたとき、最初に Microsoft Project で指定された作業時間とは異なる量の作業時間を持つ可能性があります。

Unicode 文字

Microsoft Project の MPX フォーマットは Unicode 文字エンコード標準をサポートしていません。そのため、プロジェクトに Unicode 文字(たとえば、いくつかの中国語テキスト)が含まれている場合は、MPX フォーマットではなく、新しいバージョンの Microsoft Project で XML または MPP フォーマットを使用してください。

レポート作成とプリント

OmniPlan では、プロジェクトを同僚や他の人々と共有する際にさまざまなフォーマットで書き出せるほか、パワフルでカスタマイズ可能なプリント機能を利用できます。また、OmniPlan Pro の場合は、新しいインターフェイスを使って美しいカスタムレポートを作成できます。

OmniPlan でプリントする

OmniPlan には、Mac OS X の標準のプリントダイアログから直接書類をプリントするための柔軟なオプションがあります。

OmniPlan のプリントオプションを表示するには、「ファイル」▸「プリント」(Command-P)の順に選択し、プリントダイアログのポップアップメニューから「詳細を表示」を選択します。

コンテンツ表示のための OmniPlan プリント時間オプション
  1. タスクビュー、リソースビュー、ネットワークビューのうち、現在メインウインドウで開いているビューをプリントできます。タスクビューとリソースビューでは、アウトライン、ガントチャート/リソースダイアグラム、またはその両方を選択できます。ネットワークビューにはアウトラインがないため、アウトラインの代わりにヘッダとフッタが表示されます。

  2. 寸法は、プロジェクトのサイズと、ここにあるパーセント値のフィールドで設定されたスケールに基づいて計算されます。幅または高さのどちらかを変更すると、もう一方の値も適宜変更されます。ここでの設定は、「ページ設定」ダイアログの「拡大縮小」設定より優先されます。ネットワークビューからプリントする際には、ヘッダとフッタのセクションにスケールのパーセント設定があります。

  3. アウトラインからプリントするときに、メモを表示されているとおりに含めるか、すべて展開された状態で含めるかを指定できます。タスクグループとリソースグループは、プロジェクトに表示されているとおり、すべて展開された状態、またはすべて折りたたまれた状態でプリントできます。

  4. 「切り抜き」設定を使用すると、プロパティの不要な部分を切り抜くことができます。ここにはプロパティの概要が表示されます。プリントする領域を定義するには、切り抜きボックスの左端または右端をドラッグしてボックスのサイズを変更するか、またはその中心をドラッグしてボックスを移動します。「出力範囲」および「~」フィールドに日付を入力した場合は、その範囲に一致するように切り抜きボックスが更新されます。

  5. プレビューには、プロジェクトがどのように紙面上にプリントされるかが示されます。ボタンを使用してページ間を移動することにより、スケールやレイアウトを確認できます。

  6. 目的に合わせてプリントオプションを設定したら、「プリセット」メニューを使用して現在の設定をプリセットとして保存できます。プリセットを現在選択されているプリンタに適用するか、それともすべてのプリンタに適用するかを指定したり、「プリセット」メニューの「プリセットを表示」から新しいプリセットやその他のプリセットを表示および編集したりできます。

  7. Mac OS X のプリントシステムを使用する他のアプリケーションと同様に、紙面上にプリントする代わりに PDF ファイルに ”出力” することも可能です。

OmniPlan 3 のプリントダイアログから新しいプリントプリセットを保存

参考
ネットワークビューからプリントする場合は、ビュー内のダイアグラムのスケールによって、プリントダイアログを通じてプリントされる最初のスケールが決まります。これを編集するには、プリントダイアログの「拡大縮小」コントロールを使うか、またはネットワークビューでスケールを変更します(ネットワークビューの右下にある(-)と(+)、または拡大縮小コントロールを使用して拡大縮小します)。

上記で説明したプリントダイアログのオプションに加え、OmniPlan は Mac OS X の標準ページ設定ダイアログをサポートしています。このダイアログにアクセスするには、「ファイル」メニューから「ページ設定」を選択します。ここで用紙サイズ、プリントの向き、書類のスケールを設定できます。この情報は書類と一緒に保存されます。

ヘッダとフッタをカスタマイズする

ヘッダとフッタは、「プリント」ダイアログの詳細ビューでドロップダウンメニューから「ヘッダ & フッタ」を選択することにより、プリントの目的でのみカスタマイズできます。

ヘッダとフッタのカスタマイズオプション
  1. このメニューを使用して、プリントした書類内のどこにカスタムのヘッダとフッタを表示するのかを指定できます。オプションには、マスターページ(別のページスタイルで上書きされない限り、プリントされるすべてのページに適用)、最初のページ、奇数ページ、偶数ページがあります。

  2. 拡大縮小」設定はネットワークビューからプリントするときに表示されます。この設定を使用して、書類をプリントするときの最初のサイズに対する拡大縮小率(パーセント値)を制御します。

    タスクビューやリソースビューからプリントする場合のスケールは、プリントダイアログのコンテンツの詳細にある「寸法」セクションで定義されます。

  3. カスタムのヘッダとフッタを更新すると、その変更はプリントプレビューに反映されるので、書類がどのように紙面上にプリントされるのかを見ることができます。

  4. ヘッダとフッタのセクションにはそれぞれカスタマイズ可能な 3 つのフィールド(左、右、中央)があります。ここにカスタムテキストを入力できます。

  5. 挿入」メニューを使用すると、書類から自動的に取得した情報をヘッダフィールドやフッタフィールドに追加できます。自動的に生成される属性には以下のものがあります。

    • ページ番号 — 他の設定に基づいてプリントが予定されているページ番号です。
    • プリント時刻 — 書類がプリントされるときの、コンピュータのクロックから得られた時刻です。
    • 最終変更 — 書類が最後に変更された日時です。
    • 絶対パス — コンピュータのファイルシステムにおける書類の場所です。
    • ページ数 — プリントされる書類の合計ページ数です。
    • プロジェクトのタイトル — プロジェクトの名前です。

参考
フィルタを使用しているときにプロジェクトをプリントすると、プリントされた紙面上には画面に表示されているタスクしか含まれません。

レポートウインドウを使用する(Pro)

OmniPlan 3 Pro には、プロジェクト用の新しいレポートテンプレートがいくつか用意されています。これらのテンプレートを使用すれば、きれいで読みやすいデータをプリントまたは書き出すことができます。

使用可能なテンプレートを使ってプロジェクトをプレビューするには、ツールバーの「レポート」ボタンを使用するか、「ファイル」▸「レポート」(Option-Command-R)を選択して新しい HTML レポートインターフェイスにアクセスします。レポートは、選択したテンプレートを使ってインターフェイスから直接書き出したり、プリントしたりできます。

