制御と調整
エンジニアリングでは、量を制御および調整することができます。
制御するとき、外部の影響を補償できずに量を操作します。調整すると き、外部の影響を補償するために、量を特定の値に維持します。
以下の例では、制御は、人が熱出力を固定値に設定できることを意味し ます。ヒーターは、窓を開けたときの室温の低下を補償できません。
以下の例では、調整は、室温が20℃よりも低下したら人が熱出力を増加で きることを意味します。室温が20℃よりも高くなったら、熱出力を減らし ます。
調整の基本概念
例では、電気暖房の電流は操作変数です。可変抵抗器はアクチュエータです。アクチュエータを操作する手はコントロールです。実際の室温は制御する変数またはプロセス値です。必要な室温は、コマンド変数または設定値です。電気加熱は制御プロセスです。温度計はセンサです。窓を開けることによる温度損失は外乱変数です。
このことは、人がプロセス値(室温)をセンサ(温度計)で測定し、プロセス値 (室温)をコマンド変数(必要な室温)と比較し、外乱変数(開けた窓からの温度 低下)を補償するために、アクチュエータ(可変抵抗器)を使用して手動で操 作変数(加熱電流)を調整することを、意味します。したがって、この人は コントローラです。
制御装置は、アクチュエータとコントロールで形成されます。
コントロールとコントローラを合わせて、調整装置が形成されます。
下図は、上記の状態を概念的に描いたものです。
比較エレメントには、コマンド変数をプロセス値と比較するセンサを使 用します。コマンド変数とプロセス値が極端に違っている場合、次々に プロセス値を変更する正または負のループエラーが結果として発生しま す。
制御ループ
プロセス値xは、調整装置によって操作変数Mに影響します。これは、制御ループとしても示される閉じた回路を形成します。
上記の例で、窓が開いていると、室内温度が低下します。人がヒーター の熱出力を上げる必要があります。熱出力を上げすぎると、暑くなりす ぎます。その場合、人が熱出力を下げる必要があります。
熱出力の増減が早すぎると、制御ループにゆらぎが発生します。室温が 不安定になります。暑すぎたり寒すぎたりします。これを防ぐため、人 は、熱出力を慎重にゆっくりと下げるか上げるかする必要があります。
ループエラー
ループエラーは、コマンド変数とプロセス値との差です。換言すると、 プロセス値の設定値からの偏差です。
e = SP – PV
ループエラーeは、操作変数Mの変更をもたらします。
上記の例は、以下のようにこれを非常によく示しています。必要な温度 が20℃ (=コマンド値w)で室温が22℃ (=プロセス値PV)の場合、ループエラーは以下のとおりです。
e = SP – PV = 20 ℃ - 22 ℃ = -2 ℃
この場合、負の符号は逆方向の操作を意味します。つまり、熱出力が低 下されます。
制御ループが平衡状態になると、ループエラーはゼロまたは非常に小さ くなります。コマンド変数か変わるかまたは外乱があると、ループエラ ーが発生します。ループエラーは、操作変数Mを使用して修正されます。