OmniPlan Pro の「レポート」ウインドウ
  1. このドロップダウンメニューを使用して、プロパティのプリントまたは書き出しに使用したいテンプレートを選択します。

  2. 横方向にスワイプまたはスクロールして、現在のテンプレートで使用可能なレポートタイプをブラウズします。レポートのタイプはレポートの本文内にも表示されます。これにより、HTML フォーマットに書き出したとき、レポート内で移動できるようになります。

    使用可能なレポートタイプは以下のとおりです。

    • プロジェクトの概要 — プロジェクトの差異、達成度、コストをハイライトした、全体的なプロジェクトステータスのレポートです。
    • タスクレポート — タスクビューのアウトラインに表示されているような、プロジェクトタスクのステータスに関するレポートです。
    • リソースレポート — リソースビューのアウトラインに表示されているような、プロジェクトリソースのステータスに関するレポートです。
    • 達成額(BCWP)分析 — タスクビューのアウトラインに表示されているような、タスクの達成額(BCWP)に関するレポートです。
    • ガントチャート — タスクビューのガントチャートにおける現在のステータスを示すイメージベースのスナップショットです。
    • リソースタイムライン — リソースビューのタイムラインにおける現在のステータスを示すイメージベースのスナップショットです。
    • モンテカルロシミュレーション — プロジェクト内のマイルストーンのコストと完了日時に対する最良、最悪、および予期されるケースを推定したシミュレーション結果を含むレポートです。
  3. レポートを再読み込み」ボタンを使用すると、プロジェクトに対して行われた新しい変更に基づき、現在までのレポートを生成できます。

  4. 書き出し」ボタンを使用すると、プロジェクトレポート全体を書き出して PDF または HTML フォーマットのレポートを生成できます。HTML 詳細なレポートの内容については、以下で説明しています。

  5. プリント」ボタンを使用すると、Mac OS X の標準プリントダイアログのオプションを使用して現在選択されているレポートタイプをプリントできます。ここにはプリント出力を PDF ファイルとして保存するオプションもあります。

  6. これは、書き出し後のレポートがどのように見えるかを示した、レポートの HTML プレビューです。

「レポート」ウインドウの「書き出し」ダイアログで「HTML 詳細なレポート」オプションを選択した場合は、Finder でレポートの保存場所を選択できます。

レポートを HTML フォーマットで Finder に書き出した状態

保存時、HTML フォーマットの詳細なプロジェクトレポートを含むフォルダが作成されます。書き出しに使用したテンプレートに応じて、以下の項目が含まれることがあります(内蔵の「ビジネス」テンプレートには以下のすべてが含まれています)。

  • 「レポート」ウインドウでプレビューした各レポートタイプに対応する HTML ファイル(概要、タスクレポート、リソースレポート、達成額分析レポート、ガントチャート、リソースタイムライン、モンテカルロシミュレーション)。

  • プロジェクトのマイルストーンのリマインダーリスト(.ics フォーマット)とカレンダーイベントとしての各リソースのタスク(同じく .ics フォーマット)を含む、「calendars」という名前のフォルダ。

  • 各リソースのタスクのリマインダーチェックリストを含む「todos」という名前のフォルダ。

  • イメージアセットと、レポートの外観を記述した .css ファイルを含む「include」という名前のフォルダ。

参考
Apple のカレンダーイベントとリマインダーチェックリストは共に同じファイルフォーマット(.ics)を使用して書き出されるため、OS X にはそれらのファイルを区別するための機能があります。ファイルをダブルクリックすると、スケジュール済み項目の正しい追加先を指定するためのプロンプトが表示されます。

詳細なレポートを書き出したら、Safari で個々のページを開いてプリントしたり、カレンダーイベントやリマインダーをチームに送信したりできます。また、CSS や HTML を編集してプロジェクトのステータスを伝えるための美しい書類に仕上げることができます。

レポートテンプレートをカスタマイズする(Pro)

HTML や CSS に関する知識をお持ちの場合は、プリントや書き出し用の独自の HTML テンプレートを作成できます。それでは、以下の簡単な手順に従ってカスタムテンプレートを作成してみましょう。

  1. まずOmniPlan 環境設定の「HTML」パネルにアクセスします。

  2. 新しいテンプレートを作成するには、既存のテンプレートを選択し、リストの下にあるギア(歯車)メニューから「コピーを編集」を選択します。

  3. テンプレートの名前を入力し、それを便利な場所に保存します。

  4. 新しいテンプレートが Finder に開きます。これはフォルダであり、その中には自由にカスタマイズできる HTML ファイルや CSS ファイルが含まれています。

既存のテンプレートからカスタムの HTML テンプレートを作成

参考
OS X のセキュリティ上の変更のため、OmniPlan バージョン 2.3 またはそれ以前のバージョンで作成された HTML テンプレートは自動的に別の場所に移され、直接編集することはできません。移行されたテンプレートの内容を変更するには、そのテンプレートを選択し、ギア(歯車)メニューから「コピーを編集」を選択します。

テンプレートを希望どおりに設定したら、そのテンプレートを「HTML」環境設定から操作することで、「レポート」ウインドウでプリントおよび書き出し用のテンプレートとして選択できるようになります。

「HTML」環境設定で管理できるカスタム HTML テンプレート

カスタムテンプレートのトークン

HTML レポートテンプレートでは、プロジェクトからのデータを挿入するために特別な構文が使用されます。お好きなテキストエディタで HTML ファイルの 1 つを開いてみてください。以下に示すような OmniPlan トークンがところどころに挿入された標準の XHTML が表示されます。

{@トークン名@}

これらのトークンは、プロジェクト全体に関するデータのプレースホルダです。テンプレートを使用して OmniPlan ファイルを書き出す際、各トークンはそれぞれトークン名に対応するデータに置き換えられます。

以下、使用可能なさまざまなトークンについて説明します。

プロジェクトトークン

  • {@Date@} — 書き出しの日付。

  • {@Version@} — レポートの書き出しに使用された OmniPlan のバージョン。

  • {@Project Title@} — プロジェクトインスペクタの「プロジェクト情報」セクションで設定されているプロジェクトのタイトル。

  • {@StartDate@}、{@EndDate@} — プロジェクトの開始日と終了日。

  • {@StartTime@}、{@EndTime@} — プロジェクトの開始時刻と終了時刻。

  • {@Duration@} — プロジェクト全体の所要時間。

  • {@Completion@} — すべてのタスクから計算された、プロジェクト全体に対する達成率。

  • {@Cost@} — プロジェクト全体のコスト。

  • {@ResourceData@} — これは表の tr レベルに配置します。これにより、各リソースに対して 3 つのセルからなる行が作成され、そこにリソース名、リソースの割り当てがイベントとして含まれている iCalendar ファイルへのリンク、およびリソースの割り当てが To-Do 項目として含まれている iCalendar ファイルへのリンクが含まれます。

  • {@ProjectCalendarLink@} — プロジェクトマイルストーンカレンダーへのリンク(マイルストーンがある場合)。

スタイルシートトークン

  • {@ApplyStyleSheet include/style.css@} — スタイルシートへのパスを指定することにより、CSS スタイルシートがページに適用されます。書き出しが実行されると、このトークンは以下のいずれかに置き換えられます。

詳細な HTML レポートを書き出す場合は、外部ファイルとしてのスタイルシートへのリンク。これにより、書き出されたすべての HTML ファイルが同じスタイルシートにリンクされます。

<link rel="stylesheet" href="include/style.css"type="text/css" />

HTML ページ(タスクリストまたはリソースリスト)を 1 つだけ書き出す場合は、埋め込み型のスタイルシートのコピー。これにより、すべてのものが 1 つの HTML ファイルに含まれます。

<style type="text/css"> [...] </style>

ループトークン

これらのトークンは、HTML または XML の開始/終了タグのように機能します。書き出しが実行されると、OmniPlan は開始トークンと終了トークンの間を循環し、各タスクまたはリソースに関するデータを挿入していきます。割り当てループは、そこにリストされるタスクが特定のリソースに割り当てられるようにするため、リソースループの中に入れる必要があります。終了トークンを含めたこと、およびタスク固有またはリソース固有のトークンが適切なループトークン内にあることを確認してください。

  • {@Tasks@} と {@/Tasks@} — 書き出し内のすべてのタスクをリストします。このループ内では、タスク固有のトークンを使用できます。

  • {@Resources@} と {@/Resources@} — プロジェクト内のすべてのリソースをリストします。このループ内では、リソース固有のトークンと割り当てループを使用できます。

  • {@Assignments@} と {@/Assignments@} — リソースに割り当てられたすべてのタスクをリストします。これを使用できるのはリソースループ内のみです。このループ内では、タスク固有のトークンを使用できます。

ヒント
テンプレートには、リソースループから {@Assignments@}{@/Assignments@} セクションを削除できる便利なオプションがあります。{@Resources@} は各リソースを提供し、{@Assignments@} は現在のリソースの各割り当てを提供します。{@Assignments@} を省略すると、リソースのようやく情報だけが残ります。この例については、内蔵の「プリンタフレンドリー」テンプレートの目次ページをご覧ください。

タスク用のトークン

これらのトークンはタスクループ内、またはリソースの割り当てループ内で使用できます。

  • {@ID@} — アウトラインでのタスクの番号。

  • {@Title@} — タスク名。

  • {@Start@}、{@End@} — タスクの実際の開始日時と終了日時。

  • {@Time@} — タスクの所要時間。

  • {@Effort@} — タスクの作業時間値。

  • {@%Done@} — タスクの達成率。

  • {@Dependencies@} — タスクの依存関係のリスト。フォーマットはタスクアウトラインの「依存関係」列で使われているのと同じです。

  • {@Cost@} — タスクそのもののコスト。

  • {@Resources Cost@} — 割り当てられたリソースのコスト。

  • {@Total Cost@} — タスクと割り当てられたリソースのコスト。

  • {@Assigned@} — 割り当てられたリソースのリスト。

  • {@Planned Start@}、{@Planned End@} — タスクの基準の開始日時と終了日時。

  • {@Start Variance@}、{@End Variance@} — タスクの開始と終了に対する、基準と実績の時間の差異。

  • {@Constraint Start@}、{@Constraint End@} — タスクの開始日時と終了日時に関する制約(存在する場合)。

  • {@Notes@} — タスクのメモのテキスト(存在する場合)。

  • {@Priority@} — タスクアウトラインの列と同様で、タスクの優先度。

  • {@Status@} — タスクアウトラインの列と同様で、タスクの期限や期限超過の状態を表すテキスト。

  • {@Violations@} — このタスクに関係する制約違反の数。

  • *カスタムデータキー — カスタムデータキーの名前とまったく同じトークンを含めると、そのトークンは該当タスクに対するそのキーの値に変換されます。たとえば、タスクに「場所」キーがある場合は、テンプレートで {@場所@} トークンを使用できます。

リソース用のトークン

これらのトークンはリソースループ内で使用できます。

  • {@Resource@} — リソース名。

  • {@Start@}、{@End@} — リソースの最も早い割り当ての実際の開始日時、またはリソースの最も遅い割り当ての終了日時。

  • {@Time@} — リソースに割り当てられているすべてのタスクの合計所要時間。

  • {@%Done@} — リソースに割り当てられているすべてのタスクの達成率。

  • {@Resources Cost@} — このリソースをそのタスクに割り当てる上でかかる合計コスト。

  • {@Resource Type@} — リソースのタイプ(スタッフ、設備、資材、またはグループ)。

  • {@#@} — リソースの "合計ユニット数" の値。

  • {@Notes@} — リソースのメモのテキスト(存在する場合)。

  • {@Efficiency@} — リソースの効率値。

  • {@Cost/Use@}、{@Cost/Hour@} — リソースインスペクタの「リソース情報」セクションで定義されている、使用あたりのコストと時間当たりのコスト。

  • {@Total Uses@}、{@Total Hours@} — リソースに対する、割り当ての合計数、または割り当てられた作業時間の合計量。

  • {@ResourceCalendarLink@} — リソースに割り当てられたタスクがイベントとして含まれている iCalendar ファイルへのリンク(リソースにタスクが割り当てられている場合)。

  • {@ResourceToDoLink@} — リソースに割り当てられたタスクが To-Do 項目として含まれている iCalendar ファイルへのリンク(リソースにタスクが割り当てられている場合)。

  • カスタムデータキー — カスタムデータキーの名前とまったく同じトークンを含めると、そのトークンは該当リソースに対するそのキーの値に変換されます。たとえば、リソースに「電話番号」キーがある場合は、テンプレートで {@電話番号@} トークンを使用できます。

パストークン

これらのトークンは、HTML 書き出し内の特定のページへのパスを提供します。これらのトークンを使用してページ間のリンクを作成できます。例:

<a href="file:{@TaskReportPath@}">

  • {@TaskReportPath@} — この HTML 書き出しのタスクレポートページへのファイルパス。

  • {@ResourceReportPath@} — この HTML 書き出しのリソースレポートページへのファイルパス。

  • {@ResourceTimelinePath@} — この HTML 書き出しのリソースタイムラインイメージへのファイルパス。

  • {@GanttChartPath@} — この HTML 書き出しのガントチャートイメージへのファイルパス。

  • {@ProjectCalendarPath@} — この HTML 書き出しのプロジェクトマイルストーンカレンダーへのファイルパス。

達成額分析トークン

これらのトークンは、タスクビューのアウトラインで使われている、達成額分析機能による列に対応しています。

  • {@ev_budgetedCostOfWorkScheduled@} — スケジュールされた作業の予算コスト。タスクアウトラインの「計画金額」列を表します。

  • {@ev_budgetedCostOfWorkPerformed@} — 実行された作業の予算コスト。タスクアウトラインの「達成額」列を表します。

  • {@ev_actualCostOfWorkPerformed@} — 実行された作業の実際原価。タスクアウトラインの「実際原価」列を表します。

  • {@ev_costVariance@} — 達成額と実際原価間の原価の差異。タスクアウトラインの「原価の差異」列を表します。

  • {@ev_scheduleVariance@} — 計画金額からの隔たり(通貨)。タスクアウトラインの「スケジュール差異」列を表します。

  • {@ev_estimateAtCompletion@} — 完了時コスト予測。タスクアウトラインの「完了時コスト予測」列を表します。

  • {@ev_budgetedAtCompletion@} — 基準計画コスト。タスクアウトラインの「基準計画コスト」列を表します。

  • {@ev_varianceAtCompletion@} — 完了時コスト差異。タスクアウトラインの「完了時コスト差異」列を表します。

  • {@ev_costPerformanceIndex@} — コスト効率指数。 タスクアウトラインの「コスト効率指数」列を表します。

  • {@ev_schedulePerformanceIndex@} — スケジュール効率指数。 タスクアウトラインの「スケジュール効率指数」列を表します。

  • {@ev_costVariancePercent@} — 原価の差異パーセント。タスクアウトラインの「原価の差異 %」列を表します。

  • {@ev_scheduleVariancePercent@} — スケジュール差異パーセント。タスクアウトラインの「スケジュール差異 %」列を表します。

  • {@ev_toCompletePerformanceIndex@} — "残作業効率" 指数(TCPI)。 タスクアウトラインの「残作業効率指数」列を表します。

モンテカルロシミュレーショントークン

これらのトークンは、マイルストーン完了を予測するためにモンテカルロシミュレーションの計算で使用される値に対応しています。トークン自体は、シミュレーションを実行するのではなく、プロジェクトに対して最近計算された結果を使用します。

  • {@Milestones@} と {@/Milestones@} — プロジェクト内の各マイルストーンについてテンプレートを繰り返します。

  • {@chainCost@} — このタスクまたはマイストーンまでの先行タスクチェーン全体のコスト。

  • {@mc_minimumCost@} — 任意のモンテカルロシミュレーション実行に対する最低のチェーンコスト。

  • {@mc_averageCost@} — すべてのモンテカルロシミュレーション実行に対する平均のチェーンコスト。

  • {@mc_maximumCost@} — 任意のモンテカルロシミュレーション実行に対する最高のチェーンコスト。

  • {@mc_earliestCompletion@} — 任意のモンテカルロシミュレーション実行に対する最も早い完了日。

  • {@mc_fiftyPercentCompletion@} — 50% 以上のシミュレーションが完了した日付。

  • {@mc_latestCompletion@} — 任意のモンテカルロシミュレーション実行に対する遅い早い完了日。

OmniPlan の環境設定

OmniPlan の環境設定には、OmniPlan を操作したり、ユーザのニーズに合わせてその表示や動作をカスタマイズしたりするためのさまざまな便利な設定オプションがあります。環境設定へは、「OmniPlan」メニューから、またはキーボードショートカット((Command-,))を使ってアプリ内でアクセスできます。

一般環境設定

最初の OmniPlan 環境設定パネルには、ユーザのキーボードナビゲーション方法に合わせて Tab キーや Return キーの機能をカスタマイズするためのオプションがあります。

「一般環境設定」パネル

Tab キーを押したとき — 以下のいずれかのことを行うように Tab キーを設定できます。

  1. アウトラインで現在選択されている項目をインデントします。これにより、その項目はすぐ上の項目の子となります。Shift-Tab キーを押すと、選択されている項目のインデントが解除されます。

  2. アウトライン内の次のセルに移動します。Shift-Tab キーを押すと、前のセルに移動します。

どちらのオプションを選択するにしても、「構成」メニューの「インデント」コマンドや「インデント解除」コマンド(デフォルトのキーボードショートカットはそれぞれ Command-[Command-])はいつでも機能します。

また、Option-Tab キーを押すことにより、いつでも挿入ポイントにタブ文字を入力できます。

セルを選択中に Return キーを押した場合、新規行を作成する — アウトラインでセルの内容を編集し終わったときには、Return キーを押すと編集が終了します。このオプションが選択されている場合は、新しい項目が作成されます。それ以外の場合は、編集が終わるだけで、現在の項目が選択されます。

このオプションが選択されているかどうかにかかわらず、セルを編集しているとき以外に Return キーを押した場合は、常に新しい項目が作成されます。

Command キーを押した状態で Return キーを押すと、設定を一時的に変更できます。たとえば、この設定が選択されていなくても、Command-Return キーを押せば、編集を終え、新しい項目を作成できます。

表示環境設定

2 番目の環境設定ペインは表示環境設定であり、ここで OmniPlan 全体の日時の表示を制御できます。

「表示環境設定」パネル
  1. OmniPlan で週の最初の日とみなす曜日を指定します。

  2. 会計年度を有効にし、その開始と終了を指定します。会計年度を使用すると、四半期(四半期 1、四半期 2 など)の計算方法やガントチャートの日付ヘッダでの表示方法が変わります。

  3. このポップアップメニューにより、下で編集することになるチャートヘッダのスケールが決まります。このズームスケールに応じて、ガントチャート、リソースタイムライン、および週間稼働時間チャートのヘッダに異なるスケールが表示されます

  4. プラス記号のボタンをクリックすると、現在のスケールに概要ヘッダを追加できます。これにより、ガントチャートとリソースタイムラインの通常のヘッダの上に別の日付ヘッダ層が表示されます。この追加のヘッダ層は表示範囲が広く、たとえば日付の上に週、または週の上に月を表示することができます。概要ヘッダの書式は通常の日付ヘッダの書式と同じ要領でカスタマイズできます。つまり、下のボックスからトークンをドラッグするか、またはフィールド内に直接入力します。概要ヘッダを削除するには、フィールドの右にあるマイナス記号のボタンをクリックするだけです。

  5. ここで日付の書式を指定できます。下のボックスからトークンをドラッグするか、または自分の好きなようにスペースや文字を入力できます。トークンの中には、週や四半期の開始日や終了日に関する情報を提示するものがあります。これにより、たとえば週の最初の日と最後の日を示す週の書式を作成できます。この図では、月名とその後に日付を表示する書式が指定されています。

  6. トークンは、日付の書式を構成するために、上の書式フィールドにドラッグできます。トークンの右側にある三角形をクリックすると、トークンの表示を変更できます。たとえば、このトークンは月を表しています。月名を数字と漢字(1 月)、2 桁の数字(01)、1 桁の数字(1)で表すように指定できます。

ガントチャートの日スケールに概要ヘッダを追加

テンプレート環境設定

テンプレートとは、新しいプロジェクトの出発点として使えるように準備されたファイルのことです。たとえば、毎回のプロジェクトで使用する特定のリソース、一般的なタスク構造、自分の好きな特定の名前付きスタイル、会社の標準的な稼働時間などです。これらの事項をすべてまとめて設定し、その後、そのテンプレートから新しい書類を作成できます。

「テンプレート環境設定」パネルには、新しい書類の土台として使用できるテンプレートのリストがあります。このアプリケーションには 2 つのテンプレート(空白のプランと、自動平準化が有効になったプラン)がデフォルトで備わっています。また、「ファイル」メニューから「テンプレートとして保存」を選択すれば、現在開いているプランから独自のテンプレートを作成できます。

「テンプレート環境設定」パネル

使用可能なテンプレートのリストを編集するには、書類リストの下にあるギア(歯車)を使用します。特定のテンプレートに新規のプロジェクトファイルによく使う設定が含まれている場合は、そのテンプレートをデフォルトに指定できます。それ以外の場合は、「ファイル」メニューから「テンプレートから新規作成」を選択して、さまざまなテンプレートの中から新規プロジェクトを作成できます。

リストの下のギア(歯車)メニューから以下の操作を行うことができます。

  • 編集:選択したテンプレートを変更します。リスト内でテンプレートの名前をダブルクリックしてもかまいません。変更を保存すると、テンプレートが更新されます。

  • コピーを編集:選択したテンプレートの別のバージョンを作成します。このコマンドを選択し、新しいテンプレートのタイトルを入力します。その後、書類を変更し、通常通りに保存します。

  • デフォルトに設定:今後「ファイル」▸「新規」コマンドを使って新規書類を作成するときに、選択したテンプレートを使用します。リスト内で、このテンプレートのタイトルがボールドで表示されます。

  • 名前を変更:選択したテンプレートのタイトルを変更できます。

  • ゴミ箱に移動:選択したテンプレートをリストから削除し、ゴミ箱に入れます。必要であれば、そこからテンプレートを回復させることも可能です。そうでない場合は、次回ゴミ箱を空にしたときに削除されます。

参考
特別に設定されたタスクを同じプロジェクト内で何度も使用したい場合は、複製したいタスクを選択し、「プロジェクト」▸「新規タスクのデフォルトに設定」を選択することにより、その場でそのタスクをテンプレートにすることができます。そすれば、その後で作成する新しいタスクには、選択したタスクの設定が適用されるようになります。

テンプレートを作成する

「ファイル」▸「新規」を使って、通常どおりに新規書類を作成します。

その書類をお好きなように設定します。内容、プロジェクトインスペクタの状態、表示オプションなど、その書類に関するすべてのものをテンプレートに保存できます。

書類の準備が整ったら、「ファイル」▸「テンプレートとして保存」を選択します。

書類をテンプレートとして保存

テンプレートの名前を入力し、その名前を確定します。

「ファイル」▸「新規」を使って書類を作成するとき、その新しい書類はデフォルトのテンプレートに従います。別のテンプレートを使用する場合は、代わりに「ファイル」▸「テンプレートから新規作成」を使用します。

テンプレートから新規書類を作成

HTML 環境設定(Pro)

OmniPlan Pro では、「レポート」ウインドウからのプリントや OmniPlan ファイルの HTML 書き出しは、一連の HTML ファイルや CSS ファイルに依存します。これらのファイルはテンプレートを形成し、それによって出力後の書類の見た目が決まります。HTML 環境設定には使用可能な書き出し用テンプレートが一覧されるほか、新しいテンプレートを作成するためのツールも使用されます。

「HTML 環境設定」パネル

このアプリには優れたテンプレートがいくつか備わっていますが、プリント時または書き出し時にプロジェクトの外観やプレゼンテーションをカスタマイズしたい場合は、このパネルのギア(歯車)メニューを通じて HTML テンプレートの新規コピーを作成し、そのコピーを指定のフォルダに保存した後、ニーズに合わせて HTML ファイルや CSS ファイルを編集できます。

テンプレートを OmniPlan のカスタムデータタイプと統合するには、トークンが用いられます。独自のカスタムレポートテンプレートを設定する方法については、「レポート作成とプリント」章の「レポートテンプレートをカスタマイズする(Pro)」セクション、ならびに OmniPlan から特定のデータを取得するためのトークンのリファレンスリストを参照してください。

アカウント 環境設定(Pro)

複数のユーザが 1 つの OmniPlan プロジェクトを編集する場合は、OmniPlan Pro でプロジェクトをサーバリポジトリに保存することで、全員が同じページにアクセスできるようになります。「アカウント環境設定」パネルでは、そのサーバアカウントを設定します。

OmniPlan 3 for Mac の環境設定で同期アカウントを作成

OmniPlan はオープン WebDAV 標準をサポートしているほか、共有プロジェクトを公開/照会するための推奨オプションとして Omni Sync Server を提供しています。同期のクイックスタートガイドについては、このマニュアルの「複数のユーザとともに共同作業する」セクションを参照してください。

ヒント
OmniPlan for iOS でサポートされている同期方法は公開/照会だけです。したがって、同期操作がワークフローの重要な位置を占めている場合は、ぜひこの機能についてご確認ください。

更新環境設定

OmniPlan はインターネット接続を自動的に使用して新しい更新バージョンの有無を確認します。このオプションにアクセスするには、「OmniPlan」メニューから「環境設定」を選択し、「更新」をクリックします。

「更新環境設定」パネル

アップデートを確認」チェックボックスを入にした場合は、新しいバージョンの OmniPlan が入手可能になったときに通知を受け取ることができます。「今すぐ確認」ボタンをクリックすると、その場で最新バージョンを探すことができます。

The Omni Group に匿名でシステム情報を送信する」チェックボックスを入にすると、アップデートの有無を確認するときにお使いのコンピュータの構成に関する情報が自発的に送信されるようになります。弊社が収集する情報の種類、およびその用途について詳しくは、環境設定パネルの「送信される情報の...」リンクをクリックしてください。

用語集

この用語集は、このマニュアルで使われている OmniPlan またはプロジェクト管理に関連する用語の定義を五十音順にまとめたものです。

T 日
開始日がまだ決まっていないプロジェクトの初日。開始日が設定されるまで、すべての日付は T 日に経過時間を加えた形式で表されます(例、T+2w 1d)。
依存関係
あるタスクが開始または終了する前に別のタスクが開始または終了しなければならないという関係。たとえば、”ペンキを買う” が終わらないと ”フェンスにペンキを塗る” を始めることはできません。
グループはそのメンバーすべての ”親” とみなされます。これはアウトラインソフトウェアでよく使われる用語です。
カスタムデータ
ユーザ独自の目的で任意のプロジェクト、タスク、またはリソースに添付できるデータ。
カレンダービュー
メインウインドウのモードで、個々のリソースまたはプロジェクト全体の稼働時間や稼働スケジュールの例外を設定できます。このビューの左側にはリソースアウトラインの複製、右側には緑の時間ブロックを伴う週ビューが表示されます。
ガントチャート
ガントチャートはプロジェクトを時間の経過に沿って表したもので、OmniPlan ではタスクビューの右側に表示されます。各タスクはそれぞれバーで表され、タスクアウトラインの行に対応しています。また、依存関係を表す線を用いて他のタスクにつなげることもできます。バーの水平方向のサイズと位置は、そのタスクが展開される所要時間とスケジュールを示します。
基準スケジュール
基準スケジュールは、実績スケジュールとは逆に、最初に計画されたプロジェクトの状態を表したものです。プロジェクトの基準を設定する前であれば、基準スケジュールと実績スケジュールは同じものです。基準を設定した後は、編集作業によって実績スケジュールだけが変更されます。基準スケジュールと実績スケジュールを比較するには、ガントチャートの分割または両方の表示モードを使用します。
クリティカルパス
クリティカルパスは互いに依存する一連のタスクであり、それらの所要時間が変わった場合には、プロジェクト全体の所要時間が変わります。クリティカルパスは、「表示」メニューまたはツールバーの「クリティカルパス」ボタンから確認できます。クリティカルパスは個々のマイルストーンおよびプロジェクト期間全体に対して図示できます。マイルストーンに対するクリティカルパスの表示と非表示は、マイルストーンインスペクタのチェックボックスを使って切り替えることができます。
グループ
タスクアウトラインまたはリソースアウトラインの項目は、グループにまとめることができます。アウトラインでは、グループから少しインデントされた状態でメンバー、つまりそのグループの ”子” が表示されます。ガントチャートでは、タスクグループによってそのメンバーが 1 つにまとめられます。
グループのメンバーはそのグループの「子」とみなされます。アウトラインソフトウェアでよく用いられる用語です。
公開
あるプロジェクトがその内容に関する情報を公開すると、そのプロジェクトに割り当てられているリソースの状態が共有サーバリポジトリ内の他のプロジェクトに伝えられます。1 つのリソースが複数のプロジェクトで共有されている場合(メールアドレスで識別)は、リポジトリを照会しているプロジェクト間で平準化を行うときに、公開しているすべてのプロジェクトにおけるそのリソースの負荷が考慮されます。
項目
タスクアウトラインまたはリソースアウトラインでの 1 行。どちらのアウトラインでも、インデント/インデント解除や展開/折りたたむなどの一般的なアウトラインコマンドを使用できます。
効率
特定の時間内にリソースがどのくらいの作業をこなせるかを示す手段。効率は所要時間や作業時間に影響することがあります。たとえば、100% の効率とは、あるリソースが 1 時間につき 1 時間の作業時間を費やすことができることであり、50% の効率とは、あるリソースが 2 時間につき 1 時間の作業時間を費やすことができることを意味します。
コスト
タスクやリソースは貨幣原価を持つことがあります。タスクの総コストは、タスクのコストと、そのタスクに割り当てられたリソースのコストとの合計です。リソースには、使用あたりのコストと時間あたりのコストがあります。
差異
差異とは、実績日付と基準日付の差を表す時間量のことです。
作業時間
作業時間とは、所要時間とは異なり、タスクに割り当てられたすべてのリソースを考慮した上で、そのタスクを完了するのにかかる時間のことです。たとえば、所要時間が 4 時間のタスク に 2 人のリソースが割り当てられている場合、その作業時間は 8 時間となります。タスクにリソースを割り当てると、所要時間または作業時間が変わることがあります。
資材
資材はリソースの一種であり、消耗品を表します。

資材リソースの場合、”ユニット数”はプロジェクトを通して使用されるリソースの数を意味します。この値は、そのリソースが別のタスクに割り当てられるたびに更新されます。

資材リソースは、使用あたりのコストや時間あたりのコストの値を持つことがあります。

実績スケジュール
実績スケジュールは、基準スケジュールとは逆に、現実におけるプロジェクトの状態を表したものです。プロジェクトの基準を設定する前であれば、基準スケジュールと実績スケジュールは同じものです。基準を設定した後は、編集作業によって実績スケジュールだけが変更されます。
準備期間
準備期間とは、関与する 2 つの時期間に特定量の時間が必要であることを示すために、依存関係として指定できる所要時間のことです。たとえば、1 日の準備期間がある「開始→開始」依存関係は、最初のタスクが開始された後、1 日経ってから 2 番目のタスクの開始が可能になることを意味します。

準備期間は負の数になることもります。たとえば、–2 時間の準備期間がある「終了→開始」依存関係は、最初のタスクが完了する 2 時間前から 2 番目のタスクの開始が可能であることを意味します。

準備期間を設定するには、タスクアウトラインにある「依存関係」列の依存関係コードの末尾に、またはタスクの依存関係インスペクタで、期間(+3w や –2d4h など)を入力します。

また、準備期間は先行タスクにかかる所要時間のパーセントとして表されることもあります。たとえば、直後のタスクと同じ長さの準備期間を設定する場合は「100%」と入力できます。

照会
プロジェクトが共有サーバリポジトリを照会すると、他のプロジェクトによって公開されているリソース負荷データを考慮できるようになります。負荷を平準化するとき、照会プロジェクトは公開プロジェクトから受け取った使用状況情報に基づいてリソースを調整できます。
所要時間
所要時間とは、作業時間とは対照的に、タスクを完了するのにかかる正味の作業時間(つまり、休み時間は含まない)のことです。たとえば、4 時間の作業時間を必要とするタスクを 2 人のリソースに割り当てた場合、所要時間は 2 時間となります。タスクにリソースを割り当てると、所要時間または作業時間が変わることがあります。
スタッフ
スタッフはリソースの一種であり、プロジェクトで作業する人々を表します。

スタッフのユニット数はパーセントで表されます。プロジェクトに対して完全に空きがある人のユニット数は 100%、一部の作業時間を他のプロジェクトに費やす人のユニット数はそれより低くなります。これは、作業時間数を減らすこと(カレンダービューで設定)、または効率を下げること(リソースインスペクタの「リソース情報」セクションで設定)とは異なります。

スタッフは、住所、効率、使用あたりのコスト、時間あたりのコストの値を持つことがあります。

スラック
プロジェクト管理用語であるスラックフロートとも呼ばれ、あるタスクを延期できる(つまり、延期しても、そのタスクの完了時期がその後に来る依存タスクの開始に問題を与えない)期間を指します。空きスラックとは、ある 1 つのタスクとその後続のタスクに固有のスラックのこと、合計スラックとはプロジェクト内のすべての空きスラックを合計したものです。どちらの値もタスクビューの列として表示できます。
制約違反
制約違反とは、プロジェクトが正しく機能しなくなる原因となる、何らかの問題のことです。たとえば、タスクがプロジェクトの開始日より前に始まる、十分な時間がないためにタスクを完了できず、それに依存するタスクを開始できない、あるいは依存関係が原因で、あるタスクがそれ自身の必要条件となってしまう、といった問題です。
設備
設備はリソースの一種であり、特別なコンピュータハードウェアなど、ある種の再使用可能な資産を意味します。また、会議室などを ”設備” として考慮すれば、複数のタスク間でその使用のバランスをとることができます。

設備リソースの場合、”ユニット数” は使用可能なリソースの数を表します。使用可能なユニットの数はリソースの平準化に影響します。

装置は、効率使用あたりのコスト時間あたりのコストの値を持つことがあります。

タスク
プロジェクトを進めるために遂行しなくてはならない作業の項目。タスクは、タスクアウトラインでは行として、ガントチャートでは対応するタスクバーとして表されます。
タスクビュー
メインウインドウのモードで、タスクを作成、編集、および検査できます。このビューの左側にはタスクアウトライン、右側にはガントチャートがあります。
添付ファイル
添付ファイルとは、OmniPlan プロジェクト内からお使いのコンピュータ内にあるファイルへのファイルのリンクのことです。ファイルはプロジェクト、タスク、またはリソースに添付できます。
テンプレート
テンプレートとは、新規書類の出発点として使用できるファイルのことです。プロジェクトの Web レポートを作成するための HTML テンプレートもあります。
ネットワークダイアグラム
プロジェクトを依存関係でつながれた一連のタスクノードとして表した視覚化ツール。ガントチャートのようにプロジェクトの時間的な流れを強調するのではなく、タスク間の関係を明確に表します。
ハンモック
前後のタスクにより課せられる制約に基づいて所要時間が変化する、柔軟な作業時間を持つタスク。
平準化
プロジェクトの平準化、またはリソースの平準化とは、リソースが可能な限り効率的に使用されるようにプロジェクトを自動的に再整理することです。したがって、どのような場合でも使用可能なユニット数 100% を超えてリソースが割り当てられることはありません。また、できるだけ早くタスクが完了するように、最も効率的なリソースの順序が探し出されます。

新規に作成されたプロジェクトは、リソースがタスクに割り当てられるときに、それらのリソースを自動的に平準化するように設定されます。この自動平準化の機能は「プロジェクト」メニューで無効にできます。

自動平準化を有効にしない場合は、変更(タスク達成率の更新やリソースの割り当て変更)を行った後に手動でプロジェクトを平準化するように心掛けてください。

マイルストーン
マイルストーンはタスクに似ていますが、所要時間がなく、作業時間を要しないという点で異なります。その目的は、プロジェクトのタイムラインで重要なポイントを押さえることです。マイルストーンは、依存関係と稼働スケジュールに基づいて時間的にシフトすることがあります。プロジェクトのマイルストーンは、タスクビューとマイルストーンインスペクタで管理できます。
モンテカルロ推定
モンテカルロシミュレーションは、起こりうる結果(OmniPlan Pro の場合は、プロジェクトやマイルストーンが時間どおりに完了する可能性)を推定するため、値の広がりに基づいてランダムサンプリングを使用します。シミュレーションの実行時、数百のランダム化された可能性が考慮され、その平均の結果が信頼度(マイルストーンが指定された日に完了することに対する信頼度)として報告されます。

使用される推定データは可能な値の範囲の中でランダム化されるため、複数回のモンテカルロシミュレーションを実行した場合は、たとえ同じデータセットを使っていても、得られる結果は毎回わずかに異なります。ただし、1 回のシミュレーションでかなりの回数の反復が行われるため、ひどく外れた値は消去されます。

ユニット数
ユニット数は、さまざまなコンテキストにおけるリソースの量を表します。スタッフリソースのユニット値は、タスクに割り当てることのできるスタッフの時間を表すパーセント値です。設備リソースや資材リソースのユニット値はその数量です。
リソース
リソースとは、プロジェクトを完了するのに必要な人々や物品のことです。リソースはリソースアウトラインに一覧され、タスクに割り当てることができます。リソースには、スタッフ、資材、設備の 3 つのタイプがあります。
リソースタイムライン
リソースビューの右側には、各リソースに割り当てられたタスクのタイムラインがあります。どちらかと言えば縦方向に圧縮されたこのタイムラインでは、リソースに注目しながらプロジェクトを見ることができます。
リソースビュー
メインウインドウのモードで、リソースを作成、編集、および検査できます。このビューの左側にはリソースアウトライン、右側にはリソースタイムラインがあります。
リソース負荷/リソースの割り当て
リソース負荷とは、プロジェクト内のさまざまな時点でそのリソースが割り当てられている作業時間の量のことです。あるリソースが一度に 100% 以上の可用率で割り当てられている場合、それは「過負荷」または「過度の利用」と言われます。リソースの平準化を行うことで、リソースの過負荷を緩和できます。各リソースの負荷を確認するには、リソースタイムラインでリソース割り当てグラフのモード切替機能を有効にします。
割り当て
タスクにリソースを割り当てるということは、そのタスクの所要時間中、そのリソースがビジー状態になるであろうことを意味します。割り当ての量は、タスクに費やされるリソースの時間に対するパーセントで表されます。

Omni ライセンスを管理する

この度は OmniPlan をお買い上げいただき(または購入を検討していただき)、ありがとうございます。体験期間が終わってこれからアプリを購入される方、また新しいライセンスコードを入力する必要がある方は、この章を参考にしてください。Omni ライセンスの処理を簡単に済ませることができます。

参考
Mac App Store から OmniPlan を購入された場合は、このセクションを無視してください。ライセンス管理をする必要があるのは The Omni Group の Web サイトから直接 OmniPlan を購入された場合のみです。

メニューバーから「OmniPlan」>「ライセンス」を選択して「ライセンス」ダイアログを開きます。このダイアログで OmniPlan ライセンスを確認したり、編集したりできます。また、これは本ソフトウェアの代金を実際に支払ったことを意味します。

ライセンスを購入するには:

  • ライセンスを購入」をクリックします。すると、Omni Store が表示され、そこで弊社の Mac 版ソフトウェアのライセンスを購入できます(当然のことながら、インターネット接続が必要です)。

新しいライセンスを追加するには:

  1. メニューバーから「OmniPlan」>「ライセンス」を選択して「ライセンス」ダイアログを開きます。

  2. ライセンスを追加」をクリックします。

  3. メールメッセージとして送られてきたライセンスキーをお持ちの場合は、所有者の名前とライセンスキーの両方をコピーして、該当するフィールドにペーストします。この情報をコピーアンドペーストできない場合は、タイプ入力する必要があります。このとき、ダッシュも含め、ライセンスメッセージに記載されている通りに入力してください。また、入力しようとしているライセンスが OmniPlan 3 用のライセンスであることも確認してください。他の Omni 製品または古いバージョンの OmniPlan のライセンスは使用できません。

  4. タイプ」ドロップダウンメニューはデフォルトで淡色表示になっています。この場合、ライセンスはこの Mac の現在のユーザアカウントに対する個人用であることを意味します。OmniPlan には、以下の 2 つのタイプのライセンスがあります。

    • 個人用: このライセンスは個人用であり、ライセンスをインストールした本人としてログインした場合にのみ、このコンピュータ上で使用できます。このライセンスは、個人で使用する目的であれば、複数のコンピュータにインストールすることも可能です。ただし、このタイプのライセンスでは、2 台のコンピュータで同時にこのソフトウェアを使用することはできません。個人用ライセンスが使用可能な場合、アプリケーションは常にその個人用ライセンスを使用します。

    • コンピュータ: このライセンスは、このコンピュータにログインする複数のユーザが使用できます。ただし、シート数を超えて、このライセンスを複数のコンピュータにインストールすることはできません。

お使いの Mac に複数のユーザアカウントがあり、それらのユーザが全員 OmniPlan を使えるようにするには、多少の操作を行う必要があります(OS X 10.7 以降、Apple が勧めているアプリのサンドボックス化の結果です)。コンピュータライセンスを設定するには、以下の手順で操作します。

  1. OmniPlan 3 を終了します。

  2. 新しい Finder ウインドウを開きます。

  3. 表示」▸「カラム」を選択して(または Command-3 を使用して)、Finder の表示設定をカラムに切り替えます。これで Mac のフォルダ階層を目で追いやすくなります。

  4. 移動」▸「コンピュータ」を選択します。

  5. Mac のハードドライブ(名称を変更していない場合、その名前は Macintosh HD)を選択し、以下のフォルダをたどっていきます。

    • ライブラリ
    • Application Support
  6. 「Application Support」フォルダの中に、新しいフォルダを作成し(「ファイル」▸「新規フォルダ」を選択するか、Shift-Command-N を使用)、そのフォルダに「Omni Group」という名前を付けます。このレベルに新規のフォルダを作成するには、管理者パスワードを入力する必要があります。

  7. 「Omni Group」フォルダの中に、新規のフォルダを作成し、そのフォルダに「Software Licenses」という名前を付けます。

  8. OmniPlan 3 を再び開き、「OmniPlan」▸「ライセンス」を選択します。

  9. ライセンスを追加」をクリックします。

ライセンスを追加」をクリックすると、「タイプ」ドロップダウンメニューが淡色表示ではなくなり、「コンピュータ」オプションを選択できるようになります。この後は、弊社から送られてきた所有者ライセンスキーの情報を入力し、「保存」をクリックするだけです。

ライセンスを削除するには:

  1. 削除するライセンスを選択します。

  2. ライセンスを削除」をクリックします。

2 台の Mac 間でライセンスを移動するには:

  1. まず、移動元のコンピュータでライセンスファイルを見つけます。OmniPlan ライセンスファイルは Library/Application Support/Omni Group/Software Licenses フォルダにあります。ここで、「Library」はシステムディスクの最上位レベルか(コンピュータライセンスの場合)、またはホームフォルダ(個人用ライセンスの場合)にあります。探しているファイルには omniplan–123456.omnilicense などの名前が付いています。このファイルを別のコンピュータに移動します。

  2. 移動先のコンピュータで、メニューバーから「OmniPlan」▸「ライセンス」を選択し、「ライセンスを追加」をクリックします。

  3. 表示されるシートで、「ライセンスを読み込む」をクリックします。

  4. 読み込むライセンスファイルを見つけて選択します。

  5. 開く」をクリックします。ライセンスファイルに互換性がある場合、つまり同じバージョンの OmniPlan 用であれば、ライセンスファイルは移動先のシステムの OmniPlan に追加されます。

ライセンスキーはバージョンに固有であるということを覚えておいてください。前のバージョンの OmniPlan で使っていたライセンスキーは OmniPlan 3 に対して使用できません(その逆も同様)。

ヘルプを得る

ガントチャートのことで困ったとき、同期問題が発生したとき、OmniPlan に関する他の問題が発生したときなど、ヘルプが必要になった場合には、The Omni Group のサポート担当員がお客様のお手伝いをいたします。

OmniPlan Web サイト

OmniPlan に関する最新情報が必要な場合には OmniPlan Web サイトをご利用ください。ここにはサポートセクションもあり、参照情報は日々増え続けています。ここには、特に困ったときや迷ったときに役立つ、検索可能な OmniPlan サポート記事があります。

公式フォーラム

The Omni Group はすべての Omni 製品のオンラインフォーラムを管理しています。ぜひご利用ください。これらのフォーラムでは、他のユーザや Omni スタッフと意見を交わしたり、質問を提示したりできます。

メールサポート

問題の対処方法がわからないとき、今後のバージョンの OmniPlan に対する提案があるとき、または単に弊社にフィードバックを送りたいときには、弊社宛にメールをお送りください。「ヘルプ」メニューから「Omni へのお問い合わせ」を選択すると、弊社のアドレスが自動的に入力されたメッセージを作成できます。弊社では、お客様により良いサポートを提供できるよう日々努力を重ねております。お客様からいただいたメッセージにつきましては、弊社の担当員ができるだけ迅速にお応えできるよう最善を尽くしております。

リリースノート

OmniPlan の各マイナーバージョンで加えられた変更について詳しくは、「ヘルプ」メニューにあるリリースノートをお読みください